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アルコール性肝障害

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 長期にわたりアルコールを飲み続けると、アルコール性の肝障害が発症します。アルコール性肝障害には、「アルコール性脂肪肝」「アルコール性肝繊維症」「アルコール性肝炎」「アルコール性肝硬変」の4つがあります。


 アルコール性肝障害になると、吐き気、食欲不振、体重減少、全身倦怠感、腹部膨満感などの共通的症状が現れます。

 アルコール性肝障害の中で最初に発症するのはアルコール性脂肪肝です。それでもなお大量飲酒を続けると、約2割の人にアルコール性肝炎が起こります。

 アルコール性脂肪肝が更に進行するとアルコール性肝繊維症になります。アルコールが代謝されてできるアセトアルデヒドの毒性が肝細胞を破壊するとアルコール性肝炎となります。この合併症として、「肝性脳症」「肺炎」「急性腎不全」「消化管出血」などが起こると、高い確率で死に至る「重症型アルコール性肝炎」という病態があります。この場合には禁酒しても手遅れです。

 重症化しないとしても、長期の飲酒癖は、アルコール性肝繊維症を招き、アルコール性肝硬変となり、肝機能が極度に低下し生命にかかわる危険が増します。

 飲酒の機会からいえば、男性の方がアルコール性肝障害になるチャンスは多いですが、長期に大量摂取すると、女性の方が早く肝障害になる傾向があります。また、ウイルス性肝炎を合併すれば、ただちに肝硬変に進行し、肝細胞がんとなる可能性が大です。

消化器:アルコール性肝障害
アルコール性肝障害とは?  アルコール性肝障害は、大量のアルコールを長期間継続的に摂取する人に起こる、さまざまな肝機能障害の総称です。アルコール性肝障害には、「アルコール性脂肪肝」「アルコール性肝繊維症」「アルコール性肝炎」「アルコール性肝硬変」の4つがあります。

 アルコール性脂肪肝は、肝細胞内に中性脂肪が蓄積し肝臓が肥大した状態で、長期大量のアルコール摂取により、肝臓の脂肪代謝機能が低下して起こります。一般に、毎日3合以上の酒を5年間継続的に飲み続ければ脂肪肝になるといわれます。ただし、個人差は大きいです。アルコール性肝障害の初期にはほとんど自覚症状はなく、疲れ易いとかだるいといった程度です。

 症状が進行して、アルコール性肝炎になると、食欲不振、吐気、嘔吐、全身倦怠感、腹痛、下痢などの症状がみられるようになります。ときには、体重の減少、発熱や黄疸が現れます。肝臓が腫れて腹部を押すと痛みを感じることもあります。

 更に飲酒を続けると、ついにはアルコール性肝硬変へと移行します。肝細胞は破壊され、繊維化が進行して硬化してしまいます。肝臓には強い再生能力があるために、未だ破壊されていない肝細胞が増殖して機能の低下をカバーしようとします。その結果、肝臓表面に3〜4ミリの結節が形成されます。

 症状的には、肝炎症状のほかに、強い黄疸や下肢のむくみ、腹水などが現れ、指先や手のひらに手掌紅斑と呼ばれる赤い斑点ができます。上半身には、クモ状血管腫と呼ばれる赤い発疹のようなものが現れます。さらに悪化すれば、食道静脈瘤や肝性脳症が発症し、生命が危険となります。

アルコール性肝障害の原因  肝臓は、体内での代謝で発生するアンモニアなどの有害物質や、飲食物として摂取する有毒物質に対しての解毒作用を担っています。肝臓は、アルコールも体外からの有害物質として認識して、肝臓内に存在する酵素の力で分解処理し解毒化し、呼気や尿、汗として体外に排出しています。

 しかし、肝臓が処理できるアルコールの解毒能力には限度があり、限界を超えれば障害を引き起こします。大きな個人差はありますが、通常、体重60キロの人が1時間で解毒できるアルコール量は、6〜7グラムで、ヒール4分の1本、日本酒4分の1合くらいです。

 大酒のみでは、酵素が活性化し解毒能力は大きくなりますが、それでも限度があるので、その限界を超えれば、何らかの肝障害を招きます。

アルコール性肝障害の診断  アルコール性肝障害は、アルコールの長期継続的摂取によって起こる障害なので、早期に発見し、断酒などの厳しい対処をすれば、汗がんまで進行しないうちに止めることができます。逆にいえば、正しい治療をしなければ、高い確率で肝臓がんにまで行く可能性があります。

 通常の健康診断による血液検査や尿検査を行って、その結果でアルコール性肝障害の疑いがあると考えられる場合には、肝臓の超音波エコー検査や、CTスキャンによる断層撮影検査まどを行います。

 肝臓は再生が利く臓器であり、常に活発な新陳代謝を行っています。肝臓内で機能している酵素に「GOT」「GPT」「γ−GPT」などがあり、これらは肝臓内で触媒の働きをしている酵素ですが、通常時でもごく少量は血液中に流入しています。

 血液中のGOTやGPT、γ−GPTの量が異常に多くなると、それは何らかの肝機能障害によるものと考えられます。特に、アルコール性肝障害があれば、γ−GPTは確実に上昇します。

 アルコール性脂肪肝では、γーGTP値は100以上を示し、GOTがGPTより高い値となります。超音波エコーの検査で、画面上にギラギラと輝く特徴的な肝臓が映し出されれば、脂肪肝です。

 アルコール性肝炎では、GOT値が非常に上昇します。GPTも上昇はしますが、少々です。γ−GTP値は通常時の2倍くらいになります。

 アルコール性脂肪肝の場合は、継続的な飲酒癖により、肝臓に繊維が増える肝繊維症になっていたり、更に進行して肝硬変を起こしている可能性があるため、肝臓に針を刺して肝臓細胞を採取して、顕微鏡による病理検査(肝生検)を行います。

アルコール性肝障害の治療  酒を飲まなければアルコール性肝障害になることはありません。アルコールを飲む場合には、肝臓に過度な負担を掛けない程度にしておくことが重要です。

 アルコール性肝障害の治療では、原因となっているアルコールの摂取を止めることが絶対条件です。もしも飲酒を続けていれば、この病気は確実に進行し、ついには取り返しの付かない状態にまでなります。逆に、肝障害が軽微なうちに断酒ができれば、完治も夢ではありません。病状が進行してしまうか治癒できるかは、ひとえに断酒できるかどうかにかかっています。

 肥満の人は、アルコールの摂取を止めるだけでなく、厳しい食事制限により体重を減少させる必要があります。脂肪肝の場合、このような努力をすれば、数週間で肝臓は正常な状態にもどります。管理さえしっかりできるなら、アルコール性脂肪肝は、完治させることが十分に可能です。

 症状の激しいアルコール性肝炎では、入院しての治療が必要です。断酒と安静にして、点滴と食事療法を行って肝機能の回復を図ります。肝庇護剤という薬を服用することもあります。

 アルコール性肝硬変も肝炎の場合と同様な入院や食事療法が必要です。しかし、肝硬変にまで進行した状態では、肝臓は元の状態には戻せません。現状維持が治療の目標となります。

 一般に、肝機能障害を起こさないアルコール量というのがあって、個人差は大きいものの、1日の飲酒量として、日本酒なら2合くらい、ビールなら大瓶2本まで、ウイスキーでダブル2杯程度とされています。

 アルコール性肝障害が一旦治癒しても、断酒を続けていなければ容易に再発します。できるだけ、禁酒や節酒し、バランスのよい蛋白質、ビタミン、ミネラルなどを摂取する必要があります。