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〔アレルゲンの種類〕 |
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外部から体内に侵入して、アレルギー反応を引き起こす原因となる物質を「抗原」と呼びます。
・吸入性アレルゲン |
アレルギー症状の原因となるアレルゲンは、人によりさまざまです。 「吸入性アレルゲン」は 「吸入性抗原」 とも呼ばれ、空気中に存在していて、人が吸入することで体内に侵入してきます。 |
「食品性アレルゲン」は 「食品性抗原」 とか 「食物性アレルゲン」 とか呼ばれ、食物として摂取することで体内に侵入してくるアレルゲンです。
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吸入性アレルゲンは、人が呼吸することで体内に吸い込んでしまうような抗原物質です。 代表的な吸入性アレルゲンには 「ハウスダスト」「花粉」 など多くのものがあります。 広義のハウスダストには、日常生活をしている部屋など家庭の中に存在する塵・ダストのことで、チリダニ、カビ、細菌、動物の毛、人の皮膚やアカ、フケ、タバコの灰、繊維類、砂塵、鉱物類など無数に存在します。 ハウスダストの中で最も問題なのはダニ類であり、狭義のハウスダストはダニと考えてもいいでしょう。
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食品性アレルゲンは「食物アレルゲン」とも呼ばれ、食物を摂取することで身体に侵入し、アレルギー反応を引き起こす飲食物をいいます。 食品に含まれるたんぱく質が免疫機能により異物と認識され、抗原抗体反応が起こり、その結果としてアレルギー症状が出現します。 食物を摂取しても何事も起こらない人が多いですが、食物の種類によって、摂取すると何らかの異常が発症する人も多くいます。 日本人の三人に一人は何らかの食品性アレルギーを持っているとされます。このような人にとっては、その食物が食物アレルゲンとなるわけです。 無数に存在する食品の中で「牛乳」「卵」「落花生」「そば」および「小麦」は、五大アレルゲンと呼ばれ、食品衛生法で食品への表示が義務付けられています。 これらの食品が混ざった飲食物を摂取すると必ずアレルギー反応を起こす人たちがたくさんいるのです。 厚生労働省が指定している保健で検査できるアレルゲンの数は170種類以上もあります。 市販の健康食品の中で、「卵アレルギーの人でも食べられる卵」というのが販売されることがあるのですが、根拠のない広告だとの報告があります。このページ最下部の新聞記事の項を参照ください。
食物アレルゲンにより発症するアレルギー症状は、喘息や蕁麻疹、消化器障害など多種多彩で、アレルギー反応タイプの「I型」だけでなく「III型」「IV型」も起こります。 |
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近年、医薬品の使用量が増加する傾向にあって、薬物によるアレルギーが発症する頻度が増えています。 薬物アレルギーは「I型アレルギー」に限らず、「II型・III型・IV型アレルギー」も起こりうるため、多くの症状パターンが出現します。 中でも多いのは、湿疹を初めとした皮膚症状で、発疹、痒み、発熱、関節痛、神経障害、嘔吐などもおこります。 ひどいときには、アナフィラキーショック症状を起こすこともあります。 アナフィラキーショックとは、蜂毒などによるショック症状などに代表されるもので、症状としては、血圧低下・顔面蒼白・冷や汗・嘔吐・じんましん・下痢・呼吸困難などが起こり、重症になると死亡する危険性もある症状です。 薬物アレルゲンには、薬物や化粧品・食品関連物質など多数の物質が知られています。
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読売新聞 2010年10月30日 |
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卵アレルギー用卵 根拠なし 消費者庁が注意 |
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「卵アレルギーでも食べられる」としてインターネット上で販売されている卵について、消費者庁は29日、「実際にアレルギー患者が食べると健康被害の恐れがある」と注意を呼びかけた。 同庁は、患者の体験談とともに「安心して食べられる」などと宣伝する業者を10社余り把握しているが、専門家に確認したところ「卵からアレルギーの原因物質を完全除去するのは不可能」との見解を得た。 科学的根拠を欠いた広告・宣伝は食品衛生法が禁じる虚偽広告にあたる可能性があるとしている。 |