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心の病気心の病気全般心の病気の分類幼児期・小児期・青年期障害せん妄・痴呆・健忘性障害一般身体疾患による精神障害物質関連障害統合失調症・他の精神病性障害気分障害不安障害身体表現性障害虚偽性障害
解離性障害性障害・性同一性障害摂食障害睡眠障害衝動制御障害適応障害パーソナリティ障害臨床的関与対象状態その他の障害
 
心の病気

〔心の病気の徴候と想定障害〕

 

 心の病気のはじまりには、その徴候として多くの変化が見られるようになります。

 変化がもしも精神の病気によるものであるのなら、どのような変化が現れているかにより、心の病気の種類を想定することも可能です。

 典型的な変化としては、次のようなものがあげられます。


 このような症状が複数、あるいは頻繁に観察されるなら、かなりの確率で心の病気が始まっていると考えられます。特に、家族はこのようなサインを見逃さないよう注意することが大切です。

心の病気のはじまりを示す典型的な徴候
1  ・元気がなくなり、落ち込んでいるように見える。
 ・身体の不調を訴えるが、受診しても身体的な異常が見つからない。
2  ・感情の起伏が激しくなり、怒りっぽくイライラするようになる。
 ・感情が制御できなくなり、暴力的になる。
 ・暗い表情を浮かべ、生気がなくなり、遂には死にたいと口走ったりする。
3  ・言動がおかしくなり、話がまとまらなくなる。
 ・突然、ありえないことを口走り、殺されるなどという妄想が激しくなる。
4  ・対人関係が苦手となり、外出したがらなくなる。
 ・知人の名前が思い出せないなど、人や物に対して、物忘れが激しくなる。
5  ・些細なことが気になり、くよくよと心配する。
 ・何かにおびえ出し、ちょっとしたことに不安を訴える。
6  ・痩せているのにダイエットすると言い張ったり、肥っているのに過食する。
7  ・妙に潔癖症になり、何度でも手を洗ったりするようになる。
8  ・昼間でも眠ってばかりいるようになる。
 ・睡眠に過敏となり、終夜眠れなくなったり、うなされたりするようになる。

心の病気の徴候と想定障害 ◆心の病気の徴候と想定障害についてご説明します。
元気がなく、落ち込む  特別な原因がないのに、数週間にわたって暗い顔をして塞ぎこんでいるようになる状態です。無口になり、大好きだった趣味もやらなくなったり、外出もしなくなり、ただぼんやりするようになったりします。

 仕事上での失敗や悩みなどで、落ち込みの原因がはっきりしている場合は、特に心配はいりませんが、原因が何も思い当たらないのに、落ち込みが数週間以上も続き、急激な体重減少や不眠が続いたり、朝起きられなくなったり、会社に出勤できなるなるようなら、危険信号です。

 心の病気の場合、放置すると症状が悪化しますが、下手に励ましたりしてもいけません。家族が危険信号を検知したら、専門医に受診するのが最善の手段です。

 元気がなくなり、落ち込んでいるときに想定される心の病気には、〔大うつ病性障害〕や〔統合失調症〕〔心的外傷後ストレス障害〕などがあります。

元気がなくなり、落ち込んでいるときに想定される心の病気
大うつ病性障害  一日中、憂鬱状態になり、食欲が減退し、夜もよく眠れない日が続くときは、〔大うつ病性障害〕の可能性があります。大うつ病性障害は従来は〔うつ病〕と呼ばれていた心の病気です。

統合失調症  会話がなりたたなくなったり、支離滅裂なことを口走ったり、独り言を言ったり、ときに奇妙な言動を繰り返すようになったときは、〔統合失調症〕の疑いがあります。この病気は以前には〔精神分裂病〕と呼ばれていた心の病気です。

心的外傷後ストレス障害  交通事故などで過去の頭部損傷などの外傷経験があった場合などで、最近、悪夢にうなされる、不眠が続き、何事にも無関心となり興味を示さなくなったときには、〔心的外傷後ストレス障害〕の疑いがあります。この病気は、〔PTSD〕とも呼ばれます。


