〔好酸球中耳炎〕は、内耳の粘膜に「好酸球」が浸潤し、固形に近いニカワ状の滲出液がぎっしり溜まる中耳炎です。 多くの場合、成人発症の気管支喘息患者、慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎の患者に合併してみられる難病です。
好酸球とは、白血球の一種である顆粒球の1つで、直径10~15ミクロンの大きさを持っています。 好酸球は白血球の0.5~13%を占め、I型アレルギーで増加し、ヒスタミンを不活性化してアレルギー反応の制御を行う物質です。 ニカワ状の貯留液が中耳腔内で固まってしまい、伝音難聴や耳閉感、耳鳴りなどの症状を呈します。
主に、〔気管支喘息〕の発作時などに増悪します。喘息では成人してからの〔気管支喘息(いわゆるアスピリン喘息)〕の患者に多くみられます。 ニカワ状の貯留液の除去は、鼓膜切開や鼓膜換気チューブの留置などの方法で行います。 貯留物は液体ではなくほとんど固形化したニカワ状物質がぎっしり溜まるので、貯留物の除去には困難を伴います。