食品性アレルゲンは「食物アレルゲン」とも呼ばれ、食物を摂取することで身体に侵入し、アレルギー反応を引き起こす飲食物をいいます。食品に含まれるたんぱく質が免疫機能により異物と認識され、抗原抗体反応が起こり、その結果としてアレルギー症状が出現します。
食物を摂取しても何事も起こらない人が多いですが、食物の種類によって、摂取すると何らかの異常が発症する人も多くいます。日本人の三人に一人は何らかの食品性アレルギーを持っているとされます。このような人にとっては、その食物が食物アレルゲンとなるわけです。
無数に存在する食品の中で「牛乳」「卵」「落花生」「そば」および「小麦」は、五大アレルゲンと呼ばれ、食品衛生法で食品への表示が義務付けられています。これらの食品が混ざった飲食物を摂取すると必ずアレルギー反応を起こす人たちがたくさんいるのです。厚生労働省が指定している保健で検査できるアレルゲンの数は 170種類以上もあります。
市販の健康食品の中で、「卵アレルギーの人でも食べられる卵」というのが販売されることがあるのですが、根拠のない広告だとの報告があります。このページ最下部の新聞記事の項を参照ください。
五大アレルゲン |
食品衛生法では、下記の五大アレルゲンを含有する加工食品を「特定原材料」として、表示するよう義務付けています。これらの食品は、アレルギーを特に多く発症したり、重篤度が高いことによります。
・牛乳、卵、落花生、そば、小麦
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その他のアレルゲン |
五大アレルゲンほどではないものの、比較的アレルギーを発症しやすい食品として、下記の 19品目を使用した加工食品に、これらの原料を使用している旨を、できるだけ表示をするよう推奨しています。
・あわび、いか、いくら、えび、かに、さけ、さば
・オレンジ、りんご、もも、キウイフルーツ、くるみ
・牛肉、鶏肉、豚肉、大豆
・まつたけ、やまいも
・ゼラチン
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食物アレルゲンにより発症するアレルギー症状は、喘息や蕁麻疹、消化器障害など多種多彩で、アレルギー反応タイプの「I型」だけでなく「III型」「IV型」も起こります。中でも全身性ショック状態を招くアナフィラキーショックも起こすこともあります。
子供にとっては、五大食物アレルゲンの中で「卵・牛乳・大豆」が、特に多く問題となり「三大アレルゲン」と呼ばれます。大人にとっては、「魚介類」や「米・小麦などの穀物類」は重要なアレルゲンとなりますが、子供には比較的少ないです。
食物アレルゲンで注意を要することは、たとえば卵アレルギーの子供が、原料の一部に卵を使用したビスケットなどの加工品を食べると、アレルギー症状を起こします。食品アレルギーでは、その食品に含まれる原料についても考慮しなくてはならないのです。
ソバやうどんの飲食店で、うどんを注文し一口食べただけで、ひどい蕁麻疹ができてしまった知人がいます。そのお店では、同じお湯釜でソバとうどんを茹でていたのです。
食品の中で、アレルギーに関係する物質である「ヒスタミン」や「コリン」を含むような食品を摂取すると、アレルギー症状を引き起こすことがあります。これは本来のアレルギーではないのですが、症状は同じようになります。ヒスタミンを多く含む食品には「ほうれん草」や「筍」があり、筍を食べると喉が痒くなるなどがこの例です。また、コリンを多く含む食品には「山芋」「筍」「トマト」「ナス」などがあります。
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