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健康増進

〔基礎代謝〕

 
 人は食物を摂取し、それを形を変えながら、生命を維持するために利用します。

〔代謝〕とは、体内でのさまざまな化学反応によって、食物から摂取された栄養素を、吸収し、利用し、最終的に体外に排泄する一連の過程や現象をいいます。

 身体の中で起こる代謝の化学反応過程を物質の面からみた場合を〔物質代謝〕と呼び、エネルギー変化の面からみた場合を〔エネルギー代謝〕と呼んでいます。



 物質代謝には、摂取した有機物質を分解することでエネルギーを作り出す「異化作用」と、それとは逆に、エネルギーを使って体が必要とする有機物質を合成する「同化作用」とがあります。

 また、エネルギー代謝には、〔基礎代謝〕〔活動代謝〕および〔食事誘導性熱代謝〕の三種類があります。

 中でも最も重要なのが〔基礎代謝〕で、これは年齢と共に少なくなりますが、基礎代謝の大きな人は、活力があり元気な人ということになります。
物質代謝とエネルギー代謝
物質代謝 異化作用 外部基質の分解反応
同化作用 生体高分子の合成反応
エネルギー代謝 基礎代謝 生命維持に必要な最小限のエネルギー
活動代謝 体を動かすことで消費されるエネルギー
食事誘導性熱代謝 食事をする際に必要なエネルギー消費


代謝の説明 ◆〔代謝〕とはどんなことかご説明します。。
代謝  動物であれ、植物であれ、生命体は絶えず外界から物質を取り込み、活動に必要なエネルギーを確保したり、あるいは自身の生命維持や種の繁殖のためなどに必要な様々な化合物を獲得しています。

 このように、外界からの取り込んだ物質を変化させ、生命を維持する等のために行う一連の化学反応プロセスが「代謝」です。

 代謝では、化学反応に伴い、「物質の変化」と「エネルギーの変化」という二つの事象が同時に進行します。

 そのため、代謝を物質の変化に着目してみた場合には「物質代謝」と呼び、エネルギーの変化に着目してみた場合には、「エネルギー代謝」と呼んでいます。物質代謝とエネルギー代謝とは、互いに共役の関係(裏表の関係)にあるわけです。

 代謝は、「異化」および「同化」により特徴づけられます。異化は、比較的複雑な物質を分解し、単純な物質を生成する反応であり、同化は逆に比較的簡単な物質から体にとって有用な複雑な物質を合成する反応をいいます。通常、異化ではエネルギーの発生があり、同化ではエネルギーの消費が起こります。

異化と同化の特徴
区分 反応の進行 エネルギー
異化 複雑な物質→簡単な物質 エネルギーを発生 好気呼吸、嫌気呼吸
同化 単純な物質→複雑な物質 エネルギーを消費 炭酸同化、窒素同化


物質代謝の説明 ◆〔物質代謝〕とはどんなことかご説明します。。
物質代謝  物質代謝とエネルギー代謝は、本来、同一の事象を別々の観点から見た呼び方ですが、実用的観点からは、代謝を物質の変化に注目した場合は「物質代謝」と呼ばれます。この物質代謝は、細胞内における物質の変換を意味することから「物質交代」とも呼ばれます。また、「新陳代謝」と呼ばれることもあります。

異化と同化
代謝の異化と同化の説明図
 代謝は本質的には、「異化」と「同化」という二つの過程により成り立っていて、これらの作用により、物質の変化とエネルギーの変化が共役して起こっています。

 異化は複雑な物質を簡単な物質に変換しエネルギーを取り出す過程であり、同化は、逆にエネルギーを利用して、簡単な物質から複雑な物質を合成する過程となっています。

異化と同化
異化  異化(catabolism)は、外界から摂取し体内に取り込んだ食物である有機物質あるいは無機物質を、より簡単な化合物であるCO2(炭酸ガス)や、H2O(水)、NH3(アンモニア)などに分解して、エネルギーを発生させる過程をいいます。

 異化の反応では、有機物や無機物の分解によりエネルギーを獲得しますが、同時に「ATP(アデノシン三リン酸)」と呼ばれる物質の合成をします。このATPは、筋肉がエネルギーを作り出す際に重要な役割を果たす物質です。このATPに関する更に詳しい説明は「気になる言葉館:クレアチン」を参照してください。

 地球上の生物の大部分は、基本的には、「発酵」や「呼吸」および「光合成」の三つのATP生成機構を利用し、異化を行っています。

同化  同化は、異化とは逆の過程であり、エネルギーを消費して、生命体に有用な有機物質を合成する過程で、その具体例には、「炭酸同化」と「窒素同化」があります。

 同化反応においては、生体内に存在する種々のカルボン酸、アミノ酸、二酸化炭素などを用いて、生体が必要とするほとんどの物質が生成されます。

 例えば、植物や光合成細菌は、光合成反応により、二酸化炭素と水と光エネルギーから、様々な糖質を合成しています。

 動物における同化過程では、体内器官や体内組織を構成する方向に作用し、細胞を成長・分化させ、複雑な分子を構成して固体を大きく成長させます。骨の成長や石化、筋肉量の増加などを引き起こします。

