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〔メタボリック症候群〕

概要病気症状原因診断
治療予後合併症情報書籍
 
この疾患の概要です

 〔メタボリック症候群〕は、〔メタボリックシンドローム〕とか〔代謝症候群〕とも呼ばれる疾患群です。

 内臓脂肪型肥満があり、かつ〔高血圧〕〔高血糖〕〔高脂血症〕のうちの2つ以上を合併した状態をいいます。

 以前には、〔内臓脂肪症候群〕とか、〔死の四重奏〕とか、〔マルチプルリスクファクター症候群〕とか呼ばれてきた病態を統合整理した概念です。



 当サイトの〔生活習慣病〕の中の他のページでも紹介しているように、〔肥満〕〔高血圧〕〔高血糖〕〔高脂血症〕などの病気は、それぞれ単独でも非常にリスクが大きいのですが、これらが複数合併すると、危険度は飛躍的に大きくなり、いつ〔動脈硬化性疾患〕などが発生しても不思議ではありません。

 日本の中高年男性では半数近くの人がこのメタボリック症候群、またはその予備群に該当しているのが現状です。

 平成20年度から、法律により、40歳以上の国保や健康保険組合などの医療保険者には、糖尿病等の生活習慣病に関する健診と保健指導の実施が義務づけられました。


 メタボリックシンドローム該当者または予備群と判定されたものに対して特定保健指導を行うことも義務づけられました。

 健診結果によっては、食生活、運動不足、飲酒、喫煙、など生活習慣そのものの改善が必要となります。

 また、将来的には、結果が不良な健康保険者には財政的なペナルティが課せられるようになります。

 メタボリック症候群に罹らないようにするために、まず自分の体の状態を把握し、もしその徴候があれば早期に対策することが、深刻な生活習慣病にならないようにするための最善の手段です。

 このページでは、メタボリック症候群は何かとか、原因、検査、そして治療についてご説明しています。

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どんな病気ですか?
〔メタボリック症候群という病気〕

 メタボリック症候群は、メタボリックシンドロームとか代謝症候群とも呼ばれるもので、内臓脂肪型肥満があり、かつ高血圧、高血糖、高脂血症のうちの2つ以上を合併した状態をいいます。

 肥満はそれ自体、健康な体とはいえませんが、肥満のある人が高血圧、高血糖、高脂血症などの病気になると、これらの病気はそれぞれ単独でも生命にかかわる重大な病気なので、非常に危険な状態になります。

 この場合、動脈硬化性疾患などを誘発する危険性が極めて大きくなります。

 肥満には、男性がなりやすりリンゴ型肥満(上半身肥満:内臓脂肪蓄積型肥満)と、女性に多い洋ナシ型肥満(下半身型肥満)とがありますが、メタボリックシンドロームに関係があるのは、主に内臓脂肪型肥満の方です。

 このようなリンゴ型肥満がある上に、高血圧、高血糖、高脂血症を併発すると、動脈硬化性疾患を招く危険度が急上昇するのです。

 三大生活習慣病である、高血圧、糖代謝異常、脂質代謝異常と、内臓脂肪蓄積型肥満(リンゴ型肥満)とが、密接に相関して進行することから、内臓脂肪がこれらの三大生活習慣病の主犯と分かり、肥満+高血圧、糖尿病、高脂血症などの中の二つ以上が併発した状態を、メタボリックシンドロームまたはメタボリック症候群と呼ぶようになりました。

 メタボリック症候群の正式な定義は、日本と外国とでは若干異なっています。

 2005年4月8日に日本内科学会総会での基準が暫定基準として発表されましたが、内容は下記の通りです。

 メタボリックシンドロームと判定されるのは、内臓脂肪型肥満+(高血糖、高血圧、高脂血症)内の二つ以上の場合となります。

メタボリック症候群の定義
内臓脂肪型肥満  臍レベル腹部断面での内臓脂肪面積100cm2(平方センチ)以上とする。

 ただし内臓脂肪面積を直接測定することは健康診断や日常臨床の場では容易ではないため、腹囲の測定により代用し、男性85cm以上、女性90cm以上を内臓脂肪型肥満と診断する。

