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身体の病気

睡眠時無呼吸症候群


 〔睡眠時無呼吸症候群〕は〔SAS〕とか〔睡眠時呼吸障害〕とも呼ばれる病気です。

 睡眠時に突然呼吸がとまり、それが10秒以上続くような現象がおこり、しかも繰り返される状態を〔睡眠時無呼吸症候群〕といいます。

 この疾患では、睡眠中のいびきや不規則な呼吸が特徴的に起こります。


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睡眠時無呼吸症候群

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 〔睡眠時無呼吸症候群〕の更に詳しい情報は、下記を参照してください。


  〔SAS:睡眠時無呼吸症候群

 睡眠中に10秒以上の呼吸停止が1時間内で5回以上起こるか、7時間の睡眠中に30回以上あると、〔睡眠時無呼吸症候群〕と診断されます。

 〔睡眠時無呼吸症候群〕では、睡眠時無呼吸症候群に典型的な次のような症状が現れます。

  ・激しいいびき
  ・昼間の眠気
  ・熟睡感の不足
  ・起床時の頭痛


 眠ってはいけないときにふわーっと眠ってしまうことがあるなら、〔睡眠時無呼吸症候群〕の疑いがあります。
 〔睡眠時無呼吸症候群〕は、生活習慣病と密接な関係があり、適切な治療をしないで放置すると、〔高血圧症〕や〔糖尿病〕〔脂質異常症〕などを誘発します。

 更に、〔動脈硬化〕を進行させ、〔不整脈〕や〔狭心症〕〔心筋梗塞〕〔脳卒中〕などの重篤な病気を引き起こします。

 〔睡眠時無呼吸症候群〕の患者は、昼間でも一瞬眠り込んでしまうことがあるので、車の運転中に交通事故を起こす危険が大きくなります。

 日本人の2%、約200万人が〔睡眠時無呼吸症候群〕の疑いがあるとされています。中高年の男性の3.3%、女性の0.5%にSASの症状がみられるとも言われます。

 厚生労働省の統計では、睡眠1時間あたりにおける低呼吸数が20回以上ある場合、5年後の生存率は84%となっています。


どんな病気ですか? ◆「睡眠時無呼吸症候群」とは、一体どんな病気なのかご説明します。
どんな病気ですか?  睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に10秒以上呼吸が停止する頻度が5回以上断続的に繰り返される病気です。この場合、十分な睡眠がとれず、熟睡感が得られないだけでなく、目覚めたときに頭痛を感じたり、昼間の時間帯での眠気を誘ったりします。

 SASは生活習慣病とも深い関係があり、放置すると最終的には生命の危険に及ぶこともあります。

 睡眠時無呼吸症候群の定義には、米国睡眠医学会の提唱する基準というものもあり、「睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠時に呼吸停止または低呼吸になる病気」とされ、具体的には次のような状態であると定義されています。

米国睡眠医学会による睡眠時無呼吸症候群の定義
定義  睡眠時無呼吸症候群は、「無呼吸・低呼吸指数」が、5以上であり、かつ日中の過眠などの症状を伴う病気である。

言葉の意味 ・無呼吸とは、口、鼻の気流が10秒以上停止すること。
・低呼吸とは、10秒以上換気量が50%以上低下すること。
・無呼吸・低呼吸指数とは、1時間あたりの無呼吸と低呼吸を合わせたもの。





どんな症状ですか? ◆「睡眠時無呼吸症候群」の症状をご説明します。
睡眠時無呼吸症候群の症状  睡眠時無呼吸症候群(SAS)では、様々な症状を呈します。睡眠時無呼吸症候群の典型的な症状は、睡眠中に激しいいびきをかくこと、起床時に頭痛を感じること、睡眠途中での中途覚醒が起こるなどですが、稀には性的インポテンツ(勃起不全)になることもあります。

 中途覚醒というのは、睡眠中に突然脳が覚醒してしまったり、あるいはトイレに行きたくなるなどで目覚めてしまい、その後どうしても眠りにつけない状態をいいます。眠ったと思っても何度でも目覚めてしまうこともあります。

 また、睡眠不足のために、起床後では日中の時間帯に強い眠気が襲うようになります。これは特に問題にはなりませんが、床屋さんでの散髪中や歯医者での治療中にグーグーと眠り込んでしまいます。しかし、学業や仕事上で集中力や活力を欠き、会議中に居眠りをしたり、居眠り運転をして重大事故を起こす原因ともなります。

