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〔脳・神経の病気〕

緊張型頭痛


概要病気症状原因診断
治療予後合併症情報書籍
 

この疾患の概要です

 頭痛には、大分類として、次のようにと呼ばれる二つの種類があります。

 ・症候性頭痛
 ・機能型頭痛

 〔症候性頭痛〕は、特定の原因を持つ頭痛で、主な原因には、〔脳腫瘍〕や〔脳出血〕〔くも膜下出血〕などがあります。



 〔機能型頭痛〕は、特別な理由がないのに慢性的に起こる頭痛です。

 〔緊張性頭痛〕は、特別な原因がないのに起こる〔機能型頭痛〕に属する代表的な頭痛です。

 慢性的に起こる頭痛では最も頻度の高い頭痛です。

 この〔緊張型頭痛〕は、肩こりなどの多い日本人によく起こる慢性頭痛です。

 年齢的には中高年に多く発症し、男女差はありません。一日中、座してパソコンを操作して仕事する事務系の人に多いという説もあります。


 〔緊張型頭痛〕の最大の原因は、しいて言えば、持続するストレスです。

 ですから、下図に示すようなストレス連鎖を、どこかで断ち切ることが最良の治療法となります。

緊張型頭痛ストレス

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どんな病気ですか?
〔緊張型頭痛という病気〕

 頭痛には、特別な理由がなく慢性的に起こる「機能性頭痛」と、頭蓋内外に器質性の病気や外傷があることで起こる「症候性頭痛」とがあります。

 緊張性頭痛は、症候性頭痛に属する頭痛です。

頭痛の種類と緊張性頭痛
〔症候性頭痛〕

 症候性頭痛の原因としては、脳腫瘍、脳出血、くも膜下出血、髄膜炎などがあります。症候性頭痛は、深刻な結果を招くことが多いので注意が必要です。

〔機能性頭痛〕

 緊張性頭痛は、機能性頭痛に属していて、ストレス、無理な姿勢、頚椎の変形、歯のくいしばりなどが原因で起こります。この緊張型頭痛自体は深刻な結果を招くことはありません。


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どんな症状ですか?
〔緊張型頭痛の症状〕

 緊張型頭痛の症状は、頭が締め付けられるような痛みが後頭部や頚部・首筋の両側にかけて持続する頭痛で、多くの場合に首や肩の凝りを伴います。

 このような重苦しい痛みがいつからともなく始まり、いつまでも続きます。

 また、この頭痛では、肩こりや首筋の凝りがある他に、ほのかなフワフワした目眩が感じられることもあります。

 一般に症状はそれほど重くなく、すごく強い痛みもないので、寝込むほどの病気ではありません。

 うっとうしい頭痛ですが、仕事や家事など日常生活ができなくなるようなこともありません。

 また、体を動かしても特に悪化することもなく、吐き気や嘔吐などの症状も起こりません。

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原因は何ですか?
〔緊張型頭痛の原因〕

 緊張型頭痛のおこる主な原因はストレスですが、原因となるストレスには、精神的ストレスと身体的ストレスがあります。

緊張型頭痛の原因となるストレス
〔精神的ストレス〕

 職場や家庭内での対人関係などによる緊張や精神的ストレスが続くと、神経や筋肉の緊張が増大します。

 このような緊張状態が脳に作用し、緊張型頭痛として現れてきます。

 また、不安や心配事などの精神的なストレスが原因でも起こりやすくなります。

 この場合、一度頭痛が始まると、今度は肩こりや首筋の凝りも始まり、それが更に頭痛を酷くする悪循環になってしまうこともあります。

 気分転換をしないといつまでも頭痛が続いてしまいます。

〔肉体的ストレス〕

 毎日、仕事や趣味でパソコンを使っていると、どうしても不自然な姿勢になります。

 適度な休養や体の運動をすればいいのですが、長時間同じ姿勢で頑張ったりすると、肩や首筋の筋肉に肉体的ストレスが溜まり、肩こりや首筋の痛み、緊張型頭痛がおこります。

 パソコンをよく使う仕事などで眼精疲労を感じるようなら、休養が必要です。

 緊張型頭痛の原因である肉体的ストレスを解消しないかぎり、いつまでも頭痛は続いてしまいます。

 電気按摩機でマッサージしたり、軽い運動をしたりといった何かをしないと駄目です。


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診断はどうやりますか?
〔緊張型頭痛の診断〕

 緊張型頭痛は自分で判断できる頭痛で、しかも生命にかかわるような重大なものではなく、ただダラダラといつまでも続く頭痛です。

 診断というより予防的な観点から、自分でストレスや不調に気づいたら早めにそれを取り除くようにすることが大切です。

 ストレスの悪循環を早めに解消して予防に努力するのが一番です。

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治療はどうやりますか?
〔緊張型頭痛の治療方針〕

 緊張型頭痛の原因である精神的ストレスや肉体的ストレスを解消することがこの頭痛の治療となります。

 緊張型頭痛の原因となっているストレスが自分でも分かってきたら、痛みが軽い内に治してしまいましょう。

 治療方法には、ストレス自体を除去したり、それができないならストレスを制御する方法と、健康機器の活用、薬物療法などがあります。

〔ストレスの制御〕

 精神的ストレスは不安や心配事から起こりますし、肉体的ストレスは忙しい仕事などから起こりますから、なかなかストレス自体を無くすことは難しいです。

 しかし、緊張型頭痛を引き起こしている精神的・肉体的ストレスに気づかない人も多くいるのです。

 先ず、ストレスに気づくことが大切です。

 ストレスに気づいても、それを簡単には取り去ることはできません。そこで、大切なのは、ストレスをうまく発散させる方法を見つけることになります。

 最近、定年退職した夫がいつも家にいることがストレスで頭痛が止まらないという熟年主婦が沢山います。

 自分の家なんだから「家に居てどこが悪い」と旦那は言います。

 そこで、こんな話を聞きました。賢い奥さんは毎週一日だけ美味しい弁当を作ってやり、旦那を囲碁教室に送りだしてしまうというのです。

 ストレスは、考え方でうまく軽減したりなくしたりできるのです。

〔健康機器の活用〕

 自宅や職場での不自然な姿勢が原因かも知れないと感じたら、同じ姿勢を長時間続けないよう、ときどきブレークタイムを取りましょう。

 午前に一回、午後に一回コーヒーなどを飲むのが効果的です。

 意外と効果のあるのが、最近はやりの自動按摩機、マッサージ機です。

 これを使うと肩こりや首筋の痛み、脚のむくみとか全身の痛みや辛さが消えて癒されます。高価ですが、一家に一台あると最高に役にたちます。

 身体的なストレスによる頭痛の場合は、自宅で無理なら、最近は大手のスーパーなどでリラックスコーナーとかカイロプラクティスとかいって、15分間くらいの手もみあんまをしてくれるところがあります。

 こういうところを利用するのもいいでしょう。

〔薬物療法〕

 いろいろやってみたけど、どうしても緊張型頭痛がとれないというときの最後の頼みは、薬物療法となります。

 精神的ストレスによる頭痛には、軽い抗うつ薬や軽い抗不安薬が効果あります。

 でも、あまり回数が多いと依存性もあるので注意が必要です。くせになっても困りますから。

 身体的ストレスによる頭痛の改善には、筋肉をほぐし、血液循環を円滑にしてくれる筋弛緩薬や循環改善薬を一時的に使用すると効果があります。


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