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〔膠原病の初期症状〕 |
〔膠原病〕は、全身のコラーゲンにフィブリノイド変性という特徴が見られ、共通的症状として原因不明の発熱、湿疹、関節の痛みなどを伴う一群の疾患群の総称です。 |
発病初期に起こる共通的で典型的な症状には、次のようなものがあります。
・原因不明の発熱 |
その他にも人によっては、次のような症状がでることもあります。
・リンパ腺が腫れたり
注意すべきは、これらの症状は全部が同時に現れるわけではなく、最初はそれほど強く出ることもない点です。 |
典型的で共通的な膠原病の初期症状として、37~38度Cくらいの微熱がでる症状があります。 ウイルスや細菌感染などによる発熱と異なり、咳や鼻水、喉の痛みなどの症状はなく、週単位~月単位で微熱が続きます。 微熱は午前中に出て、午後には平熱になることがよくあり、平熱~微熱を繰り返します。 風邪などの感染症であれば、抗生物質が顕著な効果を発揮しますが、膠原病の場合には抗生物質を服用しても効果は無く熱は下がらないのが特徴です。 また、膠原病によっては、38度C以上の発熱が数週間にわたって続くようなものもあります。 風邪などの感染症と同様に、寒けがしたり、大量の汗をかくことがありますが、通常、ふるえ(戦慄)は起こりません。 |
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膠原病の特徴的症状のひとつは関節などの痛みやこわばりです。関節症状には、身体のふしぶしの痛みが出たり、紅く腫れたり、圧迫すると痛むなどがあります。 初期には、朝方、起床したとき関節のこわばりを感じ、行動するうちにこわばりがなくなるなどの症状が出たりします。 関節痛などの症状が最も深刻な膠原病は、関節リウマチです。この場合には、手の指先から痛みや腫れが始まり、徐々に手首、ひじ、肩へと広がります。 また、足の場合にも指先から、足首、膝関節へと広がってゆきます。関節リウマチの特徴として、関節の痛みや腫れは、左右対称に出現することです。 関節リウマチ以外の膠原病では、関節痛があっても、腫れは出ないのが普通です。この場合、痛みは指先などではなく比較的大きな関節に発症します。 |
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血管系に異常を伴う膠原病では、紅色や紫色の斑点が出現することがあります。 多くの場合、虫刺されなどのような痒みは伴いません。紅班などが出る典型的な膠原病には次のような特徴があります。
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膠原病の症状がある程度進行してくると、筋肉の組織が破壊されて炎症が起き、障害を起こすことがあります。 特に、多発性筋炎や皮膚筋炎では、腕や太ももを掴んだだけでも痛みを感じるような症状が見られるようになります。 また、特別に身体が不調でもないのに、何故か力が入らないような自覚症状を感じることが起こります。 お酒のビンの蓋が開けられないとか、コーラのビンの蓋が開かない、焼酎をボトルからコップに注ごうとしても片手で支えられないなど、日常的に不都合が出てきます。 更に症状が進行してくると、首や肩周辺の筋肉や上腕部、大腿部などの筋肉に炎症がでてきて、極端な場合には、座るとなかなか立ち上がれないとか、首が重くなってベッドから起き上がれないなどの症状を呈してきます。 |
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全身性硬化症や多発性筋炎、皮膚筋炎、全身性エリテマトーデスなどの膠原病になると、寒さなどの刺激に対して血管が過剰に反応し、指先がいったん白くなり、やがて赤紫色、赤色を経由して普通の色に回復する現象が現れます。 この現象は「レイノー現象」と呼ばれていて、レイノー現象が長期にわたり継続するとやがて皮膚の硬化などへと進展します。 |
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全身性硬化症は全身性強皮症とも呼ばれ、レイノー現象を伴いながら、手の指先の皮膚が硬化し、腫れぼったくなって摘めなくなります。 症状が進行すると、腕や胸、顔の皮膚でも同様なことが起こります。 |
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主に関節リウマチの場合、ひじの外側や手の甲、後頭部、膝の前面など、普段の生活上で擦られやすい部位に、直径数ミリから数センチのしこり(皮下結節)ができます。 関節リウマチによる皮下結節では痛みはなく、消えては再発するパターンを繰り返します。 一方、結節性多動脈炎の場合には、触ると痛みを伴うしこりができることがあります。 その他にも膠原病の初期症状と見られるいくつかの症状が出現することがあります。
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