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喘息・気管支炎治療薬

 喘息は、息が苦しく呼吸困難になったり、喉が呼吸の度にゼイゼイと音を立てる状態をいいます。この発作が起こると、呼吸困難ばかりでなく、胸が苦しい、咳がひどいなどの症状が繰り返し現れます。


 喘息は空気の通り道である気管支の病気で、気管支喘息と呼ばれています。これは一種のアレルギー反応なので、抗原である家ダニなどをシャットアウトするのが最善の手段です。

 喘息の治療薬には、二つのタイプがあり、一つ目は気管支を拡張することで発作の症状を緩和するものと、アレルギー反応が発症しないように予防する抗アレルギー薬とがあります。

 大人の「気管支喘息」や「小児喘息」については、「気管支喘息」および「小児喘息」のページで詳しくご説明していますので、そちらを参照してください。

気管支喘息治療薬の分類
 気管支喘息の治療薬には、「長期管理薬」と「発作治療薬」とに大別されます。また、薬の作用によって「気管支拡張薬」と「抗炎症薬」とに分けられ、目的に応じて使い分けます。

長期管理薬  長期管理薬は、「コントローラー」とも呼ばれ、喘息の発作が起こらないように長期にわたって予防管理・コントロールするための薬です。

 長期管理薬の基本薬剤は、吸入副腎皮質ステロイド薬です。重症度に応じて経口ステロイド薬も用います。その他、長時間作動型β2刺激薬、抗アレルギー薬などが併用されます。

長期管理薬の種類
ステロイド薬  炎症は比較的長期的に起こるので、ステロイド薬のような抗炎症薬の吸入や内服が長期的なコントロールに効果があります。

◆吸入ステロイド薬
 ・ベクロメタゾン (BDP)
 ・フルチカゾン (FP)
 ・ブデソニド (BUD)
 ・シクレソニド(CIC)
 ・合剤(サルメテロール+フルチカゾン)

◆経口ステロイド薬
長時間作用性β2刺激薬  β2刺激薬には、その使用方法の違いによって3つのタイプがあります。

◆長時間作用性吸入β2刺激薬
◆長時間作用性貼付β2刺激薬
◆長時間作用性経口β2刺激薬
キサンチン誘導体  キサンチン誘導体には、「テオフィリン」「カフェイン」および「テオプロミン」などが含まれますが、喘息治療薬として重要なのは、テオフィリン系薬剤の「テオフィリン徐放性製剤」です。
抗アレルギー薬  喘息の主要な発症原因は、アレルギー性であるために、抗アレルギー薬が治療に有効に働きます。次のような薬が使用されます。

◆ロイコトリエン拮抗薬
◆Th2サイトカイン阻害薬
◆トロンボキサンA2阻害・拮抗薬
◆メディエーター遊離抑制薬
◆ヒスタミンH1−拮抗薬

発作治療薬  発作治療薬は、「リリーバー」とも呼ばれ、喘息の発作が起きてしまったときの対処・治療に使う薬です。

 喘息発作が起こったときは、気管支の収縮をすみやかに取り除くために、気管支拡張薬が使われます。急を要する度合によって、注射、吸入、経口薬などが使い分けられています。また痰を出しやすくする薬剤もあります。

発作の治療薬
ステロイド薬  ステロイド薬は、長期管理薬としても使われますが、発作時にも有効です。

◆経口ステロイド薬
◆静注ステロイド薬
β2刺激薬  β2刺激薬は、長期管理薬としても使用されますが、全身性の吸入薬と経口薬は発作時の薬としても有効です。

◆短時間作用性吸入β2刺激薬
◆短時間作用性経口β2刺激薬
キサンチン誘導体  キサンチン誘導体のうちで、「短時間作用性テオフィリン薬」が発作時の対症薬として使用されます。
抗コリン薬
エピネフリン皮下注射
アミノフィリン点滴静注
喘息治療薬の作用による分類  喘息治療薬は、その作用によって「気管支拡張薬(気管支を広げる薬)」と「抗炎症薬(気管の炎症をおさえる薬)」とに分けられます。

