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〔心臓・血管の病気〕

解離性大動脈瘤


概要病気症状原因診断
治療予後合併症情報書籍
 
この疾患の概要です

 体の中で最も太い血管、大動脈は内膜、中膜、外膜という3つの層からできています。

 これらが何らかの原因で内膜が破れ、中膜との間に血液が流れ込みコブになってしまった状態が〔解離性大動脈瘤〕です。



 大動脈の壁にこのようなコブである大動脈瘤ができる原因には、この他にも真性、仮性という種類があります。

 〔解離性大動脈瘤〕ができると、胸部や背中に引き裂かれるような急激な痛みが走ります。

 大動脈瘤が破裂すれば、直ちに生命の危機に晒されます。

 解離性大動脈瘤は、40歳代から中高年の男性に多く発症し、男性の方が女性より2倍多く発症します。


 突然の激痛で発症し、放置すれば死亡する確率は非常に高くなります。

 統計的なデータでは、放置した場合の死亡確率は次のようになっています。

解離性大動脈瘤が破裂後に放置時の死亡確率
24時間以内の死亡確率 25%

1週間以内の死亡確率 50%

1か月以内の死亡確率 75%

1年以内の死亡確率 90%


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どんな病気ですか?
〔解離性大動脈瘤という病気〕

 大動脈の壁は、内膜、中膜、外膜という三層に分かれています。

 この三層の膜のうちで最も内側にある内膜が何らかの原因で損傷して、内膜自身が内側と外側に裂けてしまい、そこに強い圧力で血液が流れ込みコブを作ってしまったのが解離性大動脈瘤です。

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どんな症状ですか?
〔解離性大動脈瘤の症状〕

 解離性大動脈瘤ができると、引き裂かれるような強烈な痛みが胸部や背中に走ります。

 解離がさらに拡大したり解離部分が移動すると、痛みは腹部、腰部、頚部などに移動します。

 解離性大動脈瘤は、発生した時点からの経過時間によって、急性、亜急性、慢性の三つに分類されます。

 また、解離が発生した場所によってもA型解離、B型解離と分類されています。

解離性大動脈瘤破裂の経過時間による分類
〔急性解離性大動脈瘤〕

 発症から2週間以内

〔亜急性解離性大動脈瘤〕

 発症から2週間~1か月以内

〔慢性解離性大動脈瘤〕

 発症から1か月以上


解離性動脈瘤の解離発生場所による分類
〔A型解離〕

 上行大動脈に解離が発症した場合

〔B型解離〕

 下行大動脈に解離が発症した場合


 急性のA型解離が発生すると、大動脈閉鎖心不全や心タンポナーデと呼ばれる心不全を誘発する可能性があります。

 また、急性のB型解離が発生すると、胸腔内出血や縦隔出血と呼ばれる症状を起こすことがあります。

 更に、発生したコブが周囲の動脈血管を圧迫して血流を妨げれば、心筋梗塞や手足の痺れ、失神などを引き起こします。胸部や背中の急激な痛みがあれば生命にかかわる危険が極めて大となります。

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原因は何ですか?
〔解離性大動脈瘤の原因〕

 解離性大動脈瘤の発生原因はほとんどが動脈硬化です。特に急激に血圧が上昇した場合には発生しやすくなります。

 先天的に血管の壁が弱い体質の方もおりますが、高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙習慣などの生活習慣病の影響が大きいことを見逃すことはできません。

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診断はどうやりますか?
〔解離性大動脈瘤の診断〕

 この病気は解離する場所などによっていくつかの病型に分かれ、治療方針なども異なるために、正確な病型診断として、レントゲン、エコー、CT、MRI、血管造影法などで検査します。

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治療はどうやりますか?
〔解離性大動脈瘤の治療方針〕

 A型解離(上行大動脈解離)の場合で、心タンポナーデと呼ばれる症状があり、大動脈弁閉鎖不全による心不全症状が認められる場合は、緊急手術が必要です。

 心臓を包む厚さ数ミリの心膜は壁側心膜と臓側心膜の2枚からなり、その間に心膜液が存在して、心臓の大きさやしなやかさを調整しています。

 心膜液が過剰になってバランスが崩れた状態が心タンポナーデと呼ばれています。

 一方、B型解離(下行大動脈解離)の場合は、まず内科的治療として安静、降圧療法、徐痛の処置がとられます。

 しかし、破裂があったり、腸管や肝臓、腎臓などへの血流が途絶えたりした場合には手術が行われます。

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