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体の病気

〔エキノコックス炎〕

 

 〔エキノコックス炎〕は、エキノコックスという寄生虫の感染によって引き起こされる疾患で、〔エキノコックス症〕〔包虫症〕とも呼ばれる病気です。

 エキノコックスは「寄生虫」なので、最初は「卵」から出発し、成虫はキタキツネや犬などの小腸に寄生します。

 エキノコックスの最大の宿主は北海道に生息するキタキツネであり、その生息数は5万~10万匹とされています。


 キタキツネなどの宿主の体内で産み出された卵は、糞便とともに排泄されます。その糞便に直接触ったり、糞便に汚染された山菜や川の水などを摂取することで経口感染します。しかし、人間から人間への感染はありません。

 人間がエキノコックスの卵を経口摂取すると、卵は体内で幼虫となり、主に肝臓に寄生します。肝臓などに寄生しても自覚症状がでるまでには数年~十数年もかかるので、放置すると非常に大きな虫に成長してしまいます。


 エキノコックス炎に感染すると、98%の患者では肝臓に病巣が形成されます。感染初期には無症状ですが、次第に肝臓腫大を起こすと右上腹部の痛みが現れます。また、胆管を閉塞することで黄疸を呈し、激しい皮膚の痒みや腹水をもたらすこともあります。

 肝臓以外でも、肺に感染すれば咳や血痰、胸痛、発熱などの肺結核類似の症状をきたします。肝臓や肺以外にも脳や心臓、骨などに寄生することもあります。


 体内で嚢胞が破れると包虫が散布されて至るところに転移することもあり、内容物が漏れ出すと重篤なアナフィラキシーショックを引き起こします。

 エキノコックス炎は、主に肝臓の病気とされていますので、肝機能障害にともなう疲れやすさ、右わき腹の痛み、黄疸等の症状を現します。進行は極めて緩慢です。

 エキノコックス症の感染からの病期の進行段階は、感染を含めて、一般に4つの期に分けることができます。

 ・感染
 ・第一期(潜伏期間)
 ・第二期(発症段階)
 ・第三期(肝機能障害顕在化)

 尚、発症後、治療せずに放置した場合の五年後生存率は、30%といわれています。

エキノコックス炎の進行段階
感染

 体内に侵入すると、まず幼虫になり、そのまま肝臓に寄生します。

第一期
(潜伏期)

 この段階は潜伏期間であり幼虫の発育は遅く、自覚症状が現れるまで数年~十数年かかります。その間の肝機能は正常域です。

第二期
(発症期)

 肝腫大に伴う上腹部の膨満・不快感などの不定症状がでできます。

第三期
(肝機能障害顕在期)

 肝機能障害が起こり、腹部症状の増強、発熱、黄疸などが現れます。治療しないで放置すると、約半年で黄疸、腹水、浮腫を合併し死に至ります。