作用による分類
気管支拡張薬 ◆β2刺激薬

 β2刺激薬は、交感神経を刺激して直接的に気道平滑筋を弛緩させ、気道を拡張させる作用があり、喘息発作時に即効性があり効果の大きな薬です。夜間〜早朝の喘息発作の予防に有用です。

 しかし、β2刺激薬には、抗炎症作用はないので、一時的に発作症状が消失しても、病状がよくなることはありません。β2刺激薬は、あくまでも応急処置用の薬であり、長期管理薬としては使用はできません。

◆テオフィリン薬

 テオフィリンは古くから使用されている気管支拡張剤で、作用時間が長くなるように工夫された、徐放薬が使用されます。商品名として「テオドール」「ユニフイル」「テオロング」などが有名で、長期管理薬としても使用されます。

 テオフィリンには、抗炎症効果もありますが、効果や副作用には個人差があり、使用に当っては、血中濃度のモニターが必要です。

◆抗コリン薬(副交感神経遮断薬)

 抗コリン薬は、β2刺激薬に比べ気管支拡張作用は弱いのですが、副作用が少ないので、高齢者に適した薬です。
抗炎症薬 ◆全身性ステロイド薬

 副腎皮質ホルモン(ステロイド)薬は、抗炎症作業が強く、喘息発作の特効薬的な薬ですが、長期の使用では、糖尿病や胃潰瘍、感染抵抗力低下、肥満などの重篤な副作用が現れることが知られています。

◆吸入ステロイド薬

 吸入ステロイド薬は、比較的副作用が出ない状態で使用できますが、喉にカビが繁殖しやすいなどの副作用が出ることがあります。

◆抗アレルギー薬

 抗アレルギー薬には、「メディエーター遊離抑制薬」「ヒスタミンH1拮抗薬」「トロンボキサン阻害薬」「ロイコトリエン拮抗薬」「Th2サイトカイン阻害薬等」などがあります。これらの抗アレルギー薬は、ステロイドでうまく管理できない場合などに有効です。

喘息の治療方針  通常は、長期管理薬により発作が起きないようにし、急性発作が起きてしまった場合には、発作治療薬で対処するのですが、長期管理薬の使用により、如何に発作の発生を抑制し、発作治療薬の使用量を抑えるかが、基本的な治療の目標となります。


喘息・気管支炎治療薬:キサンチン類
代表的な処方薬
 テオフィリン、アーデフィリン、スロービット、セキロイド、チルミン、テオドール、テオロング、テルダン、ユニコンなど

特色・効能  キサンチン類の喘息治療薬は、気管支平滑筋の収縮を抑制して発作を緩和する薬です。薬ではありませんが、コーヒー類、緑茶、紅茶、コーラなどに含まれるカフェインは一種のキサンチン類なので、同様な気管支拡張作用があります。

副作用  キサンチン類の喘息治療薬には、横紋筋融解症、意識障害、肝機能障害、急性脳症、呼吸促進、けいれん、高血糖、吐血などの重大な副作用があります。

飲み合わせ  ハーブのセントジョーンズワート、喫煙、高蛋白食などは、キサンチン類の医薬の効果を弱める副作用がある。


喘息・気管支炎治療薬:β2作動薬
代表的な処方薬
 プロカテロール、エステルチン、エプカロール、スタビント、ブリージン、プロカプチン、メプチン、ヤマロル、ロワイヤルなど

特色・効能  β2作動薬は、交感神経の伝達経路であるβ2受容体を刺激して、気管支の平滑筋の緊張を和らげ、喘息発作を改善します。

副作用  動悸、ほてり、ふるえ、頭痛、めまい、不眠、悪心、嘔吐、食欲減退、口の渇き、発疹など

飲み合わせ  コーヒー、紅茶、チョコレート、コーラなどを一緒に摂ると、不整脈を起こしやすくなります。