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〔腎臓・泌尿器の病気〕

尿失禁

(腹圧性尿失禁)


〔尿失禁〕

腹圧性尿失禁
溢流性尿失禁
切迫性尿失禁
反射性尿失禁
機能性尿失禁
夜尿症

〔腹圧性尿失禁〕


概要病気症状原因診断
治療予後合併症情報書籍
 

この疾患の概要です

 〔尿失禁〕とは、簡単にいえば、自分の意思に反して、尿が漏れ出してしまう症状のことです。

 幼児などでの夜尿症などもその一つです。

 しかし、尿失禁というときは、主に成人してから、何らかの身体的・精神的状態の病気や異常などが原因で、このような尿漏れが起こる状態を指しています。



 急性尿失禁の中には6つほどの種類があります。ご覧になっているこのページでは、これらの中で、〔腹圧性尿失禁〕の部分だけをご説明しています。

 腹圧性尿失禁は、若い女性~中年の女性に多い尿失禁です。腹圧性尿失禁の症状は、次のようなちょっとした瞬間に現れます。

・咳やくしゃみ、スポーツなどで腹圧がかかったとき。
・重いものを持ち上げようとして力んだ瞬間。


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どんな病気ですか?
〔尿失禁という病気〕

 自分の意思とは関係なく、尿が漏れてしまうのを尿失禁といいます。

 くしゃみした拍子に漏れてしまうもの、トイレが間に合わずに漏れてしまうもの、何らかの病気で膀胱に尿がたまり、これが一気に溢れ出るものなどがあります。

 尿失禁には、身体状態や精神状態など多くの原因により起こります。原因に即した適切な治療を受ければ治癒あるいは改善が期待できる病気です。

〔腹圧性尿失禁はどんな病気?〕

 腹圧性尿失禁は、日常生活の中で、くしゃみしたり咳、大笑い、重量物を持ち上げたとき、階段の急な駆け下りなどで、尿道の抵抗よりもお腹の中の圧力が高まってしまって尿がもれてしまう尿失禁です。

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どんな症状ですか?
〔腹圧性尿失禁の症状〕

 既に尿失禁のページ内の「尿失禁の種類」の項でご説明していますが、尿失禁とは、自分の意思とは関係なく、尿が漏れてしまう状態または病気です。

 症状は不随意に尿が漏れ出すという状態でも、それを引き起こす原因や症状にはいろいろなものがあります。

 腹圧性尿失禁は、若い女性~中年の女性に多い尿失禁です。腹圧性尿失禁の症状は次のようなときに現れます。

・咳やくしゃみ、スポーツなどで腹圧がかかると尿が漏れる。
・重いものを持ち上げようとして力んだ瞬間に尿が漏れる。

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原因は何ですか?
〔腹圧性尿失禁の原因〕

 腹圧性尿失禁は女性に多く起こるのですが、その原因は女性の身体構造が関係しています。原因には「骨盤底筋群の緩み」「尿道括約筋が弱い」および「子宮・卵巣の異常による圧迫」などがあります。

 男性でも腹圧性尿失禁は起こりますが、この場合は、前立腺手術などで、尿道上部や膀胱頚部が傷ついたことなどが原因となります。

 また、男女共に、肥満はより多くの内臓の加重を膀胱に加えるため、尿失禁の原因となることがあります。

腹圧性尿失禁の原因
〔骨盤底筋群の緩み〕

 女性の多くは加齢や肥満、妊娠などにより骨盤底筋が緩み、支えられていた膀胱や尿道がお尻の方へ下降します。

 このため、くしゃみなどでちょっとした腹圧が加わった瞬間に尿道の締りが悪くなり、尿が漏れ出します。

 妊娠中の女性では、退治の重みで同様な状態となり腹圧性尿失禁は顕著になります。しかし、お産が済めば自然に正常な状態にもどります。

〔尿道括約筋が弱い〕

 女性の出産や骨盤の手術などが原因で尿道の括約筋が弱くなることで尿失禁が起こります。

 尿道括約筋が弱くなり膀胱や尿道の「締り」が悪くなっている状態です。

 もともと、女性では、男性の尿道長が20cm程度あるのに対して、女性では4cm程度と短いことや、尿道をしめる前立腺がないため、括約筋が弱いのです。

〔子宮・卵巣の異常による圧迫〕

 女性の出産や骨盤の手術など以外でも、尿道や子宮・卵巣の位置異常などがあると、尿道括約筋が弱くなり、膀胱が圧迫されて尿失禁が起こります。


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診断はどうやりますか?
〔尿失禁の診断〕

 尿失禁の診断は、一般的に次のような手順で行われます。

・問診
・採尿検査
・腹部超音波検査
・ウロダイナミクス検査

尿失禁の検査
〔問診〕

 問診で、現在の日常生活や排尿状況、失禁の起こる状態を確認します。問題の原因を見極め、今後の治療方針を定めるために役立てます。

〔採尿検査〕

 尿を採取し、尿の各成分の成分分析、血球や細菌の有無などを調べて、泌尿器系の病気などを診断します。

 尿失禁の詳細を把握するために、最低3日間の尿失禁状態の記録をとります。排尿回数、時刻、尿失禁の有無、失禁時の漏れ量などを記録します。これにより、尿失禁の型が判定できるようになります。

