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身体の病気

高尿酸血症・痛風


 〔高尿酸血症〕とは、人間の身体の中を流れる血液中の尿酸濃度が異常に高い状態をいいます。

 医学的には、血中尿酸濃度が7mg/dL を越えると〔高尿酸血症〕と診断されます。

 血液中の尿酸濃度は、産生と排泄のバランスがとれていれば、一定の正常範囲に保たれる性質があります。


 このバランスが崩れると高尿酸血症になりますが、その原因には次の二つがあります。

  ・〔産生過剰型〕
  ・〔排泄低下型〕


 〔高尿酸血症〕になると、深刻な合併症として、〔痛風〕〔痛風結節〕〔尿酸結石〕〔動脈硬化症〕などが起こり、日常生活にも大きな支障がでてきます。

 中でも〔痛風〕は、激痛を伴う〔関節炎〕で、通常はまず足の親指側の中足趾関節に発作的に発症します。

 痛風発作は7.0mg/dL 以上の尿中尿酸濃度が数年間以上は続かないと現れません。また、痛風に罹るのはほとんどが男性で、女性の患者は痛風患者の内の1.5%しかいません。

 〔痛風〕になるとある日突然、足の親指の付け根が赤く腫れあがり痛みだします。歩くこともできないほどの発作的激痛が数日間~10日間くらい続き、やがて痛みは自然に消えます。

 しかし、半年~1年ほどでまた再発し、この繰り返しが何度か起こると、足首の関節くらいまで腫れるようになり、発作の周期が次第に短くなります。ここまで進展してしまうと、関節の痛みだけでなく、いろいろな内臓障害が併発してきます。

 〔痛風〕は、どちらかというと美食家に多い病気で、粗食家は罹らない病気だともいわれます。

 海外の歴史上の有名人には、アレキサンダー大王、ニュートン、ダビンチ、ゲーテ、ダーウィン、モーパッサン、スタンダール、チャーチルという具合に、かなり多くの人物名が登場しますが、古来の日本人でそのような人物はおりません。


どんな病気ですか? ◆「高尿酸血症・痛風 」とは、一体どんな病気なのかご説明します。
どんな病気ですか?  性別や年齢に関係なく、体中を流れる血液中の尿酸濃度が、血漿中の尿酸溶解濃度である7.0mg/dL を超えたものが高尿酸血症と定義されます。血液中の尿酸濃度は、産生と排泄のバランスがとれていれば、一定の正常範囲に保たれます。

 このバランスが崩れると高尿酸血症になりますが、その原因には三つあって、尿酸産生過剰型(尿酸産生の増加)、尿酸排泄低下型(尿中尿酸排泄能の低下)、両者の混在した混合型に大別されます。日本人では、尿酸産生過剰型が2割、尿酸排泄低下型が6割、混合型が2割となっています。




どんな症状ですか? ◆「高尿酸血症・痛風 」の症状をご説明します。
高尿酸血症・痛風 の症状  高尿酸血症自体は深刻な病気とはいえませんが、これに伴い発症する合併症は深刻です。合併症としては、痛風、痛風結節、尿酸結石、動脈硬化症などがあり、日常生活にも大きな支障をきたします。

 これらの合併症の中でも痛風は、激痛を伴う関節炎で、通常はまず足の親指側の中足趾関節に発作的に発症します。痛風発作は7.0mg/dL 以上の尿中尿酸濃度が数年間以上は続かないと現れません。

 痛風に罹るのはほとんどが男性で、女性の患者は痛風患者の内の1.5%しかいません。男性の標準的な尿酸値は女性よりも高いので、7.0mg/dL まで簡単に到達してしまいますが、女性の尿酸値は男性よりもかなり低いので、7.0mg/dL にはなかなか到達しないからです。

高尿酸血症による病気
痛風 まず足の親指の中足趾関節に激痛を伴って発症する病気です。一度発症しても数日~10日くらいで治まりますが、半年、1年して再発し、これを繰り返します。やがて深刻な状態へと変化します。
痛風結節 進行した痛風では、尿酸が尿酸ナトリウムの結晶となり、関節や軟骨の周辺、皮下組織などに、痛風結節と呼ばれるコブ状の肉芽腫組織をつくります。手足、耳介の皮下に生じることが多い。
尿酸結石 尿酸塩は、リン酸カルシウム塩、シュウ酸カルシウム塩などと同様に、尿濃度が濃くなると結晶化し結石をつくることがあります。尿酸の排泄が多いと尿酸結石ができる可能性が大きくなります。これはいわゆる尿路結石症の一つであり、背中に激烈な痛みを引き起こします。
腎障害 尿細管への尿酸の沈着がその原因となり間質性腎炎を引き起こします。進行すると腎不全を誘発することもあります。
動脈硬化症 尿酸は抗酸化物質であると同時に炎症惹起物質でもあるので、血管では、尿酸により炎症が起こり、血管平滑筋細胞を中心とした動脈硬化が進むことがあります。


原因は何ですか? ◆「高尿酸血症・痛風」の原因や発症の仕組みをご説明します。
高尿酸血症・痛風の原因  高尿酸血症は、遺伝的要因に食生活などの生活習慣や環境によって発病します。痛風になる人の20%くらいには、父親や親族などに痛風患者がおります。痛風は飽食の時代の病気だといわれます。栄養事情が悪いときには高尿酸血症の患者は少なく、栄養事情がよくなると多くなります。

 尿酸は体内で生成されるほか、食物に含まれるプリン体が分解してできる老廃物として生成されます。生成された尿酸は血液中に溶けきれなくなると結晶化します。食事中にプリン体の多く含まれる食品を摂取すると血液中の尿酸濃度は上昇します。参考までに食品一人前に含まれるプリン体の量を示します。滅多に食べない食品はいいとしても、食べすぎは高尿酸血症の原因となります。

