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〔アレルゲンの種類〕

概要アレルゲンの種類情報書籍
 
アレルゲンの種類の概要

 外部から体内に侵入して、アレルギー反応を引き起こす原因となる物質を「抗原」と呼びます。

 「IgE抗体」と反応して、「I型アレルギー疾患」を引き起こす物質を「アレルゲン」と呼び、大きく分けて次の三つの種類があります。

 ・吸入性アレルゲン
 ・食品性アレルゲン
 ・薬物性アレルゲン



 アレルギー症状の原因となるアレルゲンは、人によりさまざまです。

 「吸入性アレルゲン」は 「吸入性抗原」 とも呼ばれ、空気中に存在していて、人が吸入することで体内に侵入してきます。


 「食品性アレルゲン」は 「食品性抗原」 とか 「食物性アレルゲン」 とか呼ばれ、食物として摂取することで体内に侵入してくるアレルゲンです。

 また、「薬物性アレルゲン」は 「薬物性抗原」 とも呼ばれ、医薬や化粧品などの化学物質などとして体内に侵入してくるアレルゲンです。

典型的なアレルゲン物質の例
(I型アレルギー疾患を引き起こす原因物質)

アレルゲン分類 引き起こす疾患例や具体的アレルゲン

吸入性
アレルゲン
 ハウスダスト
 (ダニ類)
・通年性アレルギー
・アレルギー性鼻炎
・気管支喘息
・アトピー性皮膚炎

 カビ ・喘息
・アレルギー性鼻炎

 ペット ・猫や犬の毛、おしっこ、垢
・小鳥の羽毛・・・

 花粉 ・スギ花粉などは花粉症の最大の敵

食品性
アレルゲン
 五大アレルゲン ・牛乳
・卵
・落花生
・そば
・小麦

 その他のアレルゲン ・いくら
・えび
・かに
・肉類
・大豆

薬物性
アレルゲン
 医薬品 ・抗生物質
・風邪薬
・胃腸薬

 食品関連物質 ・食品添加物
・残留農薬

 化粧品 ・毛染め薬
・口紅
・クリーム
・マニキュア

 日用品 ・シャンプー
・リンス
・石鹸
・塗料
・洗剤


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アレルゲンの種類
〔吸入性アレルゲン〕

 吸入性アレルゲンは、人が呼吸することで体内に吸い込んでしまうような抗原物質です。

 代表的な吸入性アレルゲンには 「ハウスダスト」「花粉」 など多くのものがあります。

 広義のハウスダストには、日常生活をしている部屋など家庭の中に存在する塵・ダストのことで、チリダニ、カビ、細菌、動物の毛、人の皮膚やアカ、フケ、タバコの灰、繊維類、砂塵、鉱物類など無数に存在します。

 ハウスダストの中で最も問題なのはダニ類であり、狭義のハウスダストはダニと考えてもいいでしょう。

吸入性アレルゲンの具体例
ハウスダスト(ダニ)

 ハウスダストの中で、特に問題なのはダニ類です。家屋内に生息するダニには30種類以上もの種類があり、特にアレルギーの主犯となる「チリダニ」と呼ばれるダニやその糞などが有害なアレルゲンとなります。

