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〔消化器の病気〕

胆嚢ポリープ


概要病気症状原因診断
治療予後合併症情報書籍
 

この疾患の概要です

 胆嚢内の粘膜にできる小さな膨らみを〔胆嚢ポリープ〕と呼びます。

 胆嚢ポリープは、ほとんどの場合に自覚症状が現れることがなく、多くの場合、健康診断時などの超音波検査で偶然に発見されます。

 〔胆嚢ポリープ〕において大切なことは、その形状だけでなく、画像上の色合いや大きさです。



 キラキラ光るポリープの場合は、コレステロールポリープと呼ばれ、ポリープは非腫瘍性ポリープです。これはコレステロールの塊のようなものが胆嚢にくっついた状態です。

 多くの場合は、このポリープです。このポリープは、良性であり放置してもがんに進行することはありません。

 しかし、大きさが大きいものになると、〔胆嚢がん〕である確率が急激に高くなります。


 ポリープの直径が166mm以上のものになると、腫瘍性ポリープであることが多く、手術などで除去する必要がでてきます。

 〔胆嚢ポリープ〕が〔胆嚢がん〕になる確率は、サイズが大きくなると急激に高くなります。

 ポリープの大きさが、0~10ミリでは5%、10~15ミリで25%、16ミリ以上では60%に達するといわれます。

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どんな病気ですか?
〔胆嚢ポリープという病気〕

 胆嚢ポリープは、胆嚢内側の粘膜細胞が増殖して局部的に盛り上がり、きのこ状やこぶ状になる「隆起性病変」のひとつです。

 自覚症状はなく、人間ドックや健康診断での腹部超音波検査で発見されることが多く、成人では5~10%の人がこのポリープを持っているといわれる比較的身近な疾患です。

 発症年齢は40~50歳代に多くなっていますが、発症率の男女差はありません。

 胆嚢ポリープには、大きな分類として非腫瘍性ポリープと腫瘍性ポリープとがあります。

 非腫瘍性ポリープには「過形成性ポリープ」「炎症性ポリープ」および「コレステロールポリープ」と呼ばれる三つの種類があります。

 通常、単に胆嚢ポリープと言うときは非腫瘍性ポリープを指しています。

 腫瘍性ポリープには、「胆嚢腺腫」と呼ばれる良性ポリープと、悪性腫瘍である「胆嚢がん」とがあります。

 ほとんどの胆嚢ポリープは、非腫瘍性の中のひとつである「コレステロールポリープ」であり、成分がコレステロールに富んだ良性のポリープです。

 しかし、中には胆嚢の上皮にできる良性の腫瘍である「胆嚢腺腫」や悪性腫瘍である「胆嚢がん」である場合もゼロではありません。

 特に、その直径が166mm以上の大きさになるとその危険度は増大します。

 胆嚢ポリープが胆嚢がんになる確率は、ポリープのサイズで異なり、0~10ミリでは5%、10~15ミリで25%、16ミリ以上では60%に達するといわれ、大きなものでは、手術による除去が必要となります。

〔胆嚢ポリープの種類〕

 先の述べたように、通常の胆嚢ポリープには「過形成性ポリープ」「炎症性ポリープ」および「コレステロールポリープ」と呼ばれる3種類があります。

 いずれのポリープも、胆嚢の内側の粘膜細胞がキノコ状やコブ状に盛り上がる隆起性病変である点は同様です。

 更に、腫瘍である胆嚢ポリープとして「胆嚢腺腫」および「胆嚢がん」とがあります。

胆嚢ポリープの種類
〔過形成性ポリープ〕

 過形成性ポリープは、胆嚢の上皮細胞が必要以上に増殖した状態のポリープです。過形成性ポリープは、形態的には胆嚢がんとの鑑別は困難であるとされます。

〔炎症性ポリープ〕

 炎症性ポリープは、胆嚢炎を繰り返したために、組織自体が隆起した状態のポリープです。炎症性ポリープは、胆嚢炎に続発するポリープの総称です。

〔コレステロールポリープ〕

 コレステロールポリープは、胆汁の成分であるコレステロールが、胆嚢の内壁に沈着してしまって盛り上がる状態のポリープです。胆嚢ポリープの中で、最も多く発症する隆起性病変です。

