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胃炎・胃潰瘍治療薬の解説

 胃の粘膜から、食べたものを消化するために、攻撃因子と呼ばれる、胃酸や蛋白質消化酵素のペプシンが分泌されます。これに対して、これらの攻撃因子から胃の粘膜を保護するための粘液、防御因子が分泌されます。

 これら二つの因子のバランスが崩れてしまうと、消化管粘膜に潰瘍ができることになる。これが胃潰瘍や十二指腸潰瘍といわれる病期です。


 消化性潰瘍の治療は、薬物治療により胃酸分泌を少なくするなどが行われますが、本来は飲食などの生活習慣を改善することで胃酸分泌を少なくすることが重要です。

 消化性潰瘍の三大原因は、ストレス、薬物、ヘリコバクターであるとされていますので、規則正しい食事、香辛料や味の強い食品を控え、十分な睡眠をとり、ストレスを溜めない、禁煙や節酒などにより、規則正しい生活をすることが重要となります。

胃炎治療薬:H2受容体拮抗薬
代表的な処方薬
イクロール・シメチジン・ガスフェロン・シメチバール・スターセル・ダンカート・ファルジンなど

特色・効能  シメチジンは胃酸の分泌を促すヒスタミンやガストリンの働きを抑制し、胃壁の炎症を防ぎます。夜間の胃酸分泌を抑制する作用があるので、就寝前に服用すると効果的です。

副作用  副作用として、下痢、めまい、眠気、頭痛、発疹などがあります。特に大量に服用すると男性でも乳房が肥大化します。シメチジンは肝臓のP450と呼ばれる薬物代謝酵素を阻害するため、抗凝血剤のワーファリンや、気管支拡張剤のテオドールなどと同時に服用すると、これらの医薬の作用を強めます。

飲み合わせ  チーズやワインに含有されるチラミンという物質はアドレナリンの作用を促すが、シメチジンはこのチラミンの代謝(分解・無毒化)を阻害する。このため、血中のチラミン濃度が上昇し、頭痛、腰痛、血圧上昇などが起こることがある。


胃潰瘍・胃炎治療薬:制酸薬
代表的な処方薬
ミルマグなど

特色・効能  胃酸を中和し潰瘍・炎症を軽減する物質である水酸化マグネシウムは、潰瘍や炎症部を覆って胃を保護します。効果は徐々に現われ長く持続する特徴があります。

副作用  長期間にわたりたいように使用を続けると、高マグネシウム血症の症状が出ます。吐き気や全身倦怠感などに襲われたり、下痢することもあります。

飲み合わせ  この薬と牛乳を同時に飲むと、血液がアルカリ性になり、ミルクアルカリシンドロームと呼ばれる吐き気や食欲不振が起こります。牛乳を大量に飲むと牛乳のカルシウムが、この薬の吸収を悪くし、効果を弱めることがあります。


胃・十二指腸潰瘍治療薬:抗ドパミン薬
代表的な処方薬
ドグマチール・シーグル・スルピリド・アビリット・オンベラン・スタマクリット・ミラドール・ヨウマチールなど

特色・効能  スルピリドは胃の副交感神経に作用して、情報伝達物質のアセチルコリンの働きを促進して、胃の運動を活発にします。これにより、飲食物や、潰瘍部分の胃酸、消化酵素のペプシンなどが短時間で腸へ移動することで潰瘍の治療効果がでてきます。

副作用  痙攣、心電図異常、睡眠障害、倦怠感、発疹などが出ることがあります。

飲み合わせ  抗ドーパミン薬を使用中にアルコールを飲むと、アルコールによる作用も加わって、中枢神経抑制作用が強く出すぎる場合があります。