心臓自体に血液を供給する冠動脈が狭くなったり、詰まったりして、十分な血液が流れなくなり、心筋が必要とする酸素や栄養分が供給されなくなった状態が狭心症です。
狭心症では、発作的に胸が締め付けられるような症状が現れます。狭心症の主原因は冠動脈の動脈硬化です。
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心筋梗塞は狭心症が更に悪化し、心筋に酸素や栄養分を送り込む血液の流れが完全に止まってしまった状態です。
酸素や栄養が供給されないので細胞が壊死します。非常に強い発作的痛みを伴います。原因は冠動脈の著しい動脈硬化や血液の塊の詰まり(血栓)によります。
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心臓は収縮と拡張を繰り返して身体の各部分へ血液を送っています。収縮期に最高血圧を示し、拡張期に最低血圧となります。
最高血圧が140mmHg 以上、または最低血圧が85mmHg 以上のとき、高血圧といいます。
長期間の高血圧は動脈硬化を招き、脳出血や脳梗塞など生命にかかわる重大な病気を誘引します。高血圧の原因は、遺伝体質などのほか、悪い生活習慣などによります。
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心臓は一定のリズムを刻みながら身体の隅々まで血液を送り届けていますが、この心臓のポンプ機能がうまく働かなくなった状態が心不全です。
いろいろな臓器への血液量が不足するために、臓器ではうっ血が起こり、現象としては疲れやすくなり、息苦しくなったり呼吸困難になったりします。
心不全は心筋梗塞や狭心症、心臓弁膜症などの心臓病に過労やストレスなどが加わり起こります。
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心臓は一定のリズムで収縮と拡張を繰り返し毎分60~90回くらいの脈を打ちながら血液を送り出しています。
何らかの原因でこのリズムが不安定になった状態が不整脈です。
一時的に脈が止まったりすることもあり、症状としては失神、めまい、動悸、呼吸困難などが現れます。
脈が止まったり急に速くなるなどの不整脈の原因は、狭心症、心筋梗塞などのほか、アルコールの大量摂取や過労などです。
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肺に血液の塊(血栓)が詰まってしまった状態が肺塞栓症です。
自覚症状が全くない初期の段階を過ぎると、症状として激しい胸痛や呼吸困難、血痰、咳、不安、発汗、顔色不良などが起こり、生命が危険な状態に晒されます。
この原因の大部分は、下肢の血管の深い部分で発生した血液の塊が肺に移動して詰まらせるものです。エコノミー症候群がこの典型例です。
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体の中で最も太い血管、大動脈は内膜、中膜、外膜という3つの層からできているのですが、何らかの原因で内膜が破れ、中膜との間に血液が流れ込みコブになってしまった状態が、解離性大動脈瘤です。
大動脈の壁にこのようなコブである大動脈瘤ができる原因には、この他にも真性、仮性という種類があります。
解離性大動脈瘤ができると、胸部や背中に引き裂かれるような急激な痛みが走ります。大動脈瘤が破裂すれば直ちに生命にかかわります。
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上の血圧(収縮期血圧)が100以下の場合を低血圧といいます。
低血圧の中で、他の病気が原因となって低血圧となったものは症候性低血圧と呼ばれます。一方、原因がはっきりしない低血圧を本態性低血圧といいます。
低血圧になると、めまい、失神、頭痛、全身の倦怠感、動悸、頻脈、賓脈、吐き気、腹部不快感、食欲不振、不眠、不安、緊張など様々な症状が現れます。
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閉塞性動脈硬化症は、手足、特に足の動脈が、動脈硬化によって狭まり血流が悪化するために生じる病気です。
手足が冷えたり、歩行中に足が痺れたり、足が蒼白になったりし、足が痛んで歩けなくなることもあります。
基本的に動脈硬化症が原因なので、動脈硬化によって起こるさまざまな病気と合併することが多くなります。
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下肢の体表面近くの静脈が拡張し、不規則に曲がりくねり蛇行しながらコブのようになった状態が下肢静脈瘤です。
長時間、立っていたり、歩いたりした後に足のだるさ、焼けるような不快感、痛み、むくみなどが現れます。
こむら返しが頻繁に起こるようになります。長時間の立ち仕事など重力の関係で足に血液がたまり易く静脈の壁に圧力がかかり、血管の弱いところが膨らんでおこります。
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