がん |
人体を構成する細胞が、次のような四つの特性を持ち、最終的には宿主である人を死に至らしめるような全ての病変を指す語の総称として「がん」という言葉が用いられます。
「がん」には、「ガン」や「癌」「悪性腫瘍」「肉腫」「液性がん」など多くの呼称がありますが、「がん」はそれらの総称として使われます。
がんは栄養分を勝手に使いながら制御不能の浸潤と転移を行うことで、人の生命維持に必要な機能を破壊し、人を死に至らしめるのです。
がん細胞は身体を維持するために必要な増殖制御ができなくなり無秩序に増殖します。
|
がんの細胞は、本来存在すべき領域を超えて、周囲の正常組織を破壊しながら浸潤し広がってゆきます。
|
がん細胞は、周囲の血管やリンパ管を破壊しその内部に侵入して血液やリンパ液の流れに乗り、最初にがんが発生した場所とはまったく別の場所に移動し「転移」します。
|
がん細胞は、本来は正常細胞が利用すべき栄養分を勝手に奪い去り、がん細胞自身の増殖のために利用します。
|
|
ガン |
細胞が勝手に自己増殖して、最終的には宿主である人を死に至らしめるような全ての病変を指す語で、全ての種類の「がん」の総称として、「がん」という表現と同じ意味合いで用いられます。
|
悪性腫瘍・悪性新生物 |
一般に、勝手気ままに増殖した細胞のかたまりを「腫瘍」と呼んでいます。
これは、何らかの原因によって、遺伝子に変異が起こり、その増殖性を制御できなくなった細胞集団の呼称です。
そして、このような腫瘍には「良性腫瘍」と「悪性腫瘍」と呼ばれる二つの種類があります。
良性腫瘍は、膨張性に大きくなる性質がありますが、周囲とは明確な境界を持ち、他の部位に転移しないものをいいます。
これに対して「悪性腫瘍」は、その増殖性を制御できなくなった腫瘍で、周囲の組織に浸潤したり、最終的には全身に転移することで宿主を死に至らしめる腫瘍をいいます。
この「悪性腫瘍」は「悪性新生物」とも呼ばれます。
「悪性腫瘍」という言葉も、「がん」と同様な意味合いで用いられることが大部分で、特に区別されることなく「がん」と同一の意味合いで呼ばれます。
|
癌 |
人の体のうちで、皮膚などの「上皮組織」にできる悪性の腫瘍をいいます。
上皮組織というのは、身体を傷つけることなく、細い管を挿入し触れることのできる全ての身体部位をいいます。
胃や腸などの内部は、「上皮組織」であって普通の皮膚と同様にいろいろな障害が起こります。
普通には意識していませんが、例えば、お腹の表面にジンマシンが出来れば胃や腸の内部表面にも同様な状態が起こっているのです。
このように、胃カメラなどの内視鏡を挿入して見える胃の内壁とか大腸、小腸、膀胱など、非常に多くの臓器など表面組織に出現する悪性腫瘍を「癌」と呼びます。
|
肉腫 |
「肉腫」というのは、身体を傷つけずに触ることのできない、筋肉や骨などの「非上皮性」の部位にできる悪性の腫瘍をいいます。
肉腫は非常に結合性がゆるく、すぐにばらばらになり易い性質があります。
|
液性がん |
「癌」や「肉腫」のように、塊となって大きくならない液性のがんをいいます。白血病などがその代表です。
|