激しい感情の起伏  人は誰でも気分が滅入ったりしますが、それは原因があってのことです。特別な原因もないのに、喜怒哀楽などの感情の起伏が激しくなり、無用に饒舌になったり、怒りっぽくなったり、泣き喚いたり、暴力を振るうようになります。

 女性の場合には、生理的な理由や更年期障害として、このような症状が出ることもありますが、大抵は一時的なものでやがて治まります。

 しかし、激しく興奮するあまり意味不明なことを口走ったり、情緒不安定の末に他人の注目を集めるためにリストカットや自殺行為をするようなら、心の病気の疑いが強くなります。

 感情の起伏が激しくなり、怒りっぽくイライラするときに想定される心の病気には、〔統合失調症〕や〔双極性障害〕〔境界性パーソナリティ障害〕などがあります。

感情の起伏が激しくなり、怒りっぽくイライラするときに想定される心の病気
統合失調症  突然興奮して意味不明・支離滅裂なことを言い出したり、奇行が見られるようになるなら、〔統合失調症〕の疑いがあります。この病気は以前には〔精神分裂病〕と呼ばれていた心の病気です。

双極性障害  感情の起伏が激しくなり、異常に興奮し活動的な時期があると思うと、今度は憂鬱になり塞ぎこみ、極度に落ち込んでしまうときがあるなら、〔双極性障害〕が疑われます。この病気は以前には、〔躁うつ病〕と呼ばれていました。

境界性パーソナリティ障害  非常に不安定な感情を示し、突然、衝動的に怒り出したり、リストカットなどの自傷行為や自殺行為を繰り返すようなら、〔境界性パーソナリティ障害〕の疑いが強くあります。


おかしな言動  人は、体調不調だったり、老化現象でも考えがうまく整理できなくなり、話がまとまり難くなることが起こりますが、他の異常がないなら、特に心配はいりません。

 しかし、突然に会話が途切れたり、話が支離滅裂で話題があちらこちらに飛んでしまい、何を言いたいのか分からなくなり、まともなコミュニケーションが取れないような状態になると、これは何か心の異変が起きていると考えられます。

 話がまとまらないばかりか、聞こえもしない声が聞こえるなどの幻聴が起こったり、誰かが自分の悪口を言っているなどの妄想が現れるときには、心の病気の可能性が非常に高くなります。

 アルコールや薬物の依存症になると、吐き気やイライラ、めまいなど体調不調になったり、言動がおかしくなることがあります。度を過ぎればこれらも立派な心の病気であると言えます。

 言動がおかしくなり、話がまとまらないときに想定される心の病気には、〔大うつ病性障害〕〔統合失調症〕および〔アルコール依存症〕などがあります。

言動がおかしくなり、話がまとまらないときに想定される心の病気
大うつ病性障害  どうにも話がまとまらなくなり、食欲不振や不眠などの症状が現れ、この状態が長く続くようなら、〔大うつ病性障害〕が疑われます。

統合失調症  話が支離滅裂・意味不明となり、まともなコミュニケーションが成立しなくなるばかりか、妄想や幻覚、幻聴を訴えるようになると、〔統合失調症〕の可能性が高くなります。

アルコール依存症  長期にわたり、朝からアルコールを摂取するなどの悪習慣のために、話がまともにできず、手が極度に震えて物をしっかり掴むことができなくなったり、幻視が現れたりするようなら、〔アルコール依存症〕あるいは〔薬物依存症〕などの危険性があります。


激しい物忘れ  誰でも高齢になると、度忘れという現象が起こります。気になることをどうしても思い出せないという状態ですが、後になって思い出すことができます。このようなことは特に病的なものではありません。「度忘れしている」という認識があるならそれは正常だと思ってもいいでしょう。

 問題は忘れたこと自体に気づかない場合で、こうなると話は違ってきます。知っている人の名前や物や場所の名前などがうまく思い出せなくなります。

 話をしていて何か言おうとしても言葉がでてこなくなることもしばしば起こります。昨日どこに買い物に行ったかとか、どんな人に会ったかとかを思い出せなくなります。

 朝ご飯のおかずが何だったかを思い出せなくなったり、極端になると朝ご飯を食べたことを忘れて、また食べようとします。何だか一日中ぼんやりしていて、話しかけても反応が少なく、何事にも関心を示さなくなります。