〔胆嚢腺腫〕

 

〔胆嚢がん〕

 


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どんな症状ですか?
〔胆嚢ポリープの症状〕

 胆嚢ポリープは、多くの場合、自覚症状がありません。また、胆嚢にポリープができても、胆嚢の機能に特別な影響がでることもありません。

 胆嚢ポリープがあっても、通常は、無症状ですが、ポリープの大きさなどによっては、腹痛や腹部不快感などが現れることはあります。

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原因は何ですか?
〔胆嚢ポリープの原因〕

 通常の胆嚢ポリープには、過形成性ポリープ・炎症性ポリープ・コレステロールポリープの3つがあり、基本的にこれらは非腫瘍性の良性のポリープです。

 更に、広義の意味での胆嚢ポリープには、腫瘍のひとつである胆嚢腺腫とよばれる良性ポリープと、悪性ポリープである胆嚢がんとがあります。

 腫瘍性ポリープは、粘膜の細胞が増殖してできます。これには、良性である胆嚢腺腫と悪性腫瘍である胆嚢がんとがありますが、これらができる詳しい原因は分かっていません。

 非腫瘍性のコレステロールポリープは、胆汁中のコレステロールエステルが胆嚢の粘膜に沈着してできますが、これはがんになることはありません。

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診断はどうやりますか?
〔胆嚢ポリープの診断〕

 胆嚢ポリープの検査は、腹部超音波検査で行います。一般に、良性ポリープか悪性ポリープであるかの識別は、ポリープの大きさや形態、胆嚢壁の状態から判断されます。

 ポリープが小さい場合は良性のコレステロール系ポリープの可能性が大きく問題とはなりません。

 しかし、ポリープの大きさが610mm以上あり、個数が多いとか、茎が広く盛り上がりの少ないような形なら、悪性ポリープの疑いも出てきます。

 更に、詳細に観察が必要となる場合は、「超音波内視鏡検査(EUS)」や造影剤を使った「CT検査」などが行われます。

 この場合、胆嚢粘膜からの盛り上がりの少ないポリープが早期胆嚢がんでないと判定するのは容易ではないといわれます。

 超音波映像の結果で、良性腫瘍や悪性のがんである可能性が疑われる場合は「超音波内視鏡検査」や「MRCP」などを行います。MRCP(Magnetic Resonance Cholangio Pancreatography)は、MRI装置で胆のう・胆管・膵管の画像を同時に描き出す手法で、造影剤やカテーテルを使用しない非侵襲的検査方法です。

 初期の検査の結果で、コレステロール系ポリープと診断された場合は、6~11か月後に再度腹部超音波検査を行って、ポリープの状態が進行していないかどうかを確認します。

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治療はどうやりますか?
〔胆嚢ポリープの治療〕

 胆嚢ポリープのサイズが610mm以下くらいで小さい場合は、6~11か月毎に超音波検査を行って経過を観察します。

 610mmを超える大きさで、EUS(超音波内視鏡検査)などで良性と診断された場合は、定期的な経過観察を行います。

 一方、悪性の疑いが排除できない場合には、胆嚢摘出術を行うのが一つの選択肢となります。610mmを超える胆嚢ポリープの25%にがんが認められるとの説もあります。

 通常、胆嚢がんは、無症状のまま進行し、自覚症状が出るようになった段階では、既に治療困難な状況であることが多いとされますので、胆嚢ポリープの存在が検出された以降の経過観察は重要です。

 特に10ミリを超えるものや、寸法が徐々に肥大していくポリープは注意が必要です。

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予後はどうですか?
〔胆嚢ポリープの予後〕

 コレステロールポリープであれば、放置して問題はありません。コレステロールポリープの特徴は、サイズが小さいこと、個数が多いこと、そして超音波画像が白いことです。

 直径10ミリ以上のポリープでは、胆嚢摘出術が適応ですが、この場合の5年生存率は90%前後です。

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合併症はありますか?
〔胆嚢ポリープの合併症〕

 胆嚢ポリープが10ミリ以上あり、胆嚢がんに進行している場合、約70%で胆石を合併しているとされます。

 60歳以上の胆石患者では、4~6%の患者が胆嚢がんを合併しているとされます。


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