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〔シェーグレン症候群〕 |
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〔シェーグレン症候群(SS)〕は、目の乾燥(ドライアイ)や口の渇きなどを特徴とする自己免疫性の膠原病のひとつですが、この病気の原因は不明です。 |
〔シェーグレン症候群〕の症状は、涙腺から十分な涙が出なかったり、口の中から十分な唾液が分泌されないなどが直接原因となり起こります。 粘膜が乾燥することで、唇にひび割れが入るなどの症状も起こります。 口の中の症状はドライマウスといわれ、唾液の分泌が少なく、ビスケットなどが食べにくくなったりします。 |
〔シェーグレン症候群〕は、40~60歳代の人に多く発症します。 |
シェーグレン症候群(SS:Sjogren's Syndrome)には、次のように呼ばれる二つの種類があります。
・一次性シェーグレン症候群
一次性シェーグレン症候群は、粘膜の乾燥状態だけで特別な免疫異常を引き起こす病気がない種類のもので、これは「乾燥症候群」とか「原発性シェーグレン症候群」などとも呼ばれます。
・関節リウマチ
シェーグレン症候群の患者の半数近くがこの二次性シェーグレン症候群に該当しています。 |
シェーグレン症候群の症状としては「眼に現れる症状」「口に現れる症状」「呼吸器に現れる症状」および「その他の症状」があり、要約すると表のようになります。
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シェーグレン症候群の発症原因は他の膠原病と同様に不明ですが、多くの患者の血液検査で細胞核内のたんぱく質と反応する抗核抗体(リウマトイド抗体や抗SS-B抗体)が見られることから、免疫異常が関わっていると考えられています。 他の膠原病を伴う二次性のシェーグレン症候群の患者では、他の膠原病の治療が進むとシェーグレン症候群の症状も改善されることがあります。 |
シェーグレン症候群の検査では、主に血液検査と眼科的検査、唾液腺検査が行われます。 また、診断方法では、厚生労働省(1999年改定基準)による診断基準が有用で信頼すべきものとして使用されます。 下記の表で示すこの基準では、4項目中2項目以上が該当すれば、シェーグレン症候群と診断されます。
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シェーグレン症候群の真の原因が解明されていないので、この疾患を完全に治癒させる治療法はありません。 現在でのシェーグレン症候群の治療の目標は、「眼や口の乾燥症状の緩和」および「唾液や涙液の分泌量促進」の二点となります。 基本的には、これらの症状に対する対症療法的なものとなります。 しかし、間質性肺炎などの障害を伴う場合には、ステロイド薬を用いることもあります。 ステロイド薬には危険な副作用が起こる可能性があるので、炎症を抑えることのできる必要最小