 気力の減退を伴いながら、上記のような状態が続くようなら、心の病気が進行していると考えられます。

 知人が思い出せないなど、物忘れが激しくなるときなどの現象が現れるときに想定される心の病気には、〔認知症(痴呆症)〕〔大うつ病性障害〕および〔解離性健忘〕などがあります。

知人が思い出せないなど、物忘れが激しくなるときに想定される心の病気
認知症(痴呆症)  自分が体験したことなどを全て忘れてしまい、しかも忘れたという自覚がないなら、それは〔認知症〕という心の病気だと疑われます。認知症は以前には〔痴呆症〕と呼ばれていましたが、最近では痴呆症という言葉は、差別用語的意味合いが強いため認知症と呼ばれるようになっています。

大うつ病性障害  高齢者などで、激しい物忘れがあり、そのためかいつも気持ちが落ち込み気味で、しかも食欲不振や不眠などの身体的症状を伴うなら、〔大うつ病性障害〕が疑われます。

解離性健忘  ある物事に関してだけ、あるいはある時点から前のすべての記憶を失ってしまっている状態なら、〔解離性健忘〕という心の病気の可能性が強くあります。

 強いストレスや心的外傷が原因で記憶を失ってしまうのですが、過去のすべての記憶を失う〔全般的健忘〕、特定の物事についての記憶だけ失う〔選択的健忘〕、特定期間の記憶だけを失う〔局在性健忘〕とがあります。

 多くの場合、記憶を失ったことを自覚できません。また、不安感やうつ状態に悩まされることもあります。


感情の暴走  特別な理由もないのに容易に激怒し、ときに暴力をふるいます。気持ちが鎮まっているときはちょっと反省の気持ちもありますが、些細なことで直ぐに感情が高まり感情を制御しきれず、同じことを何度でも繰り返してしまいます。

 特に自分より弱者に対してはこの傾向が強くなります。家庭内暴力(DV)に発展したり、いわゆるストーカーと呼ばれる執拗な、つきまといをするようになったりもします。

 普段はとても良い人が、アルコールを飲むと突然別人のごとく豹変し、他人を罵ったり、掴みかかったりというような、恐ろしい性格を表面に出すことがあります。

 このようなことが原因で対人関係はうまくゆかず、友達もいなくなり孤独感を募らせ、被害者意識を強く抱くようにもなってしまいます。これらはいずれも心の病気であると考えられます。

 感情が制御できなくなり、暴力的になるときに想定される心の病気には、〔パーソナリティ障害〕や〔統合失調症〕〔アルコール依存症〕などがあります。

感情が制御できなくなり、暴力的になるときに想定される心の病気
パーソナリティ障害  些細なことが切欠となり、突然、暴力をふるいます。しかも、自分では罪悪感はまったく無く、良心の呵責もまったく見せないなら、典型的な〔パーソナリティ障害〕です。

 普段はとても善良なはずの人が、アルコールの作用により、突然、別人となり極度に感情的な発言や暴力をふるうことがあります。これも、典型的な〔パーソナリティ障害〕と考えられます。このような人は、次の日になって、昨夜自分が何をしでかしたのか、まったく覚えてはいないのです。

統合失調症  突発的に怒り出し、意味不明な言動をしたり、なりふり構わず暴力をふるうようなら、〔統合失調症〕の可能性があります。

アルコール依存症  アルコールの作用で、まともにろれつが回らなくなり感情の起伏が激しくなったり、幻視が現れるようなら、〔アルコール依存症〕という心の病気であると考えられます。


対人関係が苦手  人にはそれぞれ性格があって、もともと出不精だったり、体調が悪かったり、会社で不愉快なことがあったりなどで、他人との接触を避けることがありますが、これだけなら特別に問題はありません。

 しかし、対人関係を億劫になり人と会うのを毛嫌いするようになったり、外出そのものも嫌がって、自分の部屋に閉じこもりきりになるとちょっと心配です。

 生活も不規則になり、朝は昼頃になってようやく起床し、逆に夜はいつまででも起きていて昼夜逆転の生活が日常になったりします。食事時間も不規則で、まともな食事を摂ることもなくなります。