〔腹部超音波検査〕

 腹部超音波検査で、肺女御の膀胱内の残尿量を調べます。残尿量が多い場合には、「溢流性尿失禁」の可能性が高まります。また、前立腺障害や腎臓障害などの異常の有無などの判定にも役立ちます。

〔ウロダイナミクス検査〕

 ウロダイナミクス検査は、次に示すような多くの検査があります。

・尿流量測定
・膀胱内圧力測定
・リークポイント・プレッシャー測定
・尿道括約筋・筋電図測定
・プレッシャーフロー・スタディ

ウロダイナミクス検査
〔尿流量測定〕

 尿の出はじめから終わりまでの量変化の測定で、グラフから排尿障害の有無を調べます。

〔膀胱内圧力測定〕

 尿道から膀胱へ測定機器を挿入し、生理食塩水を注入します。

 膀胱内の溜まりから排尿にいたるまでの膀胱内圧を測定し収縮パターンを解析します。

 内圧や収縮力から、どの型の尿失禁か判定します。

〔リークポイント・プレッシャー測定〕

 膀胱に水を満たした状態で腹圧をかけ、尿が漏れ出す瞬間の尿道や括約筋の働きを調べ、腹圧性尿失禁かどうかを判定します。

〔尿道括約筋・筋電図測定〕

 尿の溜まりはじめから排尿までの、尿道括約筋の筋電図をとり、尿道括約筋の収縮不全が原因の腹圧性尿失禁かどうかを判定します。

〔プレッシャーフロー・スタディ〕

 尿流量測定と膀胱内圧測定を同時に行い、排尿障害の原因を突き止めます。



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治療はどうやりますか?
〔尿失禁の治療方針〕

 尿失禁の治療法は、尿失禁の発症原因により異なります。

 通常、行われる治療法には次の四つがあります。

・骨盤底筋体操
・薬物療法
・電気刺激療法
・外科的療法

 尿失禁の型に応じて、これらの治療法を単独あるいは併用して治療を行うことになります。

〔骨盤底筋体操〕

 「腹圧性尿失禁」の治療で絶大な効果があるのは、「骨盤底筋体操」と呼ばれる方法です。この体操を始めると、大部分の人に、1~3か月くらいで目に見える効果がでてきます。

 肛門と膣の「締める」→「緩める」→「締める」というパターンを繰り返します。

 これを行う動作は、椅子に座って、机に手をついて、仰向けにねて、立ち上がっている状態でなど自由ですが、5秒間「締め」たら、次に5~10秒間「緩め」、これを最低でも10回くらい繰り返します。

 苦しいですが、20回くらい頑張れるなら最高です。

〔薬物療法〕

 腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁の治療に使われる医薬には、「抗コリン剤」「βアドレナリン受容体刺激薬」および「αアドレナリン受容体刺激薬」などがあります。

 薬物療法は、尿失禁に適した医薬を正しく使用しないと、逆に症状が悪化したり、思わぬ副作用がでることがあります。

 ですので、医師の指示に厳密に従わなくてはなりません。

〔電気刺激療法〕

 膀胱のある部分の骨盤表面に電極を貼り付け、電圧と周波数と時間を調整しながら一定のパルスはを送り、これを一回の処方で20~30分くらい続けます。

 これにより、骨盤底筋群を鍛える効果が生まれます。

 この療法は、切迫性尿失禁や腹圧性尿失禁の治療に効果があります。また、この刺激により膀胱が過敏に収縮するのが抑制できるとの報告もあります。

〔外科的療法〕

 腹圧性尿失禁に対して、外科的な手術を行う療法です。

 例えば、開腹して膀胱と尿道の部分を恥骨の裏側に縫い付けて、後ろに落ちないように固定するなどの手術です。

 このような外科的療法として次の四つの方法があります。

・MMK法
・膀胱頚部つりあげ術
・スリング法
・コラーゲン注入法

 また、切迫性尿失禁の外科的療法として「膀胱拡大術」があります。膀胱自体を大きく作り直す外科手術ですが、治療効果が確実かどうか疑問も残ります。

 外科的療法では、深刻な合併症が起こるとの情報もあるので、安易には行わない方がよいでしょう。


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