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〔全身性強皮症〕 |
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〔全身性強皮症(SSC)〕は、〔全身性硬化症〕とか〔全身性進行性硬化症〕とも呼ばれる膠原病のひとつで、特徴的な症状として皮膚が次第に硬化していく病気です。 |
〔全身性強皮症〕は、古典的な五大膠原病のひとつで、厚生省の「特定疾患」に記載されています。 この疾患の発症原因はいろいろ推定されてはいますが、よく分かっていません。 〔全身性強皮症〕の発症原因は明らかでないものの、症状としては皮膚の繊維の増加が原因で、長時間を掛けて皮膚が硬くこわばったり、萎縮することから、膠原繊維の代謝異常などが疑われています。 同時に、血管障害や免疫異常、環境因子が発病に関与していると考えられています。 |
〔全身性強皮症〕の症状は、皮膚の硬化にとどまらず、手の指の冷感、息切れ、関節痛、体重減少などがあるほか、肺や心臓、腎臓、食道、小腸、大腸などの内臓にも硬くなる病変がおよびます。 |
〔全身性強皮症という病気〕
全身性強皮症(SSC:Systemic scleroderma)は、膠原病のひとつで、皮膚が次第に硬化していく病気です。 硬化が起こるのは、身体表面の皮膚だけでなく、腸や心臓、肺、腎臓などの内臓表面でも起こります。 この病気は、全身性硬化症や全身性進行性硬化症とも呼ばれています。 |
全身性強皮症は長い年月を掛けて、主に皮膚に症状が現れてくる膠原病の病気ですが、先ず、皮膚などへの症状の現れ方は次のような四段階を経て最終的な強皮・硬化状態へとなっていきます。
全身性強皮症の症状は皮膚ばかりでなく、多くの内臓にも現れます。 |
全身性強皮症は、他の膠原病と同様に、免疫機構が自己抗体を作り出し、自分自身の細胞や組織に対して、攻撃してしまう病気です。 しかし、どうして自己抗体ができるのか、その原因は分かっていません。 真の原因は分からないながら、自己抗体産生の他に、繊維化細胞の活性化や血管障害が影響していることがわかっています。 また、この病気の場合にも環境因子が関係していることは確かなようです。 |
全身性強皮症の検査では、主に皮膚生検と血液検査、および内臓の機能障害を調べる検査が行われます。 また、診断方法には、アメリカリウマチ学会が作成した診断基準が極めて有用で信頼すべきものとして使用されます。 下記の表で示すこの基準では、2項目の中で項目1を満たし、項目2の中の二つ以上を満たすと、全身性強皮症と診断されます。
皮膚生検は、前腕の外側の皮膚を採取し顕微鏡で調べます。 |
全身性強皮症には、現在のところ病状を完全に治療できる薬はありません。 従って、症状の改善に有効と思われる治療薬により対症療法を行い、同時に内臓の繊維化を防止する薬剤を使用することが治療の目標となります。 以下に全身性強皮症の治療の概要を記しますが、主な治療法は、発症部位や症状に対応した医薬療法となります。 皮膚が強皮化することで指先などに生じる障害を防止・緩和するために、温熱療法や運動療法も効果があります。 また、日常生活では、皮膚を傷つけたりしないように注意したり、寒気に触れないように注意を払うことが重要です。 |
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発症部位や症状に応じて、次のような治療が行われます。
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