 このような生活の乱れが原因で会社にも行けなくなるなど、日常生活に何らかの支障を来たすとなると問題です。外出するのが怖い、人と合うのが怖い、出かける勇気が湧かないなどというときには、心の病気が始まっていると考えられます。

 対人関係が苦手となり、外出したがらないときに想定される心の病気には、〔統合失調症〕や〔パニック障害・広場恐怖〕〔大うつ病性障害〕などがあります。

対人関係が苦手となり、外出したがらないときに想定される心の病気
統合失調症  人と会いたがらないだけでなく、無表情、無気力となり、独り言を話したり、幻想や妄想を抱くようになると、〔統合失調症〕と考えられます。

パニック障害・広場恐怖  人ごみが怖かったり、怖くて乗り物に乗れないなどという状態なら、〔パニック障害〕や〔広場恐怖〕という心の病気の可能性があります。また、もしも、乗り物は汚いから嫌だというときには、〔不潔恐怖〕という心の病気の疑いが持たれます。

大うつ病性障害  外出を嫌い、人と会うことも避け、いつも憂鬱そうに落ち込んでいる。しかも、食欲もなく、何をする気力もないときは、〔大うつ病性障害〕の疑いがあります。


些細なことを極度に心配  誰にでも心配事や悩み事はつきものです。体調が不調になると悪い病気ではないかと心配にもなります。しかし、それが一過性のものであれば特に問題とすることはありません。

 しかし、些細な身体の不調が重病ではないかとくよくよと悩み続けたり、外出する際に電気は消したか、ガスの元栓は閉めたかと心配になったり、玄関の戸締りは大丈夫かと5回も6回もガチャガチャさせてみたりすると、ちょっと普通とはいえなくなります。

 自分でも大したことではないと理解しているのに、過度に不安を感じたり、心配するようになると、心身ともに疲れ易く、集中力を欠き、思考力も鈍ってきます。このような過度な不安や心配が長期に続くときは、心の病気の可能性があります。

 些細なことが気になり、くよくよと心配するときに想定される心の病気には、〔全般性不安障害〕や〔心気症〕〔強迫性障害〕などがあります。

些細なことが気になり、くよくよと心配するときに想定される心の病気
全般性不安障害  些細なことが次々と不安になり心配になります。不安や心配の対象は固定せず、次々と変化し終わることがありません。遂には、めまいを感じたり、動悸、息切れ、震えなどの身体的な異常も現れるなら、〔全般性不安障害〕という心の病気かも知れません。

心気症  体調が過敏で、常に体調が気にかかり、何か重病に罹っているのではないかと心配します。

 病院で検査してもらって、何も異常がないと診断されても納得できず、別の病院でまた検査を受ける「ドクターショッピング」と呼ばれるものを繰り返すようなら、〔心気症〕という心の病気が疑われます。

強迫性障害  電気やガスの元栓は大丈夫か、玄関の鍵はちゃんと閉めたかなどが異常に気にかかり、何度でも確認してしまうようになるとちょっと心配です。

 また、手が汚れているのではと思い込んで、何度も石鹸で手を洗い続けるような現象が続くようなら、〔強迫性障害〕と呼ばれる心の病気の疑いがあります。


何かにおびえ不安を抱く  人は誰でも、体調不調なら重篤な病気ではないかと悩んだり不安にもなります。試験を受ける直前や面接の直前では不安でドキドキもします。このように明確な原因がある場合の不安や悩みは、本質的に一過性のものですから特に問題はありません。

 しかし、特に不安を感じるような場面でもないのに恐怖や不安を感じたり、恐怖や不安の対象が漠然としていてたり、些細で何でもないようなことに怯えたりするようなら、ちょっと心配です。

