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〔血管炎症候群〕


概要側頭動脈炎大動脈炎症候群結節性多発動脈炎川崎病
ウェゲナー肉芽腫症アレルギー性肉芽腫性血管炎顕微鏡的多発血管炎過敏性血管炎クリオグロブリン血症
 

この疾患の概要です

 人体には、動脈や静脈に分けられる多くの血管があり、大動脈や大静脈などと呼ばれる太いものから、中くらいのもの、更に毛細血管と呼ばれる細いものまであります。

 〔血管炎症候群〕とは、これらの血管に炎症を起こす一群の疾患ですが、血管だけが冒されるわけではなく、他の臓器にも病変がみられることもあります。



 症状には、全身症状としての発熱や体重減少、倦怠感などと、頭痛や頸部・肩甲部痛、顎関節の疲れ、視力障害などがあります。

 膠原病などの他の疾患があって、これに血管炎が合併した場合には〔続発性血管炎〕と呼ばれ、原疾患が血管炎である場合には、〔原発性血管炎〕と呼ばれます。

 血管が全身に分布していることから〔血管炎症候群〕の多くは、全身性疾患であり、多くは慢性疾患です。

 日本では、難病(特定疾患)として、医療費支援制度の対象となる疾患もあります。


 ここに、血管炎症候群に罹患した血管の太さによる分類と、抗好中球細胞質抗体(ANCA)の有無による分類を示します。

血管炎症候群の血管の太さによる分類
大血管 側頭動脈炎
大動脈炎症候群
中血管 結節性多発動脈炎
川崎病
小血管 ウェゲナー肉芽腫症
アレルギー性肉芽腫性血管炎
顕微鏡的多発血管炎
過敏性血管炎
クリオグロブリン血症

血管炎症候群の抗好中球細胞質抗体(ANCA)による分類
PR3-ANCA(cANCA) ウェゲナー肉芽腫症
MPO-ANCA(pANCA) 顕微鏡的多発血管炎
アレルギー性肉芽腫性血管炎

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側頭動脈炎はどんな病気ですか?
〔側頭動脈炎とは〕

 側頭動脈炎(VS:Vasculitis Syndrome )は、太い動脈に炎症が起こる病気で、主に側頭部にある動脈が侵される病気です。

 大動脈から枝分かれした血管もかなりの率で侵されます。リウマチ性多発筋痛症を合併しやすいとされます。

 この病気は白色人種に多く、日本人には多くありません。日本における患者数は700名程度で、女性が男性の1.7倍ほどおります。好発年齢は50歳以上の高齢者です。

〔側頭動脈炎の症状〕

 側頭部の血管が腫れて触れると痛みます。主に片側だけの頭痛、肩こり、顎の痛み、肩甲骨の痛みなどがあり、発熱や体重減少を伴います。

 この病気で怖いのは、虚血により失明の危険があることです。眼底検査は欠かせません。

〔側頭動脈炎の診断〕

 臨床検査で特徴的な異常として赤沈の亢進がみられます。しかし、通常、筋原生酵素の増加はなく、リウマトイド因子や抗核抗体なども陰性です。

〔側頭動脈炎の治療〕

 高容量のステロイド薬が効果があります。定期的な眼底検査が必要です。

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大動脈炎症候群はどんな病気ですか?
〔大動脈炎症候群とは〕

 大動脈炎症候群は、1908年に日本の眼科医、高安先生によって発見された膠原病で、「高安動脈炎」とも呼ばれ、特定疾患に指定されています。

 また、「脈なし病」とも呼ばれることがあります。

 大動脈炎症候群は、太い血管に炎症が起こる病気で、20~30代の女性に多く発症します。女性は男性より10倍の発症率があります。

〔大動脈炎症候群の症状〕

 全身症状として、発熱、体重減少、関節痛、筋肉痛などが現れます。

 また、これらの他に個別症状として、めまい、視力障害、動悸などの自覚症状が現れ、血圧上昇もみられます。下肢が痛くて歩行できなくなることもあります。

〔大動脈炎症候群の診断〕

 大動脈症候群の検査と診断は次のように行われます。

大動脈炎症候群の検査と診断
血液検査  赤沈亢進、CRP陽性、白血球の増加やγ-グロブリンの増加がみられる。
脈拍  左右の脈の強さがことなる。
血圧  左右の腕で血圧に差がみられる。
眼底検査  眼底検査で特有のパターンがみられる。
X線検査  胸部X線検査、太い動脈のX線検査で、炎症が起きていることが確認される。


