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〔高尿酸血症〕 |
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〔高尿酸血症〕とは、人間の身体の中を流れる血液中の尿酸濃度が異常に高い状態をいいます。 |
このバランスが崩れると〔高尿酸血症〕になりますが、その原因には二つあって、「産生過剰型」と「排泄低下型」です。 |
痛風になるとある日突然、足の親指の付け根が赤く腫れあがり痛みだします。
・アレキサンダー大王 |
性別や年齢に関係なく、体中を流れる血液中の尿酸濃度が、血漿中の尿酸溶解濃度である7.0mg/dL を超えたものが高尿酸血症と定義されます。 血液中の尿酸濃度は、産生と排泄のバランスがとれていれば、一定の正常範囲に保たれます。 このバランスが崩れると高尿酸血症になりますが、その原因には三つあって、次のように大別されます。
・尿酸産生過剰型(尿酸産生の増加)
日本人では、尿酸産生過剰型が2割、尿酸排泄低下型が6割、混合型が2割となっています。 |
高尿酸血症自体は深刻な病気とはいえませんが、これに伴い発症する合併症は深刻です。 合併症としては、痛風、痛風結節、尿酸結石、動脈硬化症などがあり、日常生活にも大きな支障をきたします。
これらの合併症の中でも痛風は、激痛を伴う関節炎で、通常はまず足の親指側の中足趾関節に発作的に発症します。 |
高尿酸血症は、遺伝的要因に食生活などの生活習慣や環境によって発病します。痛風になる人の20%くらいには、父親や親族などに痛風患者がおります。痛風は飽食の時代の病気だといわれます。栄養事情が悪いときには高尿酸血症の患者は少なく、栄養事情がよくなると多くなります。 尿酸は体内で生成されるほか、食物に含まれるプリン体が分解してできる老廃物として生成されます。生成された尿酸は血液中に溶けきれなくなると結晶化します。食事中にプリン体の多く含まれる食品を摂取すると血液中の尿酸濃度は上昇します。 参考までに食品一人前に含まれるプリン体の量を示します。滅多に食べない食品はいいとしても、食べすぎは高尿酸血症の原因となります。
お酒を飲むと一時的に尿酸値は上昇します。アルコールが体内で代謝(分解・無毒化)されるときに尿酸が作られるからです。また、一部のお酒にはプリン体が多く含まれるからです。 アルコールが代謝されるときには、尿酸値は必ず上昇するので、痛風などにはよくありません。中でもビールは極めて問題があります。 ビールには非常に多くのプリン体が含まれるため、高尿酸血症の方はビールの飲用を諦める必要がありそうです。しかし、大量に飲むのでなければ、ウイスキーやブランデー、焼酎はそれほど問題にしなくても大丈夫です。
その他で尿酸値を上昇させる原因として、ストレスや過度な運動などがあげられます。また、ある種の薬剤も尿酸値を上昇させることがあります。 一例をあげればは次の通りです。
・喘息の治療薬のテオフィリン(テオドールなど) |
性別や年齢を問わず絶対的な基準として血液中尿酸値が7.0mg/dL 以上であれば高尿酸血症と判断されます。 これ以上の濃度では尿酸は血液中に溶解できす結晶化する限界だからです。 高尿酸血症は、尿酸産生過剰型(尿酸産生の増加)、尿酸排泄低下型(尿中尿酸排泄能の低下)、両者の混在した混合型に大別されるので、この病型判定のために、血中および尿中の尿酸値が測定されます。 尿酸クリアランスおよびクレアチニンクリアランスの測定をし、その値で病型が識別されます。
◇尿酸排泄低下型
高尿酸血症の最大の合併症である痛風の診断は、痛風発作時の関節の中に尿酸結晶があることで証明されます。 |
高尿酸血症の治療法には、生活習慣改善、食事療法、薬物療法などがあります。
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