 チリダニは「ヒョウヒダニ」とも呼ばれ「ヤケヒョウヒダニ」と「コナヒョウヒダニ」の二種類がいます。

 チリダニは卵から成虫までの生育期間が10~30日で、1~3か月の寿命があります。

 これらのダニは体長が、0.2~0.5mm で表面に微小なシワや点があります。非常に小さいので人の目には見えません。

 高温多湿を好み、夏季に最も多く繁殖し、冬期には多少減少しますが、一家屋内には数百億匹は生息しているものと推測されています。

 このハウスダストによって引き起こされるアレルギーが「ハウスダストアレルギー」で、多くの場合に原因となるアレルゲン物質は、チリダニなどの虫類やその糞などです。

 チリダニは人のフケや皮膚のかけらなどを栄養源として繁殖するので、実質上、ハウスダストアレルギーは、ほぼ「ダニアレルギー」と同義語となります。

 一般にハウスダストによるアレルギーは通年性のアレルギー、アレルギー性鼻炎や気管支喘息、アトピー性皮膚炎などの原因となるアレルゲンです。

 ハウスダストアレルギーの症状は、朝夕の鼻水、くしゃみ、就寝時や起床時の咳や喘鳴、呼吸困難などです。

 また、夜間の鼻づまりで口を開けて寝るために、口腔内の乾きで目覚めたり、寝不足になることもあります。

 ハウスダストのチリダニは殺虫剤で死滅しますが、チリダニは生きていても死骸でも、糞でもアレルゲンとして作用するので、死滅させるだけでなく、家の中を清潔に維持しないと効果はでません。

カビ

 カビは高温多湿を好み繁殖し、多湿期(梅雨)明けの乾燥機に大繁殖し、胞子が空中に浮遊し、呼吸によって吸入され体内に侵入します。

 主なカビ類には「カンジダ」「アスペルギルス」「ペニシリウム」「アルテルナリア」「クラドスポリウム」などの種類があります。

 カビもまた、喘息やアレルギー性鼻炎の原因となるアレルゲンとして重要です。

ペットの毛や垢

 犬や猫、ハムスター、モルモット、兎、小鳥などのペットを室内で飼う場合や、犬や猫が屋外と室内を出入りするような場合、ペット自身がアレルゲン物質を撒き散らしたり、外からのアレルゲン物質を持ち込んだりします。

 ペットの毛や垢、唾液、糞、オシッコ、毛、小鳥の羽毛などがアレルゲンとなります。ペットの唾液や垢、糞、オシッコなどはダニの餌ともなります。

 ペットを飼うことで、気管支喘息やアレルギー性鼻炎を増加させることになります。

花粉

 吸入性アレルゲンで最も深刻な影響があるのは、花粉です。

 戦後、政府が奨励して杉などの樹木栽培を推進した結果、非常に多くの杉林が点在する形となり、日本全国どこに行っても、春の季節にはスギ花粉が舞います。

 花粉が舞う時期は春に集中するので、花粉により発症する「花粉症アレルギー」は季節性アレルギーとなります。

 スギ花粉以外にも、ヒノキ、ハンノキ、稲科植物(カモガヤなど)、ブタクサ、ヨモギ、テンサイ、桃、りんご、除虫菊などもアレルギーを引き起こすアレルゲンであることが知られています。

 花粉は比較的サイズが大きいので、鼻や目の粘膜で捕獲され、そのためにアレルギー性鼻炎や目の症状がでやすくなります。


〔食品系アレルゲン〕

 食品性アレルゲンは「食物アレルゲン」とも呼ばれ、食物を摂取することで身体に侵入し、アレルギー反応を引き起こす飲食物をいいます。

 食品に含まれるたんぱく質が免疫機能により異物と認識され、抗原抗体反応が起こり、その結果としてアレルギー症状が出現します。

 食物を摂取しても何事も起こらない人が多いですが、食物の種類によって、摂取すると何らかの異常が発症する人も多くいます。

 日本人の三人に一人は何らかの食品性アレルギーを持っているとされます。このような人にとっては、その食物が食物アレルゲンとなるわけです。

 無数に存在する食品の中で「牛乳」「卵」「落花生」「そば」および「小麦」は、五大アレルゲンと呼ばれ、食品衛生法で食品への表示が義務付けられています。

 これらの食品が混ざった飲食物を摂取すると必ずアレルギー反応を起こす人たちがたくさんいるのです。

 厚生労働省が指定している保健で検査できるアレルゲンの数は170種類以上もあります。

 市販の健康食品の中で、「卵アレルギーの人でも食べられる卵」というのが販売されることがあるのですが、根拠のない広告だとの報告があります。このページ最下部の新聞記事の項を参照ください。

