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〔心臓障害〕 |
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心臓障害や心臓病を細かく分類すれば、次のように多岐にわたります。
・心不全 |
しかし、生活習慣と関連の深い心臓病として特に重要で注目されているのは、〔虚血性心疾患〕の中の〔狭心症〕と〔心筋梗塞〕です。 |
〔狭心症〕も〔心筋梗塞〕も直接的原因は、〔動脈硬化症〕により引き起こされます。確かに老化も動脈硬化の原因の一つですが、重要な原因はやはり不適切な生活習慣です。 |
心臓自体も一つの臓器として酸素と栄養分とを必要としています。 心臓を機能させる心筋に酸素と栄養分とを送る血管が冠動脈と呼ばれます。 冠動脈に問題があって十分な酸素と栄養分とが送られない病気が虚血性心疾患です。 虚血性心疾患には、狭心症と心筋梗塞という二つの病気があります。 虚血性心疾患食生活やライフスタイルの欧米化に伴い増加しています。主な原因は、長い年月の生活習慣の蓄積にあるとされます。 |
典型的な心臓病には狭心症や心筋梗塞があります。 狭心症の特徴的症状は、激しい胸の痛みが突然襲い、痛みは数秒~15分くらい続いて自然に消滅することです。 狭心症発作の発症頻度も人によりまちまちです。月に数回程度の人もいれば、1日に何回も起こる人もいます。 痛みの程度は軽症から重症までさまざまで、患者は胸の締め付け感・絞扼感・圧迫感などを訴えます。激しい痛みで冷や汗を伴うこともあります。 このように、多くの人が感じる症状は、胸骨の裏側あたりの前胸部の痛みや圧迫感が最も多く、胸全体、右左どちらかの胸、みぞおちなどに痛みを感じます。 痛みは、しばしば頚部や左肩に向かう放散痛となって現れ、背中、喉、顎などに達することもあり、歯が浮くような感じをうったえる人もいます。 ときには、左肩から腕にかけて痺れを感じる人もいます。 狭心症の発作時間は長くても15分以内ですので、もしも痛みがそれ以上続く場合には、単なる狭心症ではなく、心筋梗塞や心室細動などを誘因して、生命の危険が迫っている可能性が高いので、緊急に救急車を呼んで病院に行かなくてはなりません。 激しい頭痛、動悸や不整脈、呼吸困難、嘔吐などを伴う場合には、特に危険です。 心筋梗塞になると、発作的に前胸部中央、心臓部に締め付けられるような激痛が走ります。 痛みは狭心症よりもはるかに強く、持続的で数十分~数時間に及びます。 冷や汗が出て顔面蒼白となるほか、やがて心臓機能不全症状として、不整脈、呼吸困難、むくみ、発熱などの症状が現れます。 病状が一旦落ち着いても、1~1か月の間に、再び発作が起きることが珍しくありません。 |
狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の直接の原因は、冠動脈硬化ですが、これを誘引するのは、高血糖、高脂血症、家族にそういう人がいる家系、および特殊な性格などの危険因子です。 特殊な性格の人とは、自信家、几帳面、仕事熱心、負けず嫌い、成功欲や支配欲が強く気性の激しい人、すぐイライラして怒りやすい人などのタイプの人です。 いつも強いストレスや緊張に晒される人、酒、タバコ中毒の人なども危険です。 |
心臓病の検査は、日常の予防的健診などで行う一般的な検査と、発作などの発生によって緊急に行うものとがあります。 検査そのものは、身体に直接針を刺したり、管を入れたりしない非新侵襲性検査と、身体に針を刺したり、管を入れたりする侵襲性検査とがあります。 通常は非侵襲性検査を行い、異常が発見されれば侵襲性検査も行われます。 心臓病の検査では、まず医師による問診や聴診が行われます。 高血圧などが心臓病の原因の一つですから、血圧測定が行われます。 心臓の現在の状態を知ることと、血圧降下剤などの薬の効果を判定するためのデータとなります。これらに異常が認められれば、心電図検査へと進みます。 心電図検査では、P波、QRS波、T波という3つの波形が測定されます。 P波は心房の電気的な興奮を示し、QRS波は心室の電気的な興奮を示します。 T波は心室の電気的興奮が回復するときの波形です。心臓に何らかの異常があると、その異常特有の波形が現れるので、医師が心電図をみれば心臓の病気やその進行状態などを判断することができます。 狭心症などの虚血性心疾患の診断には、定められた運動をし心臓に負担を掛けながら、運動負荷心電図検査と呼ばれる測定をします。 ベルトコンベアーの上を歩いてもらうような軽い運動をしながら心電図を測定します。 狭心症であっても、胸痛がない静かな状態での心電図測定では特別な変化がないように見えますが、運動負荷心電図では、狭心症特有のパターンが現れるので、狭心症の正しい診断ができます。 通常のクリニックなどで行える心臓病の検査は以上のようなものですが、これら以外にも次のような多くの方法があります。
・心エコー図検査(心臓超音波検査)
現実に発作が起こった場合などには、これらの検査が複数行われることがあります。 |
虚血性心疾患の予防的意味では、節度のある日常生活を心がけ、食べすぎ、飲みすぎを避け、バランスのよい食事を摂り、禁煙し、適度な運動を行うこと、また、十分な休養と睡眠をとることが必要です。 しかし、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の発作や症状が起こった場合には、早期に適切な治療が必要です。 治療方法には、症状や段階に応じて薬物療法、カテーテルによる治療、外科手術などがあります。 狭心症や心筋梗塞の発作が起こったときには、ためらうことなく救急車を呼び、CCU(冠動脈疾患の集中監視と治療体制を備えた設備)がある緊急病院へ搬送してもらい手当てをうけることが大切です。 早ければ早いほど救命率が上がります。 |
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薬物療法としては、症状に合わせて次に示すような多くの医薬が使用されます。
狭心症の緊急特効薬は、血管拡張剤としての硝酸薬(ニトログリセリン錠)やカルシウム拮抗薬です。 |
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カテーテルによる治療方法は、狭心症や心筋梗塞の直接原因である傷んで狭くなった冠動脈の病変部内部に直径2~4ミリ、長さ20ミリくらいの小さな風船を挿入し膨らませて、冠動脈を内側より拡張する方法です。 このカテーテルによる方法は、比較的軽症の患者に適用されます。風船は血管を広げた後で縮ませて抜き去ります。 この他にも、ステントと呼ばれる小さな筒状の金網を血管の内部に入れて膨らませ、そのまま入れておく方法もあります。 |
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重症の患者には冠動脈バイパス手術という、大掛かりな外科治療が必要となります。 この方法では、狭くなった血管部分や、閉塞した病変部の先端部に、別の血管を繋いで血液の流れをよくする血液のバイパス路をつくる方法です。 以前には、人工心肺を使いながら心臓を完全停止させてこの手術は行われましたが、最近の医学の進歩で、現在では心臓を停止させることなく手術することが可能となっています。 いずれにしても極めて高度な設備とテクニックが必要な手術に違いはありません。 |