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身体の病気

老視・老眼


 〔老視〕は〔老眼〕とも呼ばれる眼の障害の一つです。

 加齢により眼の水晶体の弾性が失われ、水晶体の調節力が弱まり、近くにあるものにうまく焦点をあわせることができなくなります。

 現実の物体はいろいろな距離に存在するのですが、人が物を見るときには水晶体の厚さを適度に変えることで光線を屈折させ、網膜の上に鮮明な像を結びます。


 本来、人の眼は網膜の上に焦点を結ぶように無意識に調整する機能をもっているのです。若い時代であれば、近くのものを見ようとすれば、水晶体が十分に厚くなり、網膜の上に鮮明に像ができます。

 しかし、加齢により水晶体が硬くなると、左図のように近くのものを見ようとしても焦点が網膜より後方に結ばれてしまいます。

 このように、加齢により、毛様体や水晶体の能力が弱まり、近くのものに焦点を合わせられなくなるのが〔老視〕あるいは〔老眼〕です。

 〔老視〕〔老眼〕は、高齢になるほど発症しますが、40~60代に自覚症状が出てきます。新聞や本が読み辛くなるなどで自覚します。〔老視〕〔老眼〕は、メガネで矯正することができます。
老視での光の経路


どんな病気ですか? ◆「老視・老眼」とは、一体どんな病気なのかご説明します。
どんな病気ですか?  人間の眼は、物を見るとき、その像が網膜上に鮮明に映るようにできています。正常な眼であれば、近くの物を見るときには水晶体が厚さを増して屈折率を強め、遠くの物を見るときには、水晶体は薄くなって屈折率を弱めます。

 この水晶体の働きによって、物体の位置がさまざまな距離にあっても、光線は網膜の上に正しく像を結び、鮮明に見ることができるのです。

 しかし、本来は正常な視力を持つ人でも、加齢により水晶体の弾性が失われ、眼の調節機能が弱まってきます。

 この場合、遠くのものは問題なく見えますが、水晶体を厚く調節することができなくなるために、30センチ程度以上の近くの物に焦点を合わせることができなくなります。

 この現象が「老視」あるいは「老眼」と呼ばれるものであり、原因は老化現象に伴う「調節異常」です。起こる現象は「屈折異常」で起こる遠視と同様ですが、原因は別物ということになります。

 老視・老眼は、早ければ40代から自覚されるようになり、メガネなしでは新聞が読めないなどの現象となって現れてきます。




どんな症状ですか? ◆「老視・老眼」の症状をご説明します。
老視・老眼の症状  遠近を見るときに重要な役割を果たす水晶体は、加齢により徐々に弾力を失い、硬くなってきます。それにより、毛様体の緊張により調節できる水晶体の厚さは徐々に狭まってしまいます。

 近くのものを見ようとしても、水晶体が厚くなれず、光を十分に屈折できなくなります。光の焦点が網膜より後方に結ばれてしまうので、近くのものがぼやけてしか見えません。これが老視・老眼です。

 老視・老眼は、水晶体の調節能力が衰えた状態なので、屈折異常とは呼ばず「水晶体の調節異常」と呼ばれます。老眼は、メガネで容易に矯正可能です。


原因は何ですか? ◆「老視・老眼」の原因や発症の仕組みをご説明します。
老視・老眼の原因  40代以降の年齢になると、加齢のために、水晶体が徐々に硬化し屈折率が変化しにくくなります。特に、毛様体が緊張しても水晶体を厚くするのが困難となり、近くのものが見えにくくなります。

 高齢化に伴う、毛様体や水晶体の機能低下が老視・老眼の基本的な原因です。

 もともとは正常であった水晶体の屈折率の調節がうまくできなくなるという意味で、この現象は調節異常と呼ばれます。


診断はどうなりますか? ◆「老視・老眼」の検査方法や診断方法をご説明します。「
老視・老眼の診断  普通の新聞紙を、普通の距離から普通に読めるなら、多少の老眼があったとしても問題ではないでしょう。しかし、かなり手を遠ざけないと読みにくいと感じるようなら老眼の可能性が高いです。

