基本分野選択:HOME現在:健康増進 現在:PC版スマホ版へ移動
 
健康増進健康増進全般三大健康要素健康度測定基礎代謝有酸素運動無酸素運動休養の効果健康増進機器体の仕組み健康療法  
健康増進

〔エネルギー代謝率〕

 
 人は、覚醒していて横になっている状態でも、〔基礎代謝量〕と呼ばれる最小限のエネルギー消費を必要としています。

 座っている安静状態でもほんの少し代謝量が増加しますが、肉体的な活動が大きくなると、エネルギー量は急速に増加します。

 特に、いわゆる肉体労働や激しいスポーツのような骨格筋による活動時には、代謝量は極めて大きく増加します。

 このような活動あるいは労働の強度を表す方法として、〔エネルギー代謝率(RMR)〕という指標が用いられます。



 エネルギー代謝率は、〔活動時の総エネルギー代謝量〕から、〔安静時のエネルギー代謝量〕を引き去り、その結果を〔基礎代謝量〕で割って計算します。

 この値は、年齢や性別・体格などにあまり影響されない、活動強度・労働強度を示す適切な指標となります。
 体内で消費されるエネルギー量は、栄養素の酸化反応で作り出されるので、それぞれのエネルギー代謝量は、呼吸により使われた酸素の消費量に対応します。

 活動や労働、運動などに必要なエネルギー量、そしてひいてはエネルギー代謝率は、酸素の消費量で測定できることになります。

エネルギー代謝率 ◆〔エネルギー代謝率〕の定義と計算方法をご説明します。
エネルギー代謝率の定義  人は横になって寝ていても、心臓や肺をはじめいろいろな臓器は活動し続けます。体温を保つために発熱もしていて、エネルギーを消費します。このように、目を覚ました状態で生き続けるために最小限必要なエネルギーが〔基礎代謝量〕と呼ばれます。

 これに対し、座っている状態を保つためには、少しだけ余分なエネルギーが必要となりますが、基礎代謝量にその分を加算したものを〔安静時代謝量〕と呼びます。

 そして、運動や作業など主に肉体労働をすると、非常に多くのエネルギーが消費されます。このように運動や作業などの活動により消費されるエネルギーは〔作業時代謝量〕とか〔活動時代謝量〕などと呼ばれます。

 運動や作業などの活動がどれくらい過酷なものか、活動強度、労働強度を評価する指標として、〔エネルギー代謝率〕が考案されました。

 エネルギー代謝率は、RMR(relative metabolic rate)と呼ばれ、〔活動時の総エネルギー代謝量〕から、〔安静時のエネルギー代謝量〕を引き去り、その結果を〔基礎代謝量〕で割って計算します。

エネルギー代謝率計算式

 このエネルギー代謝率(RMR)は、その活動・労働に要するエネルギーが、基礎代謝量に対して何倍の活動強度・労働強度になるかを表しています。

エネルギー代謝率の計算  エネルギー代謝率は、その活動・労働のために増加したエネルギー代謝量を基礎代謝量で割ったものとして定義されますが、その具体的な計算方法として、酸素の消費量が利用されます。

 筋肉が収縮すると、ATP(アデノリン3リン酸)という物質が代謝・分解されてエネルギーを放出し、酸素を消費します。この酸素消費量の変化を測定することで、筋肉の活動状態を定量化することが出来るようになります。

 このATPに関する詳しい反応は、「気になる言葉館:クレアチン」を参照してください。

 RMRは、〔活動時の総酸素消費量〕から、〔安静時の酸素消費量〕を引き去り、その結果を〔基礎代謝での酸素消費量〕で割って計算します。

酸素消費量変化からのRMR:エネルギー代謝率計算式

労働強度とRMR  酸素必要量は、労働強度の強さに比例して増加します。軽度な労働であれば、体内での酸素消費量は呼吸により安定的に供給され続け、特別な疲労もなく長時間の労働が続けられます。この状態でのRMR(エネルギー代謝率)は、中くらいの労働強度と考えられ、大体2~4の範囲となります。

 労働が段々きつくなり、呼吸によって補給される酸素量を上回るようになると、やがて酸素供給量が追いつかなくなり、酸素不足のためにそれ以上の労働ができなくなります。RMRが4以上の重労働になると、長時間労働は到底不可能となります。RMRが7.0以上の作業・労働を無理やり続けようとすると、生命の危険性が極めて大となります。

 ここで、現代労働衛生ハンドブックに掲載されている「作業強度の分類と実働率」のデータを示します。重労働を含む作業では、拘束時間内の平均RMRの値は高くなりますが、実際に作業している時間を意味する拘束実働率は低下します。

作業強度とRMR
作業強度分類 主作業のRMR 拘束実働率% 拘束時間中の平均RMR
非常に軽い 0.0~0.9 80 0.0~0.8
軽い 1.0~1.9 79~75 0.8~1.5
中くらい 2.0~3.9 74~65 1.5~2.6
重い 4.0~6.9 64~50 2.6~3.5
非常に重い 7.0以上 49以下 3.5以上