 特に、このような恐怖や不安に伴い、動悸や呼吸困難、めまい、ふるえ、不眠、閉じこもりなどの症状が現れるときには、何らかの心の病気を患っている疑いが強くなります。

 何かにおびえ出し、ちょっとしたことに不安を訴えるときに想定される心の病気には、〔全般性不安障害〕や〔パニック障害〕〔広場恐怖〕などがあります。

何かにおびえ出し、ちょっとしたことに不安を訴えるときに想定される心の病気
全般性不安障害  特定不能で漠然とした恐怖や不安に次々とおそわれ、めまいや動悸、呼吸困難などの身体症状も伴うときは、〔全般性不安障害〕の疑いがあります。

パニック障害  強烈な恐怖や不安が、激しい呼吸困難や動悸、めまい、手足のふるえなど発作的な身体症状をともないます。このような症状が繰り返すときには、〔パニック障害〕と呼ばれる心の病気の可能性が非常に高くなります。

広場恐怖  人が大勢集まるような場所、デパートや駅、競技場、電車やバスの中などで恐怖を感じたり、不安になるときには、〔広場恐怖〕と呼ばれる心の病気の疑いがあります。


理由もない身体の不調  仕事や家庭でストレスが溜まったり、ホルモンバランスが崩れたりすると、自律神経の乱れから頭痛や倦怠感などの症状が出ることがあります。こんなとき、多くの場合、旅行に出かけたり、趣味に打ち込んだり、お友達とショッピングに出かけたりすることで、症状は改善します。

 しかし、本人には、呼吸困難や、肩こり、めまい、頭痛、手足のしびれ、関節の痛みなど様々な自覚症状があるのに、病院で検査を受けると異常なしと診断されるとしたら、問題です。

 本人にははっきりとした自覚症状があるので、病院を変えて調べてもらっても異常なしと診断され、心身ともに疲れてしまい、次第に日常生活にも支障を来たすようになってしまったときには、何らかの心の病気が潜んでいると思われます。

 身体の不調を訴えるが身体的な異常が見つからないときに想定される心の病気には、〔大うつ病性障害〕や〔身体化障害〕〔パニック障害〕などがあります。

身体の不調を訴えるが身体的な異常が見つからないときに想定される心の病気
大うつ病性障害  倦怠感、疲労感の上に頭痛や便秘、手足のふるえなどの症状が伴うときは、〔大うつ病性障害〕が疑われます。

身体化障害  身体の多くの部位に自覚症状があり、痛みや吐き気、便秘などの胃腸障害があるのに、内科的・外科的検査で異常なしとされる場合、〔身体化障害〕と呼ばれる心の病気の可能性があります。

パニック障害  いろいろ検査しても異常はないのに、呼吸困難や、動悸、吐き気、手足のふるえなどの激しい発作が起こるときは、〔パニック障害〕の恐れがあります。


異常な痩せや肥満  誰でも風邪などひいて体調不調になったり、深刻な悩み事があったり、肉体的に非常に過労状態であったり、暑い夏場には、食欲が減退します。このように原因が明確であり一過性であれば、何も問題はありません。

 しかし、既に痩せているのにまだ太っていると言い張り、食べる意欲を失ってしまう状態が続くと、問題です。同様に、これとは逆に太っているのにやけ食いが止まらないならこれも問題です。

 このような場合、通常、食べな過ぎとやけ食いの症状は交互に繰り返したりします。

 痩せているのにダイエットしたり、肥っているのに過食するときに想定される心の病気には、〔摂食障害〕や〔気分変調性障害〕〔大うつ病性障害〕などがあります。

痩せているのにダイエットしたり、肥っているのに過食するときに想定される心の病気
摂食障害  痩せているのに太っていると言い張り、ほとんど食べずにますます痩せてしまう。あるいは、逆に太っているのに痩せていると言い張りやけ食いする。このような異常が続くときは、〔摂食障害〕と考えられます。

気分変調性障害  気分が沈み勝ちで、憂鬱な状態が1日中続き、疲れ易く不機嫌が続くなら、〔気分変調性障害〕の疑いがあります。

大うつ病性障害  気分変調性障害と同様に、深く落ち込み、無気力となり集中力もない状態が続き、不眠症になるか逆に眠ってばかりいるようなら、〔大うつ病性障害〕の恐れがあります。


