重症度によって、行うべき対処法、治療法は多少異なります。
次のような症状があるなら、汗をかく水分もないほどに極度な脱水状態となっているので、一瞬もためらうことなく直ちに救急車を呼ばなくては生命が危険です。
・40度C以上の発熱がある
・高度な意識障害がある
・しかも発汗がない
ここでは、主に医療機関で行う治療法を示しています。
熱中症 I度 (軽度) |
I度(軽度)の熱中症であれば、服装を緩めて風通しの良い木陰やクーラーの効いた涼しい場所に移動させます。
水を飲ませたり、できればスポーツドリンクや野菜ジュースなどの水分を与えます。
また、水500mlに小さじ一杯ほどの食塩を溶かして生理食塩水を作り、少しずつ飲ませると効果的です。
足を高くして寝かせ、手足を末端部から中心部に向けてさすります。
吐き気が強かったり、嘔吐があり水分補給が困難なら病院での点滴が必要です。点滴が終われば入院の必要はありません。
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熱中症 Ⅱ度 (中等度) |
Ⅱ度(中等度)の熱中症でも、先ずは服装を緩めて風通しの良い木陰やクーラーの効いた涼しい場所に移動させます。
至急、救急車を呼び待機しますが、救急車到着までの間には、軽度の熱中症の場合同様に、次のような処置を施します。
水を飲ませたり、できればスポーツドリンクや野菜ジュースなどの水分を与えます。
また、水500mlに小さじ一杯ほどの食塩を溶かして生理食塩水を作り、少しずつ飲ませると効果的です。
足を高くして寝かせ、手足を末端部から中心部に向けてさすります。
病院では、点滴をすると同時に体温を低下させる対処を行います。通常、容態が安定しても入院した方がよいです。
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熱中症 Ⅲ度 (重度) |
Ⅲ度(重度)の熱中症では、とにかく大至急、救急車を呼ぶことが不可欠ですが、救急車到着までの間は、軽度~中等度の熱中症の場合同様に、次のような処置を施します。
先ずは服装を緩めて風通しの良い木陰やクーラーの効いた涼しい場所に移動させます。足を高くして寝かせ、手足を末端部から中心部に向けてさすります。
体温を速やかに、39度C以下にまで下げる処置が必要です。水で湿らせた身体を扇風機で冷却したり、動脈の通路に近い首や脇の下、股部を氷タオルで冷やします。
また、アルコールがあるならアルコール湿布が効果的ですが引火の危険性もあるので全身への適用はお勧めはできません。
水を飲ませたり、できればスポーツドリンクや野菜ジュース、生理食塩水を飲ませます。
救急車が到着し病院へ移送後には、点滴をすると同時に体温を低下させる「冷却療法」を行います。臓器不全を引き起こす可能性が高いため、人工呼吸器や血液透析、その他の対症療法などの集中治療が行われます。
重度の熱中症では、容態が安定しても入院が必要です。
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