テアニンは、化学構造的にはグルタミン酸に類似の構造をしていて、お茶の上品な旨みと甘味をつくりだす成分です。 テアニンは、お茶の木の根で作り出され、やがて葉に移動し、日光を受けるとお茶の渋み成分であるポリフェノールのカテキンへと変化します。 このため、テアニンは、日光を遮りながら育てる特上のお茶類、玉露や碾茶(てんちゃ)、かぶせ茶などの茶葉に、豊富に含まれます。 |
茶葉には、テアニン以外にも、グルタミン酸・アスパラギン酸・アルギニン・セリンなどのアミノ酸が含まれていますが、お茶の旨味や甘味はテアニンの効果であり、渋味はカテキン類によります。 テアニンには、興奮を鎮めたり緊張を和らげてくれる働きがあります。 |
◆〔テアニン〕の原産地や由来・歴史は、どんなですか? |
テアニンの由来 |
テアニンは、特上のお茶類に豊富に含まれる成分で、お茶の旨味や甘味のもととなっている成分です。通常、乾燥茶葉中に1~2%ほど含まれています。 テアニンは、1950年に玉露から分離精製され、その化学的構造が決定されました。その後、1964年7月に食品添加物として指定されました。 この成分は、お茶の学名が「Thea sinensis」であることから、「テアニン(Theanine)」と命名されたといわれています。 |
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テアニンの採取 |
テアニンは、お茶やツバキ、サザンカなどの葉に含まれますが、それ以外の植物にはほとんど存在しない物質です。お茶特有の成分であるテアニンは、旨味成分であるグルタミン酸と類似の構造をもつアミノ酸です。 茶葉が含有する窒素成分の過半数はテアニンの形で存在しています。お茶の木が吸収したアンモニア態窒素を、お茶の木自体にとって安全な形態として蓄積するために、テアニンが合成されていると考えられています。 テアニンは、特に上級なお茶に豊富に含まれるのですが、それには理由があります。 お茶の木の根で産生されるテアニンは、やがて葉へと移動します。そして、葉が日光に当たると、葉中のテアニンは、お茶の渋味成分であるポリフェノール(カテキン)へと変化します。 従って、葉に日光をたっぷりと当てたお茶には、テアニンは少なくなります。逆に、葉に当たる日光を遮って育てた茶葉には豊富なテアニンが含まれることになります。このため、日光を遮りながら育てる、上級なお茶、玉露や碾茶(てんちゃ)、かぶせ茶などは、豊富なテアニンを含有します。
茶葉に含まれるテアニンの含有量は、二番茶よりも一番茶、一番茶でも初期の若い芽に多く含まれ、成熟した芽では極端に少なくなります。 |
◆〔テアニン〕の主な栄養成分は何ですか? |
お茶のテアニン含有量 |
テアニンは、緑茶、烏龍茶、紅茶などのお茶に含まれる何種類ものアミノ酸の中のひとつです。テアニンは、お茶の旨味成分・甘味成分であり、カテキン類(タンニン)はお茶の渋味成分となっています。 どのようなお茶でもテアニンは含まれていますが、その含有量は、玉露や抹茶などに多く、番茶や煎茶では少なくなっています。日本茶、湯のみ1杯(約80ml当たり)に含まれるテアニン量は、次のようになっています。
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◆〔テアニン〕の主な効果・効用は何ですか? |
テアニンの効能 |
臨床試験において、テアニンの生理作用として様々な効果が確認されています。
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◆〔テアニン〕の用法・用量はどうなりますか? |
テアニンの用法・用量 |
テアニンの1日あたりの目安量というものは、特にありません。通常のお茶として摂取する場合には、常識の範囲であればいくら飲んでも問題はないと思われます。 一方、緑茶には、中枢神経系を刺激して、覚醒作用や興奮作用をもたらすカフェインも含まれているので、テアニンだけを摂取したい場合には、サプリメントを利用するのが便利です。 健康食品やサプリメントでテアニンを摂取する場合には、その製品の表示をお確かめください。 |
◆〔テアニン〕の副作用や留意点はありますか? |
テアニンの副作用 |
テアニンは、通常のお茶に由来する成分であり、問題となる健康被害や副作用は知られていません。 また、他のサプリメントや医薬品との相互作用も報告されておらず、特に極端な場合を除いては、併用しても問題ないと思われます。 但し、お茶を飲むことで、テアニンが摂取できますが、同時にカフェインも摂取されるので、人によっては睡眠には問題が出るかもしれません。 |
◆〔テアニン〕の料理のコツを教えてください。 |
テアニン |
テアニンは、お茶から摂取するのが簡単ですが、最近では、健康飲料やアイスクリーム、サプリメントもあるので、それらを利用することもできます。 個人差はありますが、テアニンを摂取すると、30~40分くらいで、脳をリラックスさせるα波が増えてきます。なかなか寝付けない人は、試してみるのもいいかも知れません。個人差があって、逆に眠れなくなることもあります。 |
◆〔テアニン〕の健康食品・サプリメントはありますか。 |
市販の健康食品・サプリメント |
テアニンの市販健康食品・サプリメントは、ウエルシアなどから販売されています。これらのご利用に関しては、販売会社のご説明だけでなく、上記の内容もよく理解して下さるとよいと思われます。
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