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健康増進

〔生活活動強度〕

 
 厚生労働省は、「健康づくりのための運動指針2006」の中で、メタボリックシンドロームをはじめ生活習慣病の発症を予防するための身体活動量・運動量・体力の新しい基準値として「生活活動強度(METs:メッツ」という指標を導入しました。

 生活活動強度(METs)は、身体活動の強度を表す単位で、運動や活動によるエネルギー消費量が安静時のエネルギー消費量の何倍に当たるかを表す指標です。

いろいろな運動や活動に対するMETsの値は測定されていて、標準値が決まっています。



 このMETsに、その運動や活動の継続実施時間(Hr)を掛けた数値を、〔エクササイズ〕といい、〔EX〕で表します。  厚生労働省は、メタボリック症候群の予防のために、3〔METs〕以上の活動強度の運動や活動で、1週間当たり23〔EX〕以上活動することを推奨しています。

生活活動強度METs ◆〔生活活動強度METs〕を定義し、RMRとの関係をご説明します。
METsの定義  〔生活活動強度〕とは、生活活動の強度が、安静時の何倍に相当するのかを示す単位で〔活動強度〕あるいは〔運動強度〕とも呼ばれ、METs(メッツ:metabolic equivalents)という数値で表現します。

 即ち、METsは、何かの作業・労働をする場合に、その作業・労働によるエネルギー代謝量が、安静時のエネルギー代謝量の何倍に当たるかを意味する指標です。

 実用的な観点では、METsは、その作業・労働時の酸素消費量が、安静時の酸素消費量の何倍であるかにより測定されます。

METs計算式

METsとRMRの関係  生活活動強度(METs)と、エネルギー代謝率(RMR)との間には、次の関係式が成り立ちます。

METs計算式


身体活動とMETs ◆日常生活での活動強度区分と身体活動とMETsの関係ご説明します。
生活活動強度区分  日常生活での生活活動は、何もしないでのんびり過ごす人から、信じられないほど活発に活動する人までいろいろいます。個人がどの程度活発かどうかなどを表す〔日常生活の活動強度〕は、区分Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳまでの四段階に分類されます。

 ここで、区分Ⅰは、活動が「低い」、Ⅱは「やや低い」、Ⅲは「適度」、Ⅳは「高い」という意味になります。区分Ⅰ、Ⅱに該当する人は、それなりの努力が必要となります。

 各区分での生活パターンを知ることも重要なので、ここに各区分毎の典型的パターンを示します。

生活活動強度区分分類
生活活動強度区分 生活動作 時間 日常の過ごし方
   Ⅰ (低い)

安静
立つ
歩く
速歩
筋運動

12
11
1
0
0

 散歩、買い物など比較的ゆっくりした1時間程度の歩行のほか、大部分は座位での読書、勉強、談話、また座位や横になってのテレビ、音楽鑑賞などをしている場合など。

   Ⅱ (やや低い)

安静
立つ
歩く
速歩
筋運動

10
9
5
0
0

 通勤、仕事などで2時間程度の歩行や乗車、接客、家事など立位での業務が比較的多いほか、大部分は座位での事務、談話などをしている場合など(国民の大部分が該当)。

   Ⅲ (適度)

安静
立つ
歩く
速歩
筋運動

9
8
6
1
0

 生活活動強度レベルⅡの人が、1日1時間程度は速歩やサイクリングなど、比較的強い身体活動を行っている場合など(健康のために望ましい活発な生活行動をしている場合、望ましい目標)。

   Ⅳ (高い)