極度な潔癖症  最近は衛生思想が進歩したこともあってか、きれい好きとか潔癖症とかいう人が見られます。外出先から帰宅したら手を洗う、トイレから出たら手を洗うなど、きれい好きは決して悪いことではありません。

 しかし、一日中何度でも手を洗い続けて、手の皮が剥けてしまうほどになれば異常です。

 同様に、外出する際に、ガスの元栓が大丈夫か、電気のコンセントは全部抜いたかなどいつまでも気にしたり、ドアの鍵を5回も6回も掛け直さないと気が済まない、家を離れてからもう一度戻って鍵を確認しようとするなら異常です。心の病気が疑われます。

 妙に潔癖症になり、何度でも手を洗ったりするときに想定される心の病気には、〔強迫性障害〕や〔不潔恐怖〕〔強迫性パーソナリティ障害〕などがあります。

妙に潔癖症になり、何度でも手を洗ったりするときに想定される心の病気
強迫性障害  何度も何度も同じ動作を繰り返さないと気が済まない、それにより日常生活に支障がでたり、ときには人間関係にヒビが入るようなら、〔強迫性障害〕という心の病気が疑われます。

不潔恐怖  潔癖症が度を過ぎ、手をはじめいろいろなものが汚れることを異常に恐れ、何度でも手を洗い続けたり、他人の触れたものに触ることができないようなら、〔不潔恐怖〕という心の病気であるかも知れません。

強迫性パーソナリティ障害  物事を順序どおりきちんと並べること、計画を予定どおりきちんと取り進めることなどに異常なこだわりを持ち、少しの乱れや変更も許すことができないなら、〔強迫性パーソナリティ障害〕という病気の可能性があります。

 完全主義を貫こうとし、自分の価値観や道徳観を強力に主張するあまり、人間関係に破局をまねくことが起こります。


過敏な睡眠  心配事があったり、真夏の熱帯夜などによく眠れないことは誰にもあり、何も問題とする必要はありません。

 しかし、寝つきが悪く、ようやく眠ってもすぐに目覚めてしまい、いったん目が覚めると、いろいろな事が思い浮かんでますます眠れなくなる。悪夢にうなされたり、突然飛び起きて叫び出すことがあります。

 夜間の睡眠不足のために、昼間は意識がぼやけたりぼんやりするようになり、日常生活にも支障がでてきます。職場でも間違いをおかしやすくなります。

 睡眠に過敏となり、不眠になったり、うなされたりするときに想定される心の病気には、〔大うつ病性障害〕や〔心的外傷後ストレス障害〕〔原発性不眠症〕などがあります。

睡眠に過敏となり、不眠になったり、うなされたりするときに想定される心の病気
大うつ病性障害  いつもしっかりした睡眠がとれないために、落ち込んだり、無気力になり表情も暗い状態がつづくなら、〔大うつ病性障害〕が疑われます。

心的外傷後ストレス障害  交通事故などで何らかの外傷体験があり、その後に不眠症があらわれたり、悪夢を見るようになったり、情緒不安定になったような場合には、〔心的外傷後ストレス障害〕の可能性があります。

原発性不眠症  特別に眠れないような事態が何もないのに、どうしても眠れないときには、〔原発性不眠症〕と考えられます。この場合には、〔精神生理性不眠症〕とも呼ばれます。理想の睡眠にこだわる完璧主義の人に多いともいわれます。


昼間でも眠ってばかりいる  いくら寝ても寝たりないという人がいます。夜間には普通の時刻に寝付いて、朝も普通の時刻に起床するので睡眠不足は無いはずなのに、昼間には無性に眠くなるのです。

 一日中、本人は眠気に襲われ、テレビを見て寛いでいても、読書していても知らない内に眠り込んでしまいます。また、会社では、仕事中でも眠くなり、会議中や誰かと話しているときでも一瞬、眠ってしまいます。

 このように場所を選ばず、いつでも眠気に襲われるときには、心の病気があると思われます。

 昼間でも眠ってばかりいるときに想定される心の病気には、〔ナルコレプシー〕や〔呼吸関連睡眠障害〕〔原発性過眠症〕などがあります。

昼間でも眠ってばかりいるときに想定される心の病気
ナルコレプシー  日中に、場所や場面を選ばず、何度でもすぐに眠り込んでしまう状況が数か月も続くようなら、〔ナルコレプシー〕と呼ばれる病気です。