〔大動脈炎症候群の治療〕

 炎症の急性期はステロイド薬を用いて血管炎を抑える治療を行います。

 血管拡張薬や血液凝固抑制薬を併用したり、高血圧がある場合は、血圧降下剤も使用します。

 大動脈が極度に侵されてしまった場合には、外科手術での血行再建術を行い、痛んだ血管を正常な血管や人工血管に置換します。

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結節性多発動脈炎はどんな病気ですか?
〔結節性多発動脈炎とは〕

 結節性多発動脈炎(PN:Polyarteritis Nodosa)は、中小動脈血管に炎症が起こる全身性の慢性炎症性疾患です。

 この血管炎は、中小の動脈血管を特異的に侵す原因不明の病気です。

 中小血管のある部位なら全身のどの臓器でも発症します。

 しかし、この病気は肺での発症はしない特徴があります。

〔結節性多発動脈炎の症状〕

 結節性多発動脈炎には全身症状としての全身倦怠感や体重減少などの他、個別症状として多くの臓器や器官に現れる症状などがあります。

結節性多発動脈炎の症状
全身症状  不定の高熱がみられ、全身倦怠感、体重減少、食欲不振、関節痛、陰嚢痛などもみられます。

腎症状  腎臓血管の障害により高血圧を起こしやすく、病変が進行すると高頻度で、腎不全、尿毒症などになります。尿所見では、蛋白尿、血尿、円柱尿などがみられます。腎病変にもとづく高血圧が高頻度に見られます。

循環器症状  心臓に栄養を供給する血管に炎症が起こる冠動脈血管炎になると、深刻な心筋梗塞を起こします。通常の治療が無効で、突然死を招くことが多くなります。

消化器症状  腸に栄養を供給する血管に炎症が起こる腸間膜動脈血管炎になると、腹痛、吐血、下痢、血便、消化管潰瘍などの症状が起こります。ときに腸閉塞などを起こすことがあります。大量の下血があると生命の危機を招きます。

呼吸器症状  初発症状として喘息様症状が認められ、気管支動脈や肺動脈の血管に炎症が起こるのが主体です。咳嗽、喀痰、胸痛、呼吸困難などの症状がみられます。

中枢神経症状  頻度は少ないが中枢神経の血管に炎症が起こることがあります。脳梗塞や脳出血を起こし、精神症状、痙攣発作、脳神経症状、片麻痺などになることがあります。

末梢神経症状  神経に栄養を供給する血管に炎症が起こると、末梢神経障害を生じます。症状は多発性単神経炎の形で現れ、四肢末梢の知覚異常、激痛、灼熱感、下垂足、下垂手などがみられます。

関節症状  関節痛はしばしばみられるが、変形をきたすことはありません。

筋症状  筋肉に栄養を供給する血管に炎症が起こると、筋肉痛や筋力低下の原因となり、クレアチンキナーゼも上昇します。

皮膚症状  皮膚に栄養を供給する血管に炎症が起こると、樹脂状皮斑や網状皮斑、皮膚潰瘍、紫斑、潰瘍、壊疽、結節性紅斑がみられるようになります。小豆大~クルミ大の皮下結節が下肢に現れ、圧痛があります。