食品に含まれるプリン体の量
食品名 一人前量 一人前中のプリン体量 備考
アンキモ(酒蒸し) 50g 199.6mg
イサキの白子 50g 152.8mg
牛焼肉レバー 120g 122.2mg
牛肉ヒレステーキ 200g 84.6mg
豚ロースステーキ 200g 79.8mg
カツオ切身 80g 72.2mg
クルマエビ 80g 68.6mg
アジの干物 1匹 65.3mg
サンマ切身一切れ 80g 54.4mg
マグロ切身一切れ 80g 53.8mg
クラバガニ 100g 47.4mg
ヒラメ切身一切れ 80g 46.0mg
マダコ 80g 45.8mg
鶏肉ササミ 30g 20.1mg
干し椎茸5個 10g 18.6mg
大豆 20g 16.8mg
かまぼこ 4枚 9.8mg
精白米 65g 8.2mg
カズノコ 60g 6.3mg
ウインナーソーセージ 30g 5.9mg
えのきたけ 20g 4.9mg
プロセスチーズ 25g 0.7mg

 お酒を飲むと一時的に尿酸値は上昇します。アルコールが体内で代謝(分解・無毒化)されるときに尿酸が作られるからです。また、一部のお酒にはプリン体が多く含まれるからです。

 アルコールが代謝されるときには、尿酸値は必ず上昇するので、痛風などにはよくありません。中でもビールは極めて問題があります。ビールには非常に多くのプリン体が含まれるため、高尿酸血症の方はビールの飲用を諦める必要がありそうです。しかし、大量に飲むのでなければ、ウイスキーやブランデー、焼酎はそれほど問題にしなくても大丈夫です。

食品中に含まれるプリン体の量
食品名 一人前量 一人前中のプリン体量 備考
ビール大瓶 1本633mL 32.4mg
日本酒 1合 2.2mg
ワイングラス 1杯 1.0mg
ブランデー 40mL 0.2mg
焼酎湯割り 1杯 0.1mg

 その他で尿酸値を上昇させる原因として、ストレスや過度な運動などがあげられます。また、ある種の薬剤も尿酸値を上昇させることがあります。一例をあげれば次の通りです。

 ・喘息の治療薬のテオフィリン(テオドールなど)
 ・結核治療薬のピラジナマイド(ピラジナミドなど)
 ・サイアザイド系降圧利尿薬(フルイトランなど)
 ・ループ利尿薬(ラシックスなど)
 ・少量のアスピリン(小児用バファリンなど)
 ・核酸成分を多量に含む健康食品など


診断はどうなりますか? ◆「高尿酸血症・痛風」の検査方法や診断方法をご説明します。
高尿酸血症・痛風の診断  性別や年齢を問わず絶対的な基準として血液中尿酸値が7.0mg/dL 以上であれば高尿酸血症と判断されます。これ以上の濃度では尿酸は血液中に溶解できす結晶化する限界だからです。  高尿酸血症は、尿酸産生過剰型(尿酸産生の増加)、尿酸排泄低下型(尿中尿酸排泄能の低下)、両者の混在した混合型に大別されるので、この病型判定のために、血中および尿中の尿酸値が測定されます。尿酸クリアランスおよびクレアチニンクリアランスの測定をし、その値で病型が識別されます。

 ・尿酸排泄低下型:CUA(尿酸クリアランス)< 6.2mL/min
 ・尿酸産生過剰型:EUA(尿中尿酸排泄量)> 0.51mg/kg/h

 高尿酸血症の最大の合併症である痛風の診断は、痛風発作時の関節の中に尿酸結晶があることで証明されます。しかし、痛風の症状は劇的なものなので状況証拠だけで十分に診断可能となります。


治療はどうやりますか? ◆「高尿酸血症・痛風」の治療方法をご説明します。
高尿酸血症・痛風の治療  高尿酸血症の治療法には、生活習慣改善、食事療法、薬物療法などがあります。

高尿酸血症・痛風の治療法
生活習慣改善  肥満を是正すると尿酸値は減少します。このためには摂取エネルギーを制限し、偏食を避け、多品目食品を少量ずつ摂取する必要があります。また、ウォーキングなどの軽い有酸素運動を行うことが大切です。そして、積極的に水分を摂ることも忘れてはいけません。そして、ストレスを解消することも重要です。

食事療法  食事として摂取するプリン体の量を制限する必要があります。特にビールはプリン体量が多いので、ビール党の方はできれば他のお酒に変更すべきです。水分の摂取量を多くし、尿酸の尿中への排泄を促進することも発作予防としては効果があります。

薬物療法  高尿酸血症・通風の主たる治療目的は、痛風関節炎の発症を防ぐことにあります。このために、血清尿酸値を 4.6~6.6 mg/dL にコントロールした時が最も発症率が低いとされます。

 高尿酸血症の治療として、痛風発作中であれば、まず非ステロイド性消炎鎮痛薬による治療を行い、それが鎮静した後、高尿酸血症の病型や合併症を考慮し、尿酸降下剤による治療を行います。尿酸降下薬は少量から開始し、血清尿酸値や尿中尿酸排泄量などを観察しながら徐々に増量して3~6か月かけて維持量を決定します。また、痛風の発作がなくても、血清尿酸値が9.0mg/dL 以上であれば、薬物療法を施します。

 高尿酸血症の治療薬(尿酸降下剤)には、尿酸排泄促進薬と尿酸合成阻害薬があります。尿酸産生過剰型の治療には、尿酸合成阻害薬(アロブリノール)、尿酸排泄低下型の治療には、尿酸排泄促進薬(ベンズブロマロン、プロベネシド、プコローム)を使用します。