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慢性胃炎

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 なんらかの原因で胃の粘膜が傷つき炎症を起こしている状態が、継続的にまたは繰り返している病気である。吐き気、嘔吐、食欲不振、胸焼け、腹部膨満感などの症状が続く。慢性胃炎の原因は、ストレスや刺激性の飲食物摂取、薬物、不規則な生活習慣などである。


 慢性胃炎には、原因が分からないままに胃炎の炎症だけが起こる「突発性慢性胃炎」と、胃がんや胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの病気に伴って起こる「随伴性慢性胃炎」とがある。

 慢性胃炎の主な症状は、げっぷや鈍い胃の痛み、胃もたれ感、胸やけ、食欲不振、全身倦怠感などである。ときには、吐き気や嘔吐があり、ひどくなると吐血することもある。重症になると、胃粘膜が萎縮し変化する過程で、炎症が起こり、びらんができるためである。胃粘膜の萎縮は老化現象の一つでもあるので、慢性胃炎は、高齢者に多くみられる病気である。

消化器:慢性胃炎
慢性胃炎とは?  慢性胃炎には、「突発性慢性胃炎」と「随伴性慢性胃炎」という2種類がある。突発性の方は原因が特に分からず、ただ胃炎特有な症状だけが現れるものをいう。随伴性の方は、胃がんや胃潰瘍などの病気に伴って、胃粘膜や胃液分泌腺が萎縮することにより症状を呈する。

 慢性胃炎の症状は、げっぷや胃もたれ、胸やけなど上腹部不快感、膨満感があり、ときに食欲不振や全身倦怠感を伴うことがある。また、激しくなると、吐き気や嘔吐、吐血の症状も現れる。

慢性胃炎の原因  突発性慢性胃炎の原因は、はっきりはしないが、暴飲暴食、刺激性の強い香辛料やコーヒーの定常的・習慣的飲み過ぎなどが考えられる。また、頭痛薬などの医薬の服用に伴う副作用、喫煙、睡眠不足などの不規則な生活習慣、心身のストレスの蓄積などが影響する。

 胃の内部には、いつも強い塩酸が存在することで、粘膜が傷つきやすいといわれる。このため、加齢により胃粘膜の損傷がひどくなり、慢性胃炎の一つの原因と考えられてきた。いわゆる加齢現象の一つである。

 最近になって、胃の粘液の中に「ヘリコバクター・ピロリ菌」という細菌が存在することが分かり、この細菌が作り出す物質によって、粘膜が刺激を受け損傷されることが判明した。最近では、慢性胃炎の重要な原因は、このピロリ菌の長期感染であると考えられるようになった。

 ピロリ菌の感染がなければ、70歳以上の高齢者でも、胃粘膜は萎縮のないきれいた状態に保つことができる。

慢性胃炎の診断  慢性胃炎では、症状がはっきりとしていないことが多いので、げっぷや胃もたれ、胸やけなどの症状が続いたり、吐き気などがある場合には、検査によって炎症が起きているかどうか確認する。

 検査は、胃部レントゲン検査による胃粘膜の萎縮の状態や範囲を調べることができる。また、内視鏡検査(胃カメラ)によって、胃粘膜の状態を直接的に観察する。萎縮性慢性胃炎に進行していれば、粘膜の萎縮部は薄くなり血管が透きとおって見えるようになる。

 明らかな炎症が認められるなら、内視鏡に装備された器具で胃の粘膜組織を採取して、顕微鏡による病理学的検査がなされる。また、慢性胃炎の主な誘引であるピロリ菌感染があるかどうかを調べる必要がある。

 ピロリ菌の感染があるかどうかを調べる検査には下記のようなものがある。

粘膜組織検査  胃カメラによって、胃の粘膜組織を採取し、そこにピロリ菌が存在するかどうか検査する。検査法には、ウレアーゼ試験法、組織診、培養検査の三つがある。

<ウレアーゼ試験法> 尿素とpH指示薬の入った試験溶液の中に、採取した粘膜組織を入れて、色の変化を観察する。ピロリ菌が存在すれば、菌の出すウレアーゼによって、アンモニアが発生し、溶液がアルカリ性になるので試験液の色が変化するので分かる。

<組織診> 採取した胃粘膜組織を顕微鏡で観察し、ピロリ菌の存在を直接観察する。

<培養検査> 採取した胃粘膜組織をピロリ菌が繁殖しやすい環境で培養してから顕微鏡観察によりピロリ菌の存在を確認する。

胃粘膜組織を採取しない方法  内視鏡による胃粘膜組織の採取は、患者の肉体的負担が大きいので、粘膜の採取をしない検査方法として、以下の三つの方法がある。

<血液検査> ピロリ菌感染があると、それに対する抗体ができている筈である。血液中にピロリ菌に対する抗体があるかどうか調べる検査である。

<尿検査> 血液検査と同様に、尿中にピロリ菌の抗体があるかどうかを調べる。

<尿素呼気テスト> ピロリ菌には、ウレアーゼを分泌して、尿素をアンモニアと炭酸ガスに分解する作用があり、この炭素は呼気にでてくる。そこで、標識化された炭素を含む尿素を服用し、15分くらいしたときの呼気を採取して、呼気中の炭酸ガス成分中に、標識化された炭素がでてくるかどうかを観察する。


慢性胃炎の治療  慢性胃炎の本格的な治療法を行う前に、まず必要なのは、悪い生活習慣の改善である。その上で、対症療法、根本治療を行うことになる。

生活習慣改善  悪い生活習慣を改め、規則正しい生活を行うことで、症状を緩和することができると期待される。次のようなことに気をつけよう。

 ・毎日三度の食事を決まった時間に摂る。
 ・納豆などの植物性蛋白質、牛乳や卵などの動物性蛋白質を摂る。
 ・野菜の摂取に気を配り、食物繊維を多めに摂る。
 ・油分の多い揚げ物は控える
 ・香辛料、強いアルコール、炭酸飲料などの刺激性食品を避ける。
 ・禁煙する。
 ・医薬は用法容量を正しく守って服用する。

対症療法  胃のもたれ感、不快感などの症状には、胃の運動を改善する薬剤や、胃粘膜を保護する目的で、胃酸分泌抑制薬、胃粘膜保護薬、運動機能改善薬を服用する。胃炎の症状が強いときは、制酸剤やH2ブロッカーなどが投与される。

根本治療  慢性胃炎の主な原因は、ピロリ菌によることが分かっているので、抗生物質による抜本的治療が可能となった。

 抗生物質での根本治療法では、2〜3種類の抗生物質を同時に1〜2週間服用を続けて胃の中に存在するピロリ菌を除菌する。複数の抗生物質を同時に使用するのは、効果を確実にするためである。抗生物質を一つだけ使用した場合に、抗生物質が効かない耐性菌ができてしまう恐れがあるので、複数使用することで確実に絶滅させることを狙っている。