オールアバウト健康・医療館 ↓↓ Google:健康・医療情報検索 ↓↓
オールアバウト健康・医療館身体の病気心の病気健康保険介護保険老人福祉医療技術医療資格
医薬品身体のしくみ健康増進健康診断健康食品食品・飲料医療制度健康用語辞典
TOP 身体の病気 生活習慣病 肥満
身体の病気

肥満

 肥満とは、正常な状態に比べて体重が異常に多い状態、あるいは体脂肪が過剰に蓄積した状態をいいます。しかし、より正しくは、体重が多いか少ないかではなく、過剰な体脂肪が蓄積しているかどうかで決まります。体重があっても筋肉質なら肥満とはいいません。


 一般的に欧米諸国では肥満の人がとても多く、アジア諸国では少ないです。しかし、食文化が欧米化した現在では、アジア人でも肥満の割合は増えてきました。また、最近では、小児の肥満が増加傾向にあることも問題です。

 肥満の直接的原因は、体の各部に脂肪が蓄積されることで起こります。肥満は、脂肪の蓄積する部分によって、皮下脂肪型肥満と内蔵脂肪型肥満とに分けられます。

 本来、体内に蓄えられる脂肪はエネルギーの源でもあり、臓器を保護するための機能も果たしています。脂肪は皮下に貯えられたり、肺や肝臓、腸などがある体腔内にも貯えられます。皮下の脂肪は「皮下脂肪」と呼ばれ、体腔内の脂肪は「内臓脂肪」と呼ばれます。

 肥満は、糖尿病、高血圧、高脂血症などのさまざまな病気を誘引する危険因子であり、万病のもとともいわれます。肥満は食物の摂り過ぎや運動不足が原因で起こりますので、肥満を予防するためには、生活習慣を改善する必要があります。

生活習慣病:肥満
肥満とは?  肥満症には、皮下脂肪型肥満症と内臓脂肪型肥満症とがあります。これらの脂肪はエネルギーの蓄積するという意味では同じですが、皮下脂肪は脂肪細胞の数が増えやすく、内臓脂肪では、ひとつひとつの細胞が太る傾向があります。皮下脂肪が増えにくく減りにくいのに対して、内臓脂肪は増えやすく減りやすい特徴があります。

 肥満症が怖いのは、体重の増加や体形の変化だけではありません。本当に怖いのは、脂肪が増えることで多くの重大な合併症を発病しやすいからです。代表的な合併症には、糖尿病、高脂血症、高血圧、高尿酸血症、呼吸器疾患、整形外科疾患などがあります。

 肥満症のタイプによって体形が変化します。皮下脂肪型肥満症は、女性に多く、洋梨型肥満症(下半身型肥満症)といわれ、下半身が丸くなります。これに対し、内臓脂肪型肥満症は男性に多く、リンゴ型肥満症(上半身肥満症)といわれ、ヒップよりウエストが大きくなります。この内蔵脂肪型肥満症は、多くの生活習慣病を誘発する危険性が非常に高くなります。

肥満の原因  肥満症の直接的原因として、食事などでのカロリー摂取量が、基礎代謝(呼吸や安静時の消費されるエネルギー)や運動時の消費カロリーよりも定常的にオーバーしていると起こります。簡単にいえば、食べすぎと運動不足が主な原因となります。潜在的原因としては、遺伝的要因(体質)も見逃せませんが、環境因子としての生活習慣がより大きく寄与しています。

肥満の診断  肥満症の診断には、体重による肥満診断法(BMI法)、体脂肪率による肥満診断法、ウエスト周囲長による判定法などがあります。肥満は直感的にも分かりやすいのですが、これらの方法を組み合わせてより確かな判断ができ、極度の肥満に対しての治療が可能となります。

体重による診断
BMI法

 肥満は簡単にいえば、標準体重より概ね20%以上体重が超過すれば肥満といってもいいかとは思うが、この定義ではいろいろな不確かさがあります。そこで、現在、成人の体重による肥満診断にはBMI(ボディマスインデックス)という方法が用いられています。日本肥満学会基準2000年ではBMIによる肥満の定義は次のとおりです。

 ここでBMIの計算は次の式による。

  BMI=(現在の体重kg)/(身長m*身長m)

肥満度 BMI
低体重(やせ気味) 17.9以下
正常 18.5以上〜25未満
肥満1度 25以上〜30未満
肥満2度 30以上〜35未満
肥満3度 35以上〜40未満
肥満4度 40以上