眼症状  まれに眼動脈に血管炎を起こすと、突然失明する恐れのアル黒内障になることがあります。


〔結節性多発動脈炎の診断〕

 結節性多発動脈炎の検査では、血管炎をみるため筋生検、腹部血管造影、および腎生検を行います。

 検査で、白血球増多や好酸球増多、血小板増多、尿蛋白陽性、尿潜血反応陽性がみられます。

〔結節性多発動脈炎の治療〕

 結節性多発動脈炎は、比較的難治性の自己免疫疾患であり、生命の危険にさらされる可能性が大きいので、治療開始と同時に高容量のステロイド投与を行います。

 ステロイド投与で効果が認められないときは、ためらわず免疫抑制剤を投与します。

 同時に、他臓器病変が合併している場合には、それらの治療も行います。腎不全には透析治療を行い、高血圧には血圧降下剤を使用します。

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川崎病はどんな病気ですか?
〔川崎病とは〕

 川崎病は、1961年に小児科医、川崎富作が発見した主に乳幼児が罹る急性熱性発疹性疾患で「小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群(MCLS:MucoCutaneous Lymph-node Syndrome)」と呼ばれることもある病気です。

 川崎地区の公害とは全く関係のない病気です。

 川崎病は、中小血管で発症する病気で、全身性の血管炎を起こします。  発症後1~3週間後に10~20%の頻度で冠動脈の動脈瘤がみられ、大動脈瘤ができると心筋梗塞で突然死することがあまります。

 日本を含むアジア圏に多く、欧米では少ない病気で、発症年齢は4歳以下の乳幼児が8割以上を占めています。

 特に1歳未満の乳幼児に多く発症します。男女比では1.5:1くらいでやや男児に多いです。

〔川崎病の症状〕

 川崎病は、感染性説やスーパー抗原説などがあるが、原因は不明です。

 主要症状には、以下の6つがあり、5項目以上が該当すれば、この病気と診断されます。

川崎病の症状
1 5日以上続く原因不明の発熱(治療により5日未満で解熱した場合も含む)
2 両側眼球結膜の充血
3 四肢末端の変化(赤くなったり堅く腫れる。手足の硬性浮腫、膜様落屑)
4 皮膚の不定型発疹
5 口唇の紅潮、苺舌、口腔咽頭粘膜のび漫性発赤
6 無痛性の非化膿性頸部リンパ節腫脹


〔川崎病の診断〕

 川崎病は、先に示した「川崎病の症状」の表で示した6項目中、5項目以上を満たしていると「川崎病」と診断が決まります。

 しかし、症状が4項目しかない場合でも、冠動脈流が見られるなら「定型の川崎病」と診断されます。

 また、症状が3つ以下でも、冠動脈病変があるものは「不全型の川崎病」と診断されます。

 川崎病の検査は、「血液検査」と「画像検査」などで行われます。

 血液検査では、白血球や血小板の増加、赤沈の亢進、CRP(C反応性たんぱく)が強い陽性で、胆嚢の腫れや血清トランスアミラーゼの上昇がみられるならこの病気の可能性が高まります。

 画像検査では、胸部X線撮影、心電図、心エコーが心臓の合併症を発見するために行われます。

〔川崎病の治療〕

 急性期治療として、免疫グロブリンとアスピリンを併用し、炎症反応の抑制、血栓形成の予防、および冠動脈流の予防を行います。

 この療法後48時間以内に解熱しない場合や2週間以内に再燃する場合は「不応例」とされ、ステロイドのパルス療法などを行うことがあります。

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ウェゲナー肉芽腫症はどんな病気ですか?
〔ウェゲナー肉芽腫症とは〕