 また、睡眠中の呼吸停止回数が極度に多くなる状態では、単に睡眠不足だけの問題ではなく、体内の酸素不足が深刻な状態になります。酸素不足になると寝苦しかったり、息苦しくなり睡眠不足をますます助長します。

 それどころか、循環機能に負担を掛ける結果、肥満や不整脈、高血圧、心不全、糖尿病、夜間頻尿、うつ症状などの合併症を誘発することにもなりかねません。高齢者SAS患者の死亡率は高齢健常者の2.7倍高いとされています。

 夜間頻尿はしばしばみられる症状で、無呼吸のあと、ガッヴァっと大きないびきをかくことで腹圧が上昇して尿意を催したりするのです。

SASの症状
夜間睡眠中など ・睡眠時の呼吸の停止(家族などが気づく)
・大きないびき(家族などが気づく)
・頻回の中途覚醒
・夜間頻尿
・インポテンツ(勃起不全)
・起床時の頭痛

昼間 ・昼間の耐えがたい眠気
・抑うつ
・集中力の低下
・居眠り運転

合併症 ・生活習慣病(高血圧、心臓病、脳卒中、糖尿病、肥満など)



原因は何ですか? ◆「睡眠時無呼吸症候群」の原因や発症の仕組みをご説明します。
睡眠時無呼吸症候群の原因  睡眠時無呼吸症候群には次に示す3つの種類があり、原因も異なりますが、ほとんどは閉塞型のもので中枢型はあまり起こりません。

睡眠時無呼吸症候群の種類
閉塞型睡眠時無呼吸症候群  閉塞型睡眠時無呼吸症候群は「OSAS(Obstractive SAS)」とも呼ばれるもので、上気道が閉塞することにより起こるタイプです。普通の人でも起こりますが、肥満者により多く発症します。

 睡眠中に空気の通り道である上気道が閉塞状態になることで起こります。睡眠中に筋弛緩が起こり舌根部や軟口蓋が下がって気道を閉塞してしまうのが主な原因である。

閉塞型睡眠時無呼吸症候群の発症原因
肥満  上気道の閉塞を招く原因には肥満が大きく関係しています。肥満による首周りの脂肪分の沈着などが原因となります。

口腔臓器肥大  口の中にある臓器の肥大などでも起こります。扁桃肥大、アデノイド肥大、舌が特別に大きい巨舌症などが原因となります。

口腔形状異常  構造的に鼻の形に異常がある鼻中隔湾曲症や、顎の形が特に小さい小顎症などによって起こることもあります。


中枢型睡眠時無呼吸症候群  中枢型睡眠時無呼吸症候群は、呼吸中枢に障害があって呼吸運動が消失するタイプの無呼吸症候群です。脳血管障害や重症心不全などによる呼吸中枢障害などが原因となります。

混合型睡眠時無呼吸症候群  混合型睡眠時無呼吸症候群とは、閉塞型と中枢型の混合したタイプの無呼吸症候群を言います。



診断はどうなりますか? ◆「睡眠時無呼吸症候群」の検査方法や診断方法をご説明します。
睡眠時無呼吸症候群の検査・診断方針  家族などの証言により、いびきのひどい、睡眠中の呼吸停止があるなど睡眠時無呼吸症候群の典型的な症状が指摘されたり、夜間頻尿や睡眠時の中途覚醒があるなどの場合には、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがあります。

 睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合、専門の医療機関では、患者の睡眠状態や自覚症状などについて問診し、もしもSASの疑いが強くある場合には、その後の検査方法を決定します。

 患者に一晩だけ入院してもらい、「簡易検査」あるいは「終夜ポリグラフィ」という方法を用いて、夜間の睡眠時の状態を測定・検査して診断します。

簡易検査  簡易検査は、簡易的に睡眠中の呼吸状態を測定する検査です。緊急的に検査したい場合や、終夜ポリグラフィの正式検査実施前に予備的に調べる際に行うことがあります。

