基本分野選択:HOME現在:栄養成分 現在:PC版スマホ版へ移動
 
栄養成分栄養成分全般栄養の秘密基本栄養素機能性成分6つの基礎食品群食事バランスガイド活性酸素抗酸化物質タンパク質・アミノ酸糖質・炭水化物脂質・脂肪酸
ビタミンミネラル食物繊維硫黄化合物ポリフェノールカロテノイドアルカロイド機能性アミノ酸ビタミン様物質糖アルコール酵素酵母
善玉菌類他の機能性成分五十音検索ABC検索数値記号検索  
栄養成分

活性酸素とは

 人が生きるために酸素は必要不可欠な物質ですが、呼吸により取り込まれた酸素のうち、1~2%ほどはいわゆる「活性酸素」になるといわれています。

 とかく悪者呼ばわりされる活性酸素ですが、実際には身体内に侵入してくるさまざまな細菌やウイルスを攻撃し、私たちを守ってくれる重要な存在でもあります。

 また、人の身体では、いろいろな原因により遺伝子が傷つき、毎日50~200個ほどの「がん細胞」が発生しますが、活性酸素はこのがん細胞を破壊する役割も果たしています。


 健康体であれば、余剰な活性酸素は、「超酸化物不均化酵素=SOD(スーパー・オキシド・ジスムターゼ)」と呼ばれる酵素によって、人体に無害な水に変換されます。

 しかし、血液の状態が悪くなり、無害化されない活性酸素の量が増加すると、細胞や血管壁を傷つけるばかりか、遺伝子も破壊して、がんの原因を作るようにもなってしまいます。更に、活性酸素は、血液中のコレステロールを酸化させ、動脈硬化も促進してしまうのです。
 体内での活性酸素の発生量は、ストレスや喫煙、排気ガスなどの大気汚染、太陽光線の紫外線、塩素消毒された水道水など、さまざまな要因で増加します。健康を維持するためには、できるだけこれらの刺激を避けることが重要です。

 活性酸素が化学的にはどのようなものかなど、更に詳しい説明をこのページの下部に示しますので、活性酸素について詳しく知りたい方は参照してください。

活性酸素の性質 ◆〔酸素原子・酸素分子の構造〕と活性酸素の性質についてをご説明します。
酸素原子
酸素原子での電子の軌道図  化学的な表現をすれば活性酸素とは、酸素が科学的に活性になった状態をいいます。この活性酸素は、非常に不安定な状態にあり極めて強い酸化力をもっています。

 酸素原子の原子核の周りには8個の電子があり、原子核の周囲を回っています。酸素原子には電子が回るべき5つの軌道があり、そこに8個の電子が回るのですが、電子には2個ずつがペアとなってはじめて安定な状態になるという性質があります。

 軌道は5つ、電子は8つ、しかもペアでないと安定しない。ということで、酸素原子の構造図に示すように、5つある軌道のうちで、外側の二つの軌道には、電子が1個ずつしか存在していない不安定な状態となってしまいます。

 このため、酸素原子は周囲に存在する物質などから、ペアとなるべき電子を虎視眈々と探し回り、強引に奪い取ろうとする不安定な状態にあります。

酸素分子
酸素分子での電子の軌道図

 酸素分子は、左の図で示すように、酸素原子2個が結合した状態で、通常「O2」と書かれます。

 二つの酸素が結合することで、互いの第5軌道にある電子同士はペアとなり相互に二つの原子核の軌道を回るようになり安定化します。

 しかし、二つの原子の第4軌道にある電子には依然としてペアの相手となるべき電子が存在しないために、全体としては不安定なままになっています。

活性酸素が活性な理由  既にみてきたように、酸素原子には、5つの軌道があり、それぞれの軌道内で二つの電子がペア状態となって安定するというルールがあります。酸素原子の第1~第3軌道には電子が2個ずつ入って安定しています。しかし、第4、第5軌道には電子は1つしかなく、電子的に不安定な状態になっています。

 酸素原子が2つ結合したのが酸素分子ですが、それぞれの第5軌道にある電子同士は、互いにペアを組んで、二つの原子核の第5軌道を8の字のような、あるいは∞のような感じで回り、安定化します。

 しかし、第4軌道にとり残されてしまった電子には、依然としてペアとなるべき相手電子が存在していません。これらの電子は、相手となるべき電子を捜し求めて、たえず獲物を狙っています。このように、不足する電子を捜し求めている酸素の状態が活性酸素と呼ばれるものの正体です。


活性酸素の種類 ◆〔重要な活性酸素の種類〕にはどんなものがあるかご説明します。
重要な活性酸素の種類  単純に活性酸素と呼びますが、実際には12種類の活性酸素が存在しています。中でも、重要な活性酸素として「スーパーオキサイドラジカル」「過酸化水素」「ヒドロキシラジカル」および「一重項酸素」という4つの種類があり、次のような意味合いをもっています。

重要な活性酸素の種類
スーパーオキサイド
ラジカル
 片方の酸素原子の第4軌道にだけ、外部から電子1つを取り込んだ状態。

 スーパーオキサイドラジカルは、私たちの体内で大量に発生する、最も一般的な活性酸素です。この活性酸素は、他のものに比べると身体に与える影響は少ないですが、ときに毒性の強い活性酸素に変化する可能性があります。

過酸化水素  療法の酸素原子の第4軌道に外部から電子1つずるが取り込まれた状態。

 過酸化水素は、二つの酸素原子の第4軌道にそれぞれ1個の電子が飛び込んだものなので不対電子はありません。しかし、ちょっとしたきっかけで、不対電子が出現する非常に不安定な状態にあります。

 水にこの過酸化水素を混ぜ込んだもの(過酸化水素水H2O2)は、オキシドールという消毒薬として知られています。怪我などの消毒に使用する、過酸化水素は不安定で酸素を放出しやすく、非常に強力な酸化力を持ち、泡を発生させて細菌類などを死滅させます。

 過酸化水素は体内では頻繁に作られていて、細胞内にある鉄や銅イオンと結合して、恐るべき活性酸素である一重項酸素に変身します。

ヒドロキシラジカル  酸素分子が分裂して、両原子の第5軌道にひとつの電子(水素)が入り込んだ状態。

 ヒドロキシラジカルは、過酸化水素が金属イオンと反応したときに発生する、最も酸化力が強力な活性酸素です。酸素分子を構成する二つの酸素原子が分離し、それぞれの第5軌道に電子1個が飛び込んだ状態です。

 この活性酸素は、100万分の1秒という極めて短時間しか存在しませんが、がんをはじめ、各種生活習慣病、老化の引き金になるとされています。

一重項酸素  片方の酸素原子の第4軌道に、他方の酸素原子の第4軌道を回っていた電子が入り込んだ状態。

 二つの酸素原子のうち、一方の原子の第4軌道上の電子が、もう一方の原子の第4軌道に飛び込み、最初の原子の第4軌道が空っぽじょうたいになってしまった活性酸素が、一重項酸素です。

 一重項酸素は、非常に強力な酸化能力をもつ活性酸素で、紫外線などの刺激により、お肌や体内に発生します。皮膚がんをはじめとするさまざまながんの原因となる極めて恐ろしい活性酸素です。