 ウェゲナー肉芽腫症は、副鼻腔や咽頭、喉頭などから炎症が始まり、多くの臓器の動脈に血管炎が起こる特徴のある病気です。

 主に、上気道と肺の壊死性肉芽腫や半月体形成腎炎、細動脈の壊死性肉芽腫性血管炎などが起こります。

〔ウェゲナー肉芽腫症の症状〕

 発症初期には、鼻血や鼻汁がでたり、鼻の痛み、鼻の変形(鞍鼻)、蓄膿症などの症状が出ます。

 続いて咽頭潰瘍や嗄声、気道閉塞などの症状がでたり、肺炎による咳嗽、血痰、呼吸困難などの症状がおこります。

 眼にも眼痛や視力低下、眼球突出が現れ、耳にも中耳炎などの症状が出てきます。

 この病気は、発症すると進行が早いので早期発見による治療が重要です。

〔ウェゲナー肉芽腫症の診断〕

 血液検査では、赤沈の亢進、CRPの強い陽性、白血球増加がみられます。

 尿検査では血尿や尿蛋白、BUN・Crの上昇などがみられます。

 病理学的検査として、口腔内など炎症の起こっている組織を採取して顕微鏡で調べます。壊死性肉芽腫の所見が見つかると診断がつきます。

 好中球細胞質抗体(C-ANCA)が高確率で陽性となり、疾患活動性を反映します。

〔ウェゲナー肉芽腫症の治療〕

 組織検査で診断がつけば、肺や腎臓などに病変がなくても、ステロイド剤とシクロホスファミドの併用による治療を行います。

 この療法は非常に有効で多くの場合、寛解状態となります。

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アレルギー性肉芽腫性血管炎はどんな病気ですか?
〔アレルギー性肉芽腫性血管炎とは〕

 アレルギー性気管支喘息やアレルギー性鼻炎などのアレルギー体質があって起こる、主に小動脈~小静脈が侵される血管炎です。

 この病気は、発見者の名前によって〔チャーグ・ストラウス症候群〕や〔チャーグストラウス症候群〕などと呼ばれることがあります。

〔アレルギー性肉芽腫性血管炎の症状〕

 通常、気管支喘息が先行して発症し、主に肺が侵される特徴があります。手足のしびれが起こり、動作がにぶくなります。

〔アレルギー性肉芽腫性血管炎の診断〕

 血液検査により、赤沈の亢進、CRPの強い陽性、白血球増加、γ-グロブリンの増加がみられます。

 更に、アレルギーに関係する末梢血好酸球の増加、血清IgE抗体の増加がみられます。

〔アレルギー性肉芽腫性血管炎の治療〕

 副腎皮質ステロイド薬により症状は改善され寛解状態となりますが、再発しやすいので薬物療法は継続が必要です。

 気管支喘息のコントロールについては、吸入ステロイド薬が用いられます。

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顕微鏡的多発血管炎はどんな病気ですか?
〔顕微鏡的多発血管炎とは〕

 血管炎症候群は、原因不明の発熱や関節痛、体重減少ではじまり、腎機能が急速に低下したり、肺にまで障害がおよぶことがあります。

 皮膚に網目状の発疹がでたり、手足の痺れや運動障害なども発症します。

 毛細血管や細静脈、細動脈などの細い血管に炎症が起こる病気で、50歳以上の高齢者に多く発症し、男女比では、女性が男性の1.8倍多く発症します。

 日本での患者数は3000人弱とされます。 顕微鏡的多発血管炎は、診断後1年以内の死亡率が高い病気です。

〔顕微鏡的多発血管炎の症状〕

 顕微鏡的多発血管炎の主な症状は、腎症候群として、急速進行性糸球体腎炎、間質性肺炎・肺出血が起こり、その他の血管炎症状として紫斑や皮下出血、消化管出血、多発性単神経炎などがあります。

〔顕微鏡的多発血管炎の診断〕

 検査の主体は血液検査で、自己抗体の好中球細胞質抗体(P-ANCA)が陽性となることが特徴です。

 その他、赤血球沈降速度(赤沈)やCRPは強い陽性となり、白血球も増加します。

 尿検査でたんぱく尿や赤血球尿などで腎機能障害が認められのもこの病気の一つの診断要素となります。

 肺には、X線撮影で肺浸潤陰影、間質性肺炎の所見が現れます。

〔顕微鏡的多発血管炎の治療〕

 炎症を抑えるために、多量のステロイド薬によるパルス療法を行い、同時に免疫抑制剤で炎症を抑えます。

 強い炎症が治まっても免疫抑制剤の投与は継続し再発防止を行います。

 状況により、血漿交換療法による好中球細胞質抗体(P-ANCA)の物理的除去を行うこともあります。

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過敏性血管炎はどんな病気ですか?
〔過敏性血管炎とは〕

 過敏性血管炎は、病原微生物(HBウイルス・好酸菌・連鎖球菌感染など)や薬剤、異種血清蛋白、化学物質、金属、食物などの抗原に対して過敏に反応して発症する全身性血管炎で、毛細管性細動脈に炎症が現れやすい病気です。

