HOME 健康・医療館スマホ版 PC版へ移動現在:スマホ版
 
体の病気操作指示皮膚の病気  

〔陰金田虫〕


概要病気症状原因診断
治療予後合併症情報書籍
 

この疾患の概要です

 一般に〔水虫〕は、皮膚糸状菌と呼ばれる真菌(白癬菌)によって生じる病気です。

 足や手にできたものを〔水虫(足白癬)〕、爪にできたものを〔爪水虫(爪白癬)〕、股部にできたものを〔陰金田虫(股部白癬)〕、頭部にできたものを〔しらくも(頭部白癬)〕と呼びます。

 白癬菌は湿気を好み、皮膚のケラチンを栄養分として繁殖するため、足などによくできます。



 真菌によって生ずる〔水虫〕や〔陰金田虫〕〔しらくも〕などの病気は、通常は皮膚の表面に感染します。

 中でも〔陰金田虫〕は、陰部周辺にできて繁殖するので、日常生活でも特に不愉快な疾患です。

 〔陰金田虫〕は、単に〔いんきん〕」とも呼ばれ、主に陰部周辺にできる慢性湿疹のような赤いブツブツです。


 人体の股やおしり、陰部などに出現し、黄濁色の粘液を含む膿庖ができます。

 特に身体が温まるとひどくなり、しつこい痒みのため不愉快の度も高まります。

 〔陰金田虫〕の治療薬については、「水虫治療薬」を参照してください。

ページのトップへ戻る

どんな病気ですか?
〔陰金田虫という病気〕

 真菌が原因で発症する病気は、総称して「白癬」と呼ばれ、皮膚糸状菌によって生じる皮膚感染症のひとつです。

 その発症部位や症状により「水虫」「爪水虫」「しらくも(頭部白癬)」および「ケルズス禿瘡(とくそう)」」などがあり、「陰金田虫」もそのひとつます。

 これらの病気の原因は、皮膚糸状菌(多くは白癬菌)という真菌によって起こる病気です。真菌は、簡単にいえば、カビの一種と考えられる細菌です。

 陰金田虫は、主に男性の陰部周辺などじめじめした部位にできる病気で、強い痒みをともないます。

 このページでは、陰金田虫を詳しくご説明していますが、真菌が原因となる陰金田虫以外の病気についても簡単に触れます。

陰金田虫とは
陰金田虫

 陰金田虫は、単に「いんきん」ともよばれ、主に陰部周辺にできる慢性湿疹のような赤いブツブツで、黄濁色の粘液を含む膿庖ができる病気です。

水虫

 水虫は、主に足の底に小さな水疱をつくるものや、足の指と指の間に小さな水疱ができ破れて白くふやけてびらん状になるもの、足の裏の角質層が厚くなり硬化してしまうものなどがあります。

 また、手の指にできることもあります。これらの水虫は、角質層にできるもの以外では、多くの場合、痒みをともないます。

 夏に向かって気温が上昇してくると、水虫の季節です。特に、毎日、靴を履いて満員電車に揺られて通勤するサラリーマンの40%が水虫で悩んでいるとの統計があります。

爪水虫

 爪水虫は、真菌が足の爪の内部まで侵入して、爪の角質がぼろぼろになり、白く濁ります。ひどくなると、爪が分厚く膨らんだり、爪の形が歪み変形し、反り返ったりする病気です。

しらくも(頭部白癬)