呼吸関連睡眠障害  夜間、睡眠中に大きないびきをかき、ときどき呼吸が停止するような場合には、〔呼吸関連睡眠障害〕と呼ばれる心の病気である可能性が強くなります。

原発性過眠症  睡眠不足や過労など特別な原因が何もないのに、日中に強い眠気を感じ、ときどき眠り込んでしまうときは、〔原発性過眠症〕の可能性があります。


激しい妄想  物事が思うようにいかなければ誰でも自信を失うこともありますし、親友に裏切られたりすれば、人間不信に陥ることがあります。普通なら、このようなことは時間が経つにつれて、何事も無かったように解決してしまいます。

 しかし、特別な理由もないのに、誰かが自分の悪口を言っていると口走ったり、ありもしないことや現実離れしたことを言い出して驚かせたりすることがあり、そんなことはないと反論すると、逆切れして本気で怒り出したりするようになると普通とはいえません。

 このような状態が続くようなら、何らかの心の病気だと考えられます。

 突然、ありえないことを口走り、妄想が激しいときに想定される心の病気には、〔統合失調症〕や〔認知症(痴呆症)〕〔妄想性障害〕などがあります。

突然、ありえないことを口走り、妄想が激しいときに想定される心の病気
統合失調症  話がまったくの荒唐無稽であったり、内容が支離滅裂であったり、ブツブツと独り言を言うようなら、〔統合失調症〕であると疑われます。

認知症(痴呆症)  比較的高齢者で、日頃から物忘れがひどくなり、同じ事を何度も繰り返していうようなとき、あるいは被害妄想的なことを言って騒ぎたてるようなら、〔認知症(痴呆症)〕の可能性があります。

妄想性障害  話の内容だけだと、一見それなりのことを言っているように見えるのですが、現実とは関係ないようなこと、起こっていないようなことを言い続けるようなら、〔妄想性障害〕があるものと考えられます。このような妄想は従来は〔パラノイア〕とも呼ばれていました

 よくある妄想には、被害妄想、誇大妄想、貧困妄想、嫉妬妄想、関係妄想、罪業妄想など多くの種類があります。


生気ない暗い表情  長い人生を生きていれば誰でも悔しい思いをしたり、いろいろと後悔することがあるものです。過ぎてしまったことをそれなりに受け止めて、いつまでもくよくよしたりしなければ特に問題はありません。

 しかし、自分の若い頃に遭遇した悔しかったことなどを思い出して、いつまでも悔しがったり、嘆いたりする人がいます。悔しさのあまり、ときには泣き喚いたり、くりごとを言ったりするようになるとちょっと問題です。

 特に、気力を失い、食欲もなくなり不眠症状がでるなどで、遂には死にたいなどというようになると、心の病気が潜んでいると考えられます。若い時代に仕事一筋で生きてきて定年を迎えると、〔燃え尽き症候群〕と呼ばれるような無気力状態となり、衝動的な自殺を図ることも起こります。

 暗い表情を浮かべ、生気がなく、遂には死にたいと口走るときに想定される心の病気には、〔大うつ病性障害〕や〔双極性障害〕〔心的外傷後ストレス障害〕などがあります。

暗い表情を浮かべ、生気がなく、遂には死にたいと口走るときに想定される心の病気
大うつ病性障害  一日中、無気力で憂鬱そうになり、食欲不振や不眠症状が続くようなら、〔大うつ病性障害〕を疑う必要があります。

双極性障害  典型的な「躁」の状態と「うつ」の状態が交互にみられるようになり、躁のときには異様に活発となり、うつのときには激しく落ち込み無気力になるときは、〔双極性障害〕の可能性が強くなります。

心的外傷後ストレス障害  過去に交通事故などによる外傷があり、その後になって、些細なことで恐怖を感じたり、泣いたり、悪夢をみたり、自殺をほのめかしたりするようなら、〔心的外傷後ストレス障害〕の可能性があります。この病気は〔PTSD〕とも呼ばれます。