 この病気の真の発症原因は定かでありませんが、抗原に対するアレルギー反応によって免疫複合体が形成され、これが血管壁に沈着して血管炎を誘起することが発症の直接原因です。

〔過敏性血管炎の症状〕

 過敏性血管炎になると、発熱、全身倦怠感、易疲労感、腎障害、消化器障害、関節痛、筋肉痛などの全身症状があらわれ、下腿や臀部、背面の皮膚などに、紫斑や点状出血、皮膚潰瘍、ジンマシンなどの症状がみられます。

〔過敏性血管炎の診断〕

 過敏性血管炎の検査は、主に血液検査で行われます。好中球と好酸球の軽度な増加などが認められます。

〔Schonlein-Henoch紫斑病の治療〕

 原因と考えられる薬剤や化学物質、食物などがある場合は、それらの摂取や接触を中止します。

 皮膚だけに病変が限定されているなら対症療法を行います。

 症状が全身性で激しい場合には、ステロイドのパルス療法などを行います。

 血尿やたんぱく尿がみとめられる場合は、アスピリンやジピリダモールなどの抗血小板薬やカルバゾクロムなどの血管強化剤の投与を行うことがあります。

 腎不全が認められる場合は、腎不全の治療を行います。

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クリオグロブリン血症はどんな病気ですか?
〔クリオグロブリン血症とは〕

 クリオグロブリン血症とは、低温になるとクリオグロブリンという抗体が血液中に出現し、血管を詰まらせる疾患です。

 クリオグロブリンという物質は、形質細胞でつくられる異常な抗体(たんぱく)で、通常は血液中に溶解しています。

 クリオグロブリンは、正常な体温よりも低い温度になると、大きな集積物を形成して固形の白色沈殿を生じます。  正常体温に戻ると再び溶解します。クリオグロブリンの存在は、血液中に免疫複合体が存在することの証拠となります。

〔クリオグロブリン血症の症状〕

 この病気では、皮膚症状が特徴的で、循環障害からレイノー現象や寒冷ジンマシン、血管性紫斑が現れます。

 また、免疫複合体沈着により、糸球体腎炎、関節痛、末梢神経障害、消化管出血が現れます。

 この病気は、免疫グロブリンの性質によって次のように分類されます。

免疫グロブリンの性質による分類
I型 免疫グロブリンが単クローン性
II型< 免疫グロブリンが混合性クローン性(I型とII型の混合性)
III型< 免疫グロブリンが多クローン性

 また、別の分類として、クリオグロブリン血症の元となる基礎疾患の有無によって、「原発性(本態性)クリオグロブリン血症」と「二次性(続発性)クリオグロブリン血症」とに分類されます。

 基礎疾患としては、血液中にクリオグロブリンが形成されるまれなクリオグロブリン血症になる人の多くには、その原因になる病気があります。マクログロブリン血症、慢性リンパ球性白血病などの癌、全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患、C型肝炎ウイルスによる感染症などがあります。

〔クリオグロブリン血症の診断〕

 クリオグロブリン血症の検査は、血液検査が主体です。採血して血清を分離するまでの間、血液や機器・器具をすべて37度Cに保ちながら行います。

 クリオグロブリンは、赤血球の間に灰青色の不規則集合体として観察されます。

〔クリオグロブリン血症の治療〕

 クリオグロブリン血症では、寒さを避けることが血管炎の発症を予防する効果があります。

 原因となっている基礎疾患を治療すれば、クリオグロブリンの生成を抑制できます。

 この病気の治療法として、血症交換療法が行われることがあります。


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