 しかし、できれば腹部CT撮影等により内臓脂肪面積を精密に測定することが好ましい。

高血糖  空腹時血糖110mg/dL 以上。

高血圧  収縮時血圧130mmHg 以上か、拡張期血圧 85mmHg 以上のいずれか、又はいずれも満たすもの。

高脂血症  血清中性脂肪150mg/dL 以上か、血清HDLコレステロール値 40mg/dL 未満のいずれか、又はいずれも満たすもの。

 なお、海外の基準での日本人向け基準では、腹部肥満として、腹囲男性90cm以上、女性80cm以上が肥満の条件となっている。

 その他、高血糖や高血圧、高トリグリセライド血症、低HDLコレステロール血症などが定められているが、複雑になるのでここでは省略します。


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どんな症状ですか?
〔メタボリック症候群の症状〕

 一般にメタボリック症候群に関連する生活習慣病は、初期の段階では病気になっていても自覚症状がほとんどありません。

 この病態を長期間、慢性的に持続させたとき、合併症が酷くなり、突然動脈硬化ならびにそれが引き金になっての、重大な事態が発生します。

 動脈硬化には、アテローム性粥状動脈硬化、細動脈硬化、中膜硬化などがありますが、通常、動脈硬化といえば、アテローム性動脈硬化を指しています。

 アテローム性動脈硬化症は、高脂血症や糖尿病、高血圧、喫煙などの危険因子により発生し、この状態になると、酸素や栄養分が人体の各組織に届かなくなり、脳梗塞や心筋梗塞などの原因となります。

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原因は何ですか?
〔メタボリック症候群の原因〕

 肥満、高血糖、高血圧、抗脂血症などはどれも単独でも動脈硬化を引き起こす原因となります。

 これらが複数合併すると更に動脈硬化症およびそれに誘引される脳梗塞、狭心症、脳溢血、心筋梗塞などが発症する危険度が増します。

 これらの病気の基本原因は、生活習慣に起因することがほとんどです。

 脂質などの摂りすぎ、運動不足、喫煙などの不適切な生活習慣が原因といえます。

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診断はどうやりますか?
〔メタボリック症候群の診断〕

 現在、一般的に行われているメタボリック症候群の診断方法は次の通りとなります。

メタボリック症候群の診断方法
腹囲(ウエスト周り) 男性:85cm以上
女性:90cm以上

上記に加えて、以下の内の2項目以上
高血糖 〔空腹時血糖値〕
 110 mg/dL 以上

高血圧 〔収縮期血圧(上)〕
 1630mmHg以上

 かつ、または

〔拡張期血圧(下)〕
 85mmHg以上

高脂血症 〔中性脂肪値〕
 150mg/dL以上

 かつ、または

〔HDLコレステロール値〕
 40mg/dL未満(男女とも)


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治療はどうやりますか?
〔メタボリック症候群の治療方針〕

 メタボリック症候群の場合、動脈硬化症の発生や進展の防止というのが治療の主な目標となります。

 悪玉コレステロールの血中濃度が高い場合、糖尿病患者、高血圧患者、喫煙者は動脈硬化が進行しやすいことが分かっています。

 動脈硬化を防ぐには、このような危険因子を改善することが重要で、食生活の改善、運動、禁煙などが不可欠です。

 脂肪蓄積の進行防止、解消を目指して食事療法を行い摂取カロリーの適正化が必要です。

 また、脂肪燃焼を促すために運動療法も基本となります。禁煙努力も並行して必要となります。

 検診や脳ドックなどで進展した動脈硬化が見つかったり、狭心症、心筋梗塞、脳卒中などの動脈硬化性疾患が発症した場合には、降圧薬や抗血小板剤による薬物療法が用いられます。

 更に重症の場合には、冠動脈バイパスなどの外科的治療法も行われます。

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