 しらくもは、頭部に生じる白癬菌感染症で、頭部白癬とも呼ばれ、頭部にふけ(鱗屑)が付着した境界のはっきりしたゼニ型の脱毛局面が現れる病気です。

ケルズス禿瘡

 ケルズス禿瘡は、人畜共通の病気で、頭部に生じる白癬菌感染症の一つですが、細菌が皮膚の下部まで侵入してしまい、毛嚢を破壊し、脱毛を生じさせるびょうきです。


ページのトップへ戻る

どんな症状ですか?
〔陰金田虫の症状〕

 股やおしりなどの陰部にできる田虫を陰金田虫といいますが、身体の陰部以外にできるものは、単に田虫と呼んだり、ぜに田虫と呼ぶこともあります。

 陰金田虫は、陰部にできるため、むずむずと痒みを感じます。ときには痛みを伴うほどになったり、火がついたように熱く感じることもあります。

 また、水疱ができ、破れてじゅくじゅくしたり、いろいろな症状が出てきます。

陰金田虫の症状
陰金田虫の典型的症状

 陰金田虫は、人体の股やおしり、陰部などにできる湿疹様疾患です。

 初期には、小さくて赤い斑点状の湿疹ができたり、黄濁色の粘液をもつ膿疱ができて、しだいに環状に盛り上がり大きくなってゆきます。

 執拗な痒みをともない、特に身体が温まるとひどくなります。


ページのトップへ戻る

原因は何ですか?
〔陰金田虫の原因〕

 水虫・陰金田虫・白癬などの病気は、いずれも白癬菌(真菌)による感染症の病気です。

 白癬菌は高温多湿の環境下で繁殖しやすいので、汗ばんだり濡れたりした皮膚をそのままにしておくと感染し易くなります。湿った靴下を長時間履いていると足の水虫に非常に罹り易くなります。

 白癬菌の感染は、多くの場合に、人から移りますが、公衆浴場の椅子や洋式トイレなども感染源になります。身体に貼付する湿布薬類も長時間貼ったままにしていると体部白癬になることがあります。

 しらくもは犬や猫などのペットから感染することがあるので注意が必要です。

 また、糖尿病やステロイド薬(副腎皮質ホルモン薬)を内服したり外用している場合には、免疫力の低下を招き、白癬菌に感染しやすくなります。

ページのトップへ戻る

診断はどうやりますか?
〔陰金田虫の診断〕

 陰金田虫などの白癬菌による病気の診断は、症状の出ている陰部の皮膚を採取して顕微鏡で見る検査によります。

 この顕微鏡検査で白癬菌が見つかるかどうかが、診断の決め手となり、白癬菌が見つかれば陰金田虫と診断されます。

 最も一般的な陰金田虫の検査は、「カセイカリ検査法」です。この方法では、感染している部位から少量の皮膚を採取し、少量のカセイカリ液を加え、60~70度Cで2~3分加熱後に顕微鏡観察します。

 白癬菌は、糸状の菌糸が繋がって伸びていて、ところどころに竹の節状の隔壁があります。

 これが数珠のように連続していて、これらがひとつずつ離れると周囲に飛散してゆき感染を拡げるのです。

ページのトップへ戻る

治療はどうやりますか?
〔陰金田虫の治療方針〕

 白癬菌による陰金田虫などの病気には、抗真菌薬の外用薬を用いて治療します。主に使用される薬には次のようなものがあります。

抗真菌薬の外用薬
薬剤成分 商品名 効能など

塩酸ブテナフィン メンタックス・ボレー・ブテナロック 臨床研究で非常に高い効果が認められています。

ビボナゾール マイコスボール 臨床研究で非常に高い効果が認められています。

ラノコナゾール アスタット 臨床研究は不明ですが、専門家の経験で使用されています。

塩酸テルビナフィン ラミシール 臨床研究で非常に高い効果が認められています。

硝酸ミコナゾール フロリードD 臨床研究で非常に高い効果が認められています。

クロトリマゾール エンペシド 臨床研究で非常に高い効果が認められています。

 しかし、一旦、陰金田虫に罹ってしまうと、患部が陰部ということもあって、汗をかきやすくじめじめしているために、完全に治療を終わらせないと、一見よくなったように見えても再発してしまいます。  白癬菌が皮膚深部にまで侵入して炎症を起こしている場合には、外用薬(塗り薬)だけでは効果が出ないこともあります。

 この場合には、外用薬と同時に内服薬も併用して、原因細菌を身体の内と外から挟み撃ちにして治療します。

 内服薬での治療にはそれなりの治療期間が必要となり、とても根気の要る治療となります。

 内服薬を長期間使用することで肝臓障害などの副作用を伴うことがあるので、定期的な肝機能検査なども必要です。

抗真菌薬の内服薬
薬剤成分 商品名 効能など

塩酸テルビナフィン ラミシール 臨床研究で非常に高い効果が認められています。

イトラコナゾール イトリゾール 臨床研究で非常に高い効果が認められています。



ページのトップへ戻る