 場合によっては、この検査は入院することなく自宅で行うこともできます。

終夜ポリグラフィ  終夜ポリグラフィは、「睡眠ポリグラフ検査」とか「睡眠ポリソムノグラフィ検査」と呼ばれることもある検査方法です。終夜ポリグラフィ検査では、患者の夜間の睡眠時の状態として、眠りの深さ、睡眠の質、呼吸状態を同時に測定します。

x  これらの状態を詳細に検査するため、いろいろな測定器を身体に装着して検査します。装着する機器は、脳波計、心電図あるいは眠電図、胸部・腹部の動きや鼻からの気流を図る機器、動脈血中の酸素濃度計測器などです。

x
終夜ポリグラフィ検査方法
睡眠ステージ  睡眠中の脳波、心電図・眠電図、頤筋筋電図により睡眠ステージを測定します。

呼吸パターン  口や鼻の気流、胸や腹部の動きにより呼吸パターンを測定します。

酸素飽和度  パルスオキシメーターにより経皮的動脈血酸素飽和度(Sp02)の測定をします。これは呼吸により血中酸素が十分に供給されているかどうかの測定です。


SASの重症度診断  医師は、終夜ポリグラフィ検査の結果を総合的に判定して診断を下します。データによりSASの重症度が判定されます。

 判定は、AHI(無呼吸低呼吸指数)の値により行われます。夜間睡眠期間中の1時間当たりの平均の無呼吸数と低呼吸数を計算し、合計したものがAHIです。無呼吸は10秒以上換気が停止した状態であり、低呼吸は換気が50%以下に低下した状態です。

SASの重症度判定
AHI 重症度
4以下 問題なし
5~14 軽度のSAS
15~29 中等度SAS
30以上 重度SAS


治療はどうやりますか? ◆「睡眠時無呼吸症候群」の治療方法をご説明します。
睡眠時無呼吸症候群の治療方針  AHIの値が20以上であれば、すぐに死に繋がることは無いとしても、一般的に早急な治療が必要だとされています。最近の医学の進歩には目覚しいものがあり、適切な治療法を選択すれば確実に改善できます。

 SASの治療法としては、「減量療法」「マウスピース療法」「持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)」「外科手術療法」「対症療法」「生活習慣の改善」などがあります。特に、シーパップ療法は非常に優れた方法として全世界で推奨される療法です。

減量療法  多くの場合、肥満が原因でSASになっている人がいます。この場合には、減量すれば改善が一定の効果が期待できます。減量により上気道周辺の脂肪の重さによる狭窄を改善できるからです。

持続陽圧呼吸療法  持続陽圧呼吸療法とは「CPAP(Continuous Positive Airway Pressure)療法」あるいは「シーパップ」とも呼ばれる特に優れた方法です。

 CPAP療法では、専用の加圧機器を用いて、鼻に装着したマスクに空気を送り込み、圧力をかけ、その空気が舌根周囲の空間を拡げることで、呼気時の気道狭窄を防止する方法です。

 この方法は、睡眠時無呼吸症候群に対する根本的治療ではありませんが、現在では最も有効で、しかも信頼がおける療法となっています。CPAP療法を用いると、睡眠中に気道が閉塞することがなくなり、無呼吸や低呼吸状態による酸素不足が解消されて睡眠の質を高度に向上できます。

 また、睡眠時無呼吸症候群で最も心配な、合併症である高血圧症や狭心症・心筋梗塞などが発症する危険性を大きく低減できます。CPAP療法の効果は使用を開始すれば即日的に実感できるようになります。

 CPAP療法は、非常に簡単で確実な効果もあり、しかも特別な副作用もないのですが、あくまでも睡眠時無呼吸症候群に対する対症療法であるため、真の原因が除去されない限り、この方法を継続し続ける必要があります。

マウスピース療法  マウスピース療法は「スリープスプリント療法」とも呼ばれる療法です。自分専用用の精密なマウスピース(スリープスプリント)を用いて、下顎を前進させた状態で固定し、気道の狭窄を防止する方法です。

 このスリープスプリントによる療法は2004年から健康保険適応となりました。

外科手術療法  外科手術によりSASを改善する療法もあります。外科手術には、「UPPP:口蓋垂軟口蓋咽頭形成術」「LAUP:レーザー手術」および「扁桃摘出術」などの方法があり、一定の効果があります。

生活習慣の改善  無呼吸症候群の患者がタバコを吸うと、喉の粘膜を傷め、血中酸素濃度を低下させるなどして無呼吸を悪化させる要因となるので、喫煙は厳禁です。

 また、健常者であれば、睡眠前の少量のお酒は寝つきを良くするなどといわれますが、SASの患者に対しては、いびきの原因を助長することになるので、就寝前数時間の飲酒は止めた方がよいです。