安静
立つ
歩く
速歩
筋運動

9
8
5
1
1

 1日、1時間程度は激しいトレーニングや肉体労働を行なっている場合など。


身体活動とMETs  通常行われる様々な身体活動における、生活活動強度(METs)とエネルギー代謝率(RMR)の例を示します。

生活活動と運動強度(METs)・エネルギー代謝率(RMR)
METs RMR 生活活動の例
0.9 0.0 ・睡眠

1.0 0.0 ・音楽鑑賞、映画鑑賞、TV視聴
・乗り物での通勤・通学、乗り物乗車
・会話、電話、書き物、読書、瞑想
・座位でジャグジーに入る

1.3 0.4 ・一般的なセックス

1.5 0.6 ・座位でのオフィスワーク、事務仕事、入力作業
・食事
・入浴

1.8 1.0 ・学校での授業

2.0 1.2 ・立位、座位での料理
・座位での手工芸
・徒歩・乗り物利用での旅行
・洗濯、ベッドメイク
・シャワー、洗顔、歯磨き、ひげ剃り、化粧
・服の着替え
・会話を伴う食事
・家の中での歩行、トイレ

2.3 1.6 ・アイロンかけ
・立位での一般的なオフィスワーク
・洗濯物の片付け作業

2.5 1.8 ・整理整頓、リネン交換
・ダーツ、ストレッチ、ハタヨガ
・歩行のある料理、食材準備作業
・ペットの世話、植物の水やり
・座位で軽度の子供との遊び
・座位での子供の世話、ベビーカーを押す
・ヘアスタイリング
・オートバイ運転

3.0 2.4 ・通常のゆっくり歩行、自転車での買物
・洗車、窓拭き
・看護
・フリスビー、サーフィン、軽度の自転車エルゴメーター
・マンボ、チャチャチャ、ワルツ、スローなどのダンス
・ゴルフ打ちっ放し、軽度のウエイトリフティング
・柔軟体操、ストレッチ
・立位での子供の世話
・幼児を抱きかかえての移動
・軽度の階段の昇降
・散歩、ペットの散歩、ボーリング
・映画俳優、舞台裏の仕事
・ややきつい家財道具の片付け
・外出準備、ドアの施錠、窓の鍵締め
・自転車の修理、家庭大工
・10kgの重量物をもっての社内移動

3.5 3.0 ・掃除機での掃除、モップ掛け
・立位でのややきつい作業
・アーチェリー、トランポリン、自宅での柔軟体操
・幼児を背負っての移動

3.8 3.4 ・浴室・風呂磨き
・軽度のウォーキング

4.0 3.6 ・普通の歩行
・庭掃除、屋根の雪下ろし
・同時に多種類のきつい家事
・高齢者・身体障害者の介護
・車椅子を押しての移動
・徒歩通勤・通学、立っての車内通勤
・太極拳、カーリング、卓球、バレーボール
・乗馬、軽度のアクアビクス、軽度の水中ウオーキング
・自転車に乗る:16.0km/時以下
・子供と歩・走行、ややきつい遊び
・立位でのきつい作業
・指導のみのインストラクター

4.5 4.2 ・10kg以下のモノをやや早足に運ぶ
・ゴルフ、バトミントン、フラダンス、ベリーダンス、フラメンコ

4.8 4.6 ・バレエ、ジャズダンス、タップダンス

5.0 4.8 ・速足歩行
・子供と歩・走行できつい遊び
・子供とのドッジボール、遊具を使って遊び
・10~20kgの物を持って階段を下る
・軽度のエアロビックダンス
・ソフトボール、野球、クリケット
・松葉杖で歩く

5.5 5.4 ・電動芝刈り機にて芝刈り
・軽度の自転車エルゴメーター(100ワット)
・14.5km/時以下でのアイススケート

6.0 6.0 ・家財道具の移動
・海、湖でのスイミング
・サイクリング
・ゆっくりジョギング
・スコップでの雪かき
・自転車に乗る:16.1-19.2km/時以下(軽度)
・きついウェイトリフティング
・ジャズダンスをベースにジャザサイズ

6.5 6.6 ・スポーツ教室のインストラクター
・エアロビックダンス

7.0 7.2 ・テニス、サッカー、スキー、アイススケート
・一般のジョギング、競歩
・山登 (14.1kg以下の荷物を背負って)
・背泳でのスイミング
・バックパックを背負って歩く
・ややきつい自転車エルゴメーター:150ワット

