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肺結核とは?
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初期段階の肺結核の主な症状では、咳、痰をともなう微熱が続き、息苦しい、胸が痛い、全身がだるい、食欲不振の状態になり体重も減少します。初期には、普通の風邪に近い症状がいつまでも続くような感じですが、重症になってくると、血痰がでたり喀血したりすることもあります。
肺結核が発症すると、微熱が続きますが、朝方にはそれほど熱はなく、夕方になると37〜38度Cくらいの微熱が出ます。夜には寝汗をかき、昼には倦怠感を伴います。
肺結核の初期段階の典型的症状は次のようなものとなるので、このような状態が続くようであれば、医師の診断を受ける必要があります。
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肺結核の初期症状
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・2週間以上にわたり咳がでたり、痰が続く。
・痰に血液が混じる。(血痰がでたり、ときに喀血する)
・原因不明で37〜38度Cの微熱が続く。
・胸痛を感じ、ときに呼吸困難がある。
・全身の倦怠感が続く。
・食欲不振になり、痩せてくる。
・寝汗をかく。
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肺結核の原因
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肺結核は、結核菌と呼ばれる細菌を原因とする肺感染症です。結核菌が体内に入り、肺で繁殖することで発病します。
結核菌の感染ルートは、通常は飛沫感染です。肺結核を患っている患者が咳やくしゃみをすると、結核菌を含んだ飛沫が空気中に飛散します。周囲の人が呼吸により、この飛沫を吸い込み、結核菌が肺にまで到達すると感染してしまい、菌は肺内で増殖を始めます。
結核菌に感染しても全員が肺結核になるわけではありません。体内には免疫機能があるので、多くの場合に結核菌を封じ込めるので、発症するのは1割程度の人と推定されます。高齢者などの場合では、感染していても元気なうちは何事もなく、体力の低下にともなって結核菌の増殖が始まり、発病するケースもあります。
肺胞に到達した結核菌は、先ずマクロファージとよばれる白血球の一種に取り囲まれます。結核菌はマクロファージ内で増殖し外部にでて別のマクロファージに侵入して増殖しようとします。これが結核菌の感染です。
しかし、Tリンパ球がこれを察知し、マクロファージと協力して結核菌の増殖を停止させる戦いが始まります。通常、この戦いは2〜3週間で決着し、90%以上の人では、免疫力が勝利をおさめ自然治癒します。これが免疫の完成です。免疫力が負けた場合には結核が発病することになります。
人為的に免疫を獲得する方法としてBCGが使用されます。これは、人に対して毒性を失い抗原性だけをもった細菌を人為的に接種して感染させることで、発病することなく免疫を獲得させる方法です。
尚、通常の結核感染は肺結核ですが、結核菌が肺以外の臓器に到達し発症することもあります。例えば、リンパ節結核、結核性胸膜炎(いわゆる「肋膜」)、骨や関節の結核、髄膜炎、粟粒結核などが知られています。
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肺結核の診断
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結核菌への感染の検査方法には、「ツベルクリン反応検査」「X線検査」「結核菌検査」の三つの方法があります。
ツベルクリン反応検査では、人体のアレルギー反応を使って結核に感染しているかどうかを調べる検査方法です。ツベルクリン液を前腕内側の真ん中に注射し、48時間後に反応を調べます。結核菌に感染した人やBCG接種を受けた人では、赤い斑点、硬いブツブツの硬結や二重赤斑などが現れます。感染が強ければ強いほど、大きく赤く腫れあがります。この腫れの大きさなどから陽性であるか、またその程度はどの程度か判定します。
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陰性
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ツベルクリン反応が陰性なら、現状では結核菌感染していません。しかし、将来においては結核菌感染をきたす可能性があります。
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陽転
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前年度のツベルクリン反応が陰性で、今回は陽性になったツベルクリン反応陽転者で、結核菌に感染したことを意味しています。2年以内に発病する危険性が約5%あります。結核の初期症状である微熱の継続や咳、痰などの症状がないか注意が必要です。
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強い陽性
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ツベルクリン反応として水疱形成や二重発赤が認められます。以前に結核菌を吸い込んだことを意味し、2年以内に約5%の方が発病する危険性があります。また、一生を通じてさらに約5%の方が発病します。
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弱い陽性
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ツベルクリン反応に10mm以上の発赤があるが、硬結は認められなません。多くの場合、小児期のBCGによる陽性化の可能性があります。油断はできませんが、結核菌感染に対する抵抗力があると考えられます。