 BMIでの評価は身長と体重から単純に計算できる便利さがあり、肥満の目安にはなるが、この値だけでは筋肉質なのか脂肪過多なのか、更に皮下脂肪型肥満なのか内蔵脂肪過多肥満なのかの判定は全く出来ないという欠点がある。従って、普通の体形の人には有効な方法だが、特別な体形(骨太、足長、骨細、筋肉質)の人には必ずしも正しくはありません。

 BMI(ボディ・マス・インデックス=肥満指数)の統計的な調査結果から、BMI=22という状態が最も健康な状態であることが分かりました。これを用いて身長ごとの標準体重を計算すると、最も好ましい標準体重が分かります。その標準体重を20%以上超えると、肥満と呼ばれることになります。

身長 cm 標準体重 kg これより肥満kg
140 43.1 51.7
145 46.3 55.5
150 49.5 59.4
155 52.9 63.4
160 56.3 67.6
165 59.9 71.9
170 63.6 76.3
175 67.4 80.9
180 71.3 85.5

体脂肪率による診断  適正な体脂肪率は、成人男性では15〜19%、女性では20〜25%です。基本的には、この適正体脂肪率よりも高ければ肥満ということになります。現状では、男性で25%以上 女性で30%以上は明らかな肥満と診断されます。

 体脂肪率の値は、CTやMRIなどにより体脂肪面積を測定し、その値から体脂肪率を計算する方法が最も正確な値となります。しかし、この方法は設備的にも、費用的にも簡単ではないので実用性に欠ける欠点があります。

 そこで、いわゆる「体脂肪計」を用いて測定することになります。この方法はあくまでも簡易的な測定法となるので、必ずしも正確な値ではありませんが、肥満かどうかを判定する目安としては十分なので、よく使用されています。
ウエスト周囲長による診断  ウエスト周囲長による肥満の判定法では、男性で85cm以上 女性で90cm以上は生活習慣病になりやすい肥満と判定されます。

肥満の治療  肥満は、基礎代謝や運動で消費されるエネルギーよりも食品から摂取するエネルギーの方が多すぎるとき起こります。基本的な肥満防止の方法や治療方法は、エネルギーの摂取を減らし、運動に使用するエネルギーを増加させることとなります。

 摂取するエネルギー源としては、蛋白質、脂質、糖質、アルコールなどがあります。摂取するエネルギーを減らす対策としては、まずアルコールを減らすことが必要です。アルコールの摂取量を減らしても欠乏症は一切起こらないから安心です。アルコール好きな人には地獄かも知れませんが。

 蛋白質、糖質、脂肪はどれも必要な栄養成分なので、過剰摂取はいけませんが、摂取しないわけにはゆきません。蛋白質は体を構成する重要な栄養素であり、体重1kgあたり毎日10gは必要です。脳や神経系などはブドウ糖からしかエネルギーを得られないので糖質の摂取も不可欠です。また、高エネルギーな脂肪も脂溶性ビタミンの吸収を高めたり、必須脂肪酸が必要なことから一定量は摂取しなければなりません。

 このようなことから、全体での摂取エネルギー量を制限した上で、まず蛋白質の必要量を確保し、脂肪は摂取する全体エネルギーの20〜30%以内とし、残りの55〜60%のエネルギー相当分を糖質で摂るとバランスがよいといわれています。また、蛋白質、糖質、脂肪の代謝を高めるためにビタミンやミネラルをしっかり摂取することも重要です。食物繊維などの成分も必要です。

 肥満になってしまったら、ダイエットが必要ですが、これは相当な決心と強い意思がないと完遂できません。ここに、ダイエットのための指針例をあげておきます。

 ・食事のカロリー制限:標準体重*22〜25kcal に制限します。蛋白質は十分に摂取し、脂質は制限する。
 ・食習慣の改善:3食きちんと食べる。ゆっくりよく噛んで食事を楽しむようにし、まとめ食い、ながら食い、やけ食い、夜食、間食は禁止する。
 ・適度な運動:毎日最低30分は軽い運動をする。1分間の脈拍が120程度になるような運動がよく、散歩、軽いジョギングなどがおすすめ。
 ・薬物療法:どうしてもダイエットに成功しないとき、食欲抑制剤などを使用することができるが、医師の指導が必要です。