8.0 8.4 ・重い荷物の運搬
・岩上り、山登り、縄跳び
・柔道、空手など格闘技
・ランニング:8km/時
・水中ジョギング
・軽度のクロール、横泳ぎでのスイミング
・自転車に乗る:19.3-22.4km/時以下
・腕立て伏せ、懸垂、腹筋運動

8.5 9.0 ・マウンテンバイク

9.0 9.6 ・荷物を2階に運搬
・ランニング:8.4km/時

10.0 10.8 ・柔道、空手、キックボクシング
・ランニング:10km/時
・平泳ぎでのスイミング

11.0 12.0 ・バタフライ、速いクロールでのスイミング

15.0 16.8 ・ランニング:10.8km/時
・ランニング:14.5km/時



活動強度単位エクササイズ ◆活動強度を測る単位エクササイズ〔EX〕についてご説明します。
エクササイズ  METsに、それを実施した時間を掛けたものを「エクササイズ〔EX〕」という新しい単位として定義します。1〔EX〕=1〔METs・Hr〕です。

エクササイズの定義式

 たとえば、活動強度3.0〔METs〕のゴルフの打ちっ放しを2時間続けた場合のエクササイズは6.0〔EX〕となります。

  3.0〔METs〕 X 2〔Hr〕 = 6〔METs・Hr〕 = 6〔EX〕

 厚生労働省では、健康維持と健康増進のために、活動強度3〔METs〕以上の活動を、一週間当たり23〔EX〕以上することを推奨しています。

 通常の健常者では、この23〔EX〕の中の少なくとも4〔EX〕は活発な運動が必要であるとしております。また、メタボリックシンドロームのある人については、積極的な運動で10〔EX〕以上含むことを推奨しています。

 ここで、毎週23〔EX〕を超える活動となるいくつかの例を示します。

毎週23〔EX〕を超える活動の例
活動内容 活動強度〔METs〕 実施時間〔Hr〕 エクササイズ〔EX〕
立位での子供の世話 3.0 8.0 24.0
散歩・ペットの散歩 3.0 8.0 24.0
掃除機での掃除・モップ掛け 3.0 8.0 24.0
高齢者・身障者の介護 4.0 6.0 24.0
卓球 4.0 6.0 24.0
バレエ・ジャズダンス 4.8 5.0 24.0
軽度のエアロビックス 5.0 5.0 25.0
ソフトボール 5.0 5.0 25.0
ジョギング 6.0 4.0 24.0
テニス・サッカー・スケート 7.0 3.5 24.5

 ここに示した表では、ひとつの生活活動だけを1週間に8時間続けた場合などのエクササイズ〔EX〕を示していますが、現実の生活では、これらの活動を組み合わせて合計のエクササイズが23以上になるようにすればよいわけです。たとえば、こんな感じです。

組み合わせで1週間に23〔EX〕以上を達成する一例
例1 立位で子供の世話 3時間 9.0〔EX〕 1週間合計
24.0〔EX〕
散歩 3時間 9.0〔EX〕
掃除機での掃除 2時間 6.0〔EX〕
例2 高齢者の介護 3時間 12.0〔EX〕 1週間合計
25.0〔EX〕
テニス 1時間 7.0〔EX〕
ペットの散歩 2時間 6.0〔EX〕

活動による消費エネルギー  運動や活動のエクササイズ〔EX〕が分かると、その活動により消費されるエネルギー量が、次の式で計算できます。

エクササイズによるエネルギー量計算式

 たとえば、体重60kgの人が、30分間ゆっくり目のジョギングをした場合、ジョギングの活動強度は6〔METs〕であり、0.5時間分でのエクササイズは3〔EX〕となるので、消費エネルギー量は、189〔kcal〕となります。

 エネルギー消費量=1.05 × 60〔kg〕 × 3〔EX〕 = 189〔Kcal〕