 老眼を簡単に調べる方法があります。老眼検査専用の「検査表」という紙があって、そこには、特に意味のない文字の配列が書かれています。文字の大きさは、大きな文字から徐々に小さくなり、最後には極小文字になるようなものです。

 眼から30センチの距離を離して、その紙を位置させ、文字を大きな方から順番に読み始め、小さい文字の方に読み進みます。どこまでの文字が読めたかで、老眼の程度が判定される仕組みです。

 このような検査もありますが、最近では眼の屈折率を自動的に測定する機械によって老眼の程度も判定できるようになっています。


治療はどうやりますか? ◆「老視・老眼」の治療方法をご説明します。
老視・老眼の治療方針  老視・老眼の原因は、近いものを見るとき、網膜に対して焦点が後方に来てしまうことによって起こりますが、一般的な治療法は眼鏡の使用です。

 ここでは、メガネによる矯正方法、コンタクトレンズによる矯正方法、および手術による矯正方法を簡単に示します。最近、手術による矯正方法として、レーシック法というものが実用化されましたが、詳細は「レーシック技術」をご覧ください。

メガネでの矯正  老視・老眼の最も一般的な矯正法は眼鏡の使用です。

 老視には凸レンズのメガネを使用し、近くのものを見るとき焦点が網膜上に結ぶようにしますが、眼の調節力の減退に応じて凸レンズの度数を強くします。

 老眼になる前の段階から、近視や遠視、乱視のメガネを使用していた人でも、加齢により老眼の症状がでてくるのが普通です。このような場合には、近くのものを見るときには、元々使用していた近眼、遠視、乱視などのレンズ度数に、老眼用の凸レンズの度数を加え調整したメガネが必要となります。

 元々は近眼で、凹レンズを使用していた人は、老眼の分だけ、凹レンズの度数を弱めたレンズを使うことになります。元々、遠視の人では、遠視用に使用していた凸レンズに老眼用の度数を加えた、更に強い度数の凸レンズの眼鏡を使うようになります。

コンタクトレンズでの矯正  近年、コンタクトレンズは非常に進化し、どのタイプの屈折異常、調節異常に対しても矯正可能となっていて、希望すればほとんどの人が使用可能です。

 老視・老眼用のコンタクトレンズももちろんありますが、老眼では、近くを見るときだけ矯正が必要なので、コンタクトレンズより眼鏡を使用する方が一般てきです。コンタクトレンズを入れたままでは、遠方を見るとき問題が起こるからです。

 一般に、コンタクトレンズを使用すると、見た目ばかりでなく、運動性もよくなります。しかし、眼鏡に比べると管理が重要で、使用法を間違えると重大な結果を招くこともあります。管理の煩雑さに耐えられる人以外は使用することができません。

 また、コンタクトレンズのタイプには、ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズ、使い捨てコンタクトレンズなどいろいろな種類があり、一長一短があるので、ご自分に合ったコンタクトレンズを探すことが重要です。

 最近、単にファッションとしてカラーのコンタクトレンズを使用する女性が増えていますが、度数がないコンタクトの場合、医療的な配慮が不十分で、眼を傷めたり、最悪の場合には失明する恐れもありますので、注意が必要です。

手術法  人の眼の屈折率は、角膜プラス水晶体の合計の屈折率として作用しています。このため、レーザー光線を照射し角膜の形状を変化させることで視力を矯正できる技術(レーシック技術)が開発・実用化され、急速に利用されるようになりました。

 通常の場合、レーシック技術は近視の矯正用として使用されることが圧倒的に多いです。原理上は、遠視や乱視、老眼に対しても手術が可能ですが、少なくとも老眼に対してのレーシック手術はお勧めできません。

 もしも、老眼に合わせて近くがよく見えるように、角膜形状を変えてしまうと、こんどは遠方を見るときに焦点が合わず、ぼやけてしまうでしょう。近くを見るときだけ、老眼鏡を使用する代わりに、遠方を見るとき遠方用メガネが必要になるなんて考えられないでしょう。