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中等度の陽性
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ツベルクリン反応で硬結が認められます。BCG陽転の可能性と結核菌感染の可能性のどちらかが考えられます。毎年の胸部X線検査が必要です。
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肺結核の早期発見に効果があるのが、レントゲン撮影(胸部X線検査)です。結核が発病していれば、90%以上の確率で発見できます。結核が発症していれば、肺上部の背中側に病巣が写ります。病状がかなり進行していれば空洞がみられます。ここには結核菌が大量に存在し、このような空洞をもつ人は、周囲の人への結核菌の感染源となります。結核病学会では病巣の性状により、肺結核の病型を次のように分類しています。
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0型
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病変がまったくない状態です。
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I型 広範空洞型
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空洞が第2肋骨の上端を結んだラインを超えて広がり、肺の病巣範囲の合計が片肺分に達した状態。
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U型 非広範空洞型
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空洞がみられ、T型には当てはまらない状態
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V型 不安定非空洞型
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炎症が起こっているために空洞はみられず、病巣の縁がはっきりしない状態
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W型 安定非空洞型
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炎症が落ち着き、病巣が収縮して空洞になったり石灰化し、結核腫とよばれる状態。円形陰影のX線写真
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X型 治癒型
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病巣が石灰化し、治癒した状態
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X線写真で肺結核の疑いがあれば、結核菌検査で詳しく調べます。痰に結核菌が確認されれば、肺結核と診断されます。
痰を顕微鏡で調べますが、菌の数が少ないと、顕微鏡では判定できないので、培養が必要となります。結核菌は細胞分裂の一回あたりの速度が非常に遅く、15時間もかかるので、正確な判定ができるまでに8週間もかかります。
しかし、最近の技術の進歩で、もっと迅速に診断できる方法も開発されています。
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肺結核の治療
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結核菌が検出される場合、原則的に専門の結核病棟への入院治療が必要です。治療には薬物療法が使われ、入院期間は通常半年〜1年かかります。
完全治癒のためには、発病後、最初の6か月間での薬物治療が非常に重要です。最初の治療時に、必要な医薬を医師の指示通りに正しく服用しないと、薬剤の効かない薬剤耐性化菌が増えてしまい、その後の治療が非常に困難になります。自己判断での薬の服用の中止は厳禁です。
薬物療法では、3〜4種類の薬剤を併用して服用します。服用期間は症状により半年から1年となります。結核の初期治療では、次に示す薬物療法の中から一つを選択するのが普通です。
| 処方例1 |
イソニアジド + リファンピシン + ピラジナミド
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| 処方例2 |
イソニアジド + リファンピシン + ピラジナミド + 塩酸エタンブトール
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| 処方例3 |
イソニアジド + リファンピシン + ピラジナミド + 硫酸ストレプトマイシン
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肺結核の予防
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結核に限らず、多くの病気は免疫によって制御できます。免疫力を高めておけば、たとえ感染しても、発症しないですみます。
免疫力を高めるには、栄養バランスのよい食事に心がけ、適度な運動と、規則正しい生活、特に十分な睡眠をとることが重要です。また、定期的に健康診断を受けておくことが大切になります。
糖尿病など免疫力を低下させる疾患のある方、大きな手術をして完全に回復していない方、70歳以上の高齢者の方、仕事の関係などで睡眠や食事などの生活習慣リズムが不規則な方、および常日ごろから多くの人に接する機会の多い方などは、感染する確率が高くなるので、免疫力を高めておく努力が必要です。
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