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身体の病気

骨・関節・筋肉の病気

 骨格は骨、軟骨、靭帯という組織により構成され、それぞれの組織に固有な性質や機能を果たしています。成人では、頭蓋骨、脊柱、胸郭、骨盤、上肢骨、下肢骨などを中心に206本の骨が骨格筋や靭帯でつながれて人体を形成し形状を維持しています。骨格の大部分を占める骨は、外側の皮質骨と内側の海綿骨から成り、中央部には重要な造血器官である骨髄があります。


 骨は人の体を支える骨格として運動の支点としての物理的機能を持つほか、体内のカルシウム濃度を恒常的に維持するカルシウム代謝の役割を果たしています。軟骨は、関節や胸郭などにある組織で、物理的な力に柔軟に対応する性質を持っています。靱帯は2本以上の骨、軟骨、その他の組織を結合したり支持している線維性の組織です。

 骨は人の成長に応じてその大きさが変化したり、骨折などをしても治癒することからも分かる通り、活発に代謝が行われています。成長期には勿論のこと成長が終了してからも、骨は形や大きさを徐々に変化させたり維持しながら古い骨は破壊吸収され、新たな骨が形成されます。この骨形成と骨吸収による骨改造は、対外的には固さと粘り強さを維持するために、体内的には体の生理的要求に対応するために、常に繰り返されています。これが骨の新陳代謝と呼ばれているものです。古い骨を壊し、新しい骨を再構築することで強さを保っています。

 骨の主成分は生体で最も重要なミネラルであるカルシウムで、骨はその貯蔵器官としての役割を担っています。骨を破壊吸収することで血中のカルシウム濃度を上昇させ、あるいは逆に骨を形成することで血中カルシウム濃度を降下させることで、生体が必要とするカルシウムの濃度が調整されています。骨は、カルシウムだけでなく、リンやマグネシウムについても同様な働きをしています。

 人体各部の骨や関節などの病気も多種多様ですが、体の各部におこる主な骨の病気の名称を下表に示します。また、このコーナーで取り上げている病気については、概要を示しておきます。

こんな病気があります ▼骨・関節・筋肉の病気には、こんな病気があります。▼
体全般 腱鞘炎、骨粗鬆症、ドケルバン病、骨多孔症、骨髄炎、骨軟化症
関節 単純性関節炎、変形性関節症、化膿性関節炎、ぺルテス病、結核性関節炎、関節水腫、脱臼、捻挫/ねんざ
肩・腕・手足 肩こり、テニス肘、頚肩腕症候群、五十肩、肩関節周囲炎、肘内症、膝内症、狭窄性腱鞘炎、バネ指、外反母趾
突発頸項痛、頚椎症、むち打ち症、変形性頚椎症
脊椎 脊椎側わん症、脊椎すべり症、脊椎過敏症、変形性脊椎症、脊椎分離症、脊椎カリエス、腰椎分離症
腰痛、椎間板ヘルニア、突発性腰痛、ぎっくり腰

骨粗しょう症  骨密度が減少し、骨がもろくなり骨折しやすくなった全身性の状態を骨粗しょう症といいます。閉経後の女性に多く、脊椎、大腿骨頚部、手首、腕の付け根付近の骨などが骨折しやすくなります。全身の骨がもろくなっているので複数の骨が同時に骨折することもあります。カルシウムの摂取不足やビタミンDの不足、コーヒー、アルコールなどの過剰摂取、喫煙、運動不足などが骨租しょう症の危険因子となります。

変形性膝関節症  膝の関節にある軟骨が、変性したり、磨耗したり、ときには異常な増殖性の変化をする状態を変形性膝関節症といいます。病状が進むと、歩行時、階段の昇り降り、和式トイレ、正座などすると、主に関節の内側に痛みを感じるようになります。更にひどくなると、膝が曲がらなくなったり、炎症が起きて膝の周辺部が腫れたりします。また、膝に水が溜まる関節水腫もしばしば見られます。

腰椎椎間板ヘルニア  背骨を構成する一つひとつの骨を堆体といい、その内で腰の付近にあるのが腰椎です。腰椎と腰椎の間にあるのが椎間板で、椎間板は中央にはゼラチン状の髄核をもち、周囲には豊富なコラーゲンを含む繊維輪をもっています。このこの髄核や線維輪の一部などが突出した状態が椎間板ヘルニアです。この病気は坐骨神経痛とも呼ばれています。腰や足に繋がる神経を圧迫して痛みやしびれが現れます。

腰部脊柱管狭窄症  脊柱管という神経を囲む管が狭窄している状態を脊柱管狭窄症と呼び、足や腰に痛みを感じたり、麻痺やしびれが起こる病気です。原因には、先天性のものと後天性のものとがあります。腰痛は軽度ですが、脱力のため歩けなくなることがあります。少し休むと歩けるようになる、間欠跛行性現象があるのが特徴です。

上腕骨上顆炎  上腕骨上顆炎は、ひじの関節で親指側で骨が突き出している部分に炎症が起こる病気です。何もしなければ痛みはなく、ラケットを持ったりするとひじから前腕に痛みが走ります。悪化すると、握力低下のためにご飯茶碗を落としたりするようになります。

大腿骨頚部骨折  骨粗しょう症の人が、転倒などして大腿骨頚部を骨折する病気です。骨粗しょう症を持つ高齢者などが運動能力の低下でちょっとした段差につまづき転倒して、この病気になることが多いです。お年寄りの場合には治療がうまくゆかず、寝たきりになることがしばしばあります。

膝半月板損傷  膝の関節にある大腿骨と頚骨の間にある繊維状の軟骨を半月板と呼びます。半月板は三角形をしており、関節軟骨を守るクッションの働きをしています。この一部が損傷した状態を、膝半月板損傷と呼び、痛みがあるほか膝の曲げ伸ばしができなくなります。