食品衛生上の表示義務
五大アレルゲン

 食品衛生法では、下記の五大アレルゲンを含有する加工食品を「特定原材料」として、表示するよう義務付けています。

 これらの食品は、アレルギーを特に多く発症したり、重篤度が高いことによります。

 ・牛乳
 ・卵
 ・落花生
 ・そば
 ・小麦

その他のアレルゲン

 五大アレルゲンほどではないものの、比較的アレルギーを発症しやすい食品があります。

 下記の19品目を使用した加工食品に、これらの原料を使用している旨を、できるだけ表示をするよう推奨されています。

 ・あわび、いか、いくら、えび、かに、さけ、さば

 ・オレンジ、りんご、もも、キウイフルーツ、くるみ

 ・牛肉、鶏肉、豚肉、大豆

 ・まつたけ、やまいも

 ・ゼラチン

 食物アレルゲンにより発症するアレルギー症状は、喘息や蕁麻疹、消化器障害など多種多彩で、アレルギー反応タイプの「I型」だけでなく「III型」「IV型」も起こります。

 中でも全身性ショック状態を招くアナフィラキーショックも起こすこともあります。

 子供にとっては、五大食物アレルゲンの中で「卵・牛乳・大豆」が、特に多く問題となり「三大アレルゲン」とも呼ばれます。

 大人にとっては、「魚介類」や「米・小麦などの穀物類」は重要なアレルゲンとなりますが、子供には比較的少ないです。

 食物アレルゲンで注意を要することは、たとえば卵アレルギーの子供が、原料の一部に卵を使用したビスケットなどの加工品を食べると、アレルギー症状を起こします。

 食品アレルギーでは、その食品に含まれる原料についても考慮しなくてはならないのです。

 ソバやうどんの飲食店で、うどんを注文し一口食べただけで、ひどい蕁麻疹ができてしまった知人がいます。そのお店では、同じお湯釜でソバとうどんを茹でていたのです。

 食品の中で、アレルギーに関係する物質である「ヒスタミン」や「コリン」を含むような食品を摂取すると、アレルギー症状を引き起こすことがあります。

 これは本来のアレルギーではないのですが、症状は同じようになります。

 ヒスタミンを多く含む食品には「ほうれん草」や「筍」があり、筍を食べると喉が痒くなるなどがこの例です。

 また、コリンを多く含む食品には「山芋」「筍」「トマト」「ナス」などがあります。

〔薬物性アレルゲン〕

 近年、医薬品の使用量が増加する傾向にあって、薬物によるアレルギーが発症する頻度が増えています。

 薬物アレルギーは「I型アレルギー」に限らず、「II型・III型・IV型アレルギー」も起こりうるため、多くの症状パターンが出現します。

 中でも多いのは、湿疹を初めとした皮膚症状で、発疹、痒み、発熱、関節痛、神経障害、嘔吐などもおこります。

 ひどいときには、アナフィラキーショック症状を起こすこともあります。

 アナフィラキーショックとは、蜂毒などによるショック症状などに代表されるもので、症状としては、血圧低下・顔面蒼白・冷や汗・嘔吐・じんましん・下痢・呼吸困難などが起こり、重症になると死亡する危険性もある症状です。

 薬物アレルゲンには、薬物や化粧品・食品関連物質など多数の物質が知られています。

薬物アレルゲンの種類
医薬品・薬物

抗生物質・解熱剤・鎮痛剤・風邪薬・胃腸薬・ワクチン・殺菌剤・化学療法薬・X線造影剤・消毒薬など

食品関連物質

食品添加物・残留農薬など

化粧品関連

毛染め薬・口紅・クリーム・マニキュア・ローションなど

日用品・その他

シャンプー・リンス・石鹸・塗料・衣類・漆塗り・洗剤など



役立つ転載記事
〔転載元〕

 読売新聞 2010年10月30日

〔記事名称〕

 卵アレルギー用卵 根拠なし
 消費者庁が注意

〔記事本文〕

 「卵アレルギーでも食べられる」としてインターネット上で販売されている卵について、消費者庁は29日、「実際にアレルギー患者が食べると健康被害の恐れがある」と注意を呼びかけた。

 同庁は、患者の体験談とともに「安心して食べられる」などと宣伝する業者を10社余り把握しているが、専門家に確認したところ「卵からアレルギーの原因物質を完全除去するのは不可能」との見解を得た。

 科学的根拠を欠いた広告・宣伝は食品衛生法が禁じる虚偽広告にあたる可能性があるとしている。

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