 タンパク質合成を促進し、筋肉の成長を促すアナボリックステロイドという、同化ホルモンが知られています。



エネルギー代謝の説明 ◆〔エネルギー代謝〕とはどんなことかご説明します。。
エネルギー代謝  既に述べたとおり、代謝は、生命維持のために有機体が行う一連の化学反応のことであり、その基本の反応は「異化」と「同化」の二種類です。これらの反応を利用することにより、生命体はその成長と増殖を可能にしています。

 代謝は、異化と同化の作用により物質の変化を引き起こしますが、同時にエネルギーの変化も引き起こします。代謝をエネルギーの変化としてみた場合が「エネルギー代謝」です。

エネルギー消費の説明図
 現実的な話として、エネルギー代謝を人の場合に限定して考えると、代謝により産み出されるエネルギーは、「基礎代謝」「活動代謝」および「食事誘導性熱代謝(DIT)」と呼ばれる三種類のエネルギーとして消費されます。

 それぞれの代謝の標準的な数値として、人の体が消費するエネルギーの約70%は基礎代謝であり、約20%が活動代謝、そして残りの約10%が食事誘導性熱代謝であるとされています。

基礎代謝  人は覚醒はしているが、何もしないで静かに横たわっていても、生命を維持するために心臓や脳、消化器系や呼吸器系など、多くの器官が休むことなく動き続けていて、エネルギー消費が発生しています。

 このように、生命活動を維持するために必要な最小限のエネルギー消費を、「基礎代謝」と呼び、その必要なエネルギー消費量を「基礎代謝量」と呼んでいます。

 基礎代謝の中で最もエネルギー消費が多いのは骨格筋で、公表データのバラツキが大きいですが、全基礎代謝エネルギー量の22~40%ほどを占めています。続いて肝臓や脳での消費が多くなっています。

 ここで、臓器や体内器官により消費される基礎代謝量の一例を体重70kgの人について示します。基礎代謝量は、臓器や体内組織により異なりますが、下表で示すように、骨格筋、肝臓、脳が大きなウエイトを占めています。
(出展:糸川嘉則ほか編:栄養学総論改定第3版)

臓器・組織における安静時代謝量
臓器・組織 体重
〔kg〕
エネルギー代謝量 比率
〔%〕
〔kcal/kg/日〕 〔kcal/日〕
全身 70.0 24.0 1,700 100
骨格筋 28.0 13.0 370 22
脂肪組織 15.0 4.5 70 4
肝臓 1.8 200 360 21
1.4 240 340 20
心臓 0.3 440 145 9
腎臓 0.3 440 137 8
その他 23.2 12 277 16

 基礎代謝量は、年齢や性別により大きく異なりますが、同じ年齢、同じ体重でも、筋肉量の多い人が大きくなります。また、老化が進むにつれ筋肉量は減少していくので、基礎代謝量も減少していきます。

 成長期を終わり代謝が安定した時期になると、標準女性では約1,200kcal/日、標準男性では約1,500kcal/日ほどとなります。厚生労働省が発表している日本人の標準的な基礎代謝量については、別のページ「基礎代謝基準値」を参照してください。

活動代謝  日常生活の中で人はいろいろな活動をします。主婦なら朝から晩まで家事をし、食品の買出しに出かけたり、時には主婦友達とレストランに集まり女子会でおしゃべりなどを楽しみます。

 仕事のある男性なら、昼は上司や部下に気をつかいながら頑張り、夕方になると仲間と飲み屋に出かけ、カラオケなどで日頃の疲れを発散して楽しみます。休日にはゴルフに出かけたり、テニスや水泳を楽しみます。

 このように、活動することで消費されるエネルギーは「活動代謝」とか「生活活動代謝」と呼ばれています。

 活動代謝は、日常の全ての活動により消費されるエネルギーであり、通勤や家事、余暇に行うボランティア活動などを全て含み、その人の日常生活における習慣とか、趣味の活動などで大きく異なってきますが、激しいスポーツやジョギングなどの有酸素運動をする人は多くなります。

 平均的な日本人の場合の活動代謝量が一日の消費カロリーに占める割合は、約20%程度とされています。

 カロリー消費を増やす目的でスポーツジムに通ったりしますが、日常のちょっとした場面での心がけひとつで、活動代謝量を増やすことはできます。

 たとえば、デパートに出かけたら、エスカレーターやエレベーターを使わないで、階段を歩くなどは最も効果があります。通勤時に電車を一駅前で降りて勤め先まで歩くとか、犬の散歩を一回り余分にしてあげるとか、庭の草むしりを丁寧にやるとか、家の中でもテレビを見ながら片足立ちをしてみるとか、ちょっとしたことでいいのです。家の中にいるときでも、少し大げさな動作をするのも効果があります。

食事誘導性熱代謝  人は生きるために食物を食べますが、この食事をすることによりいくらかのエネルギーが消費されます。食物を噛む動作、食物を胃の中で砕き混ぜる作用、小腸で消化吸収されるときなどにもエネルギーが必要です。唐辛子などの発汗作用のある食品を食べると、消化器の動きが活発になって、食事中や食後に汗をかき、エネルギーが消費されていることが分かります。

 このように食物を摂取するために消費されるエネルギーのことを「食事誘発性熱代謝」とか、「食事誘導性体熱生産量」とか呼んでいます。また、英語表現の「Diet Induced Thermogenesis」を省略した形で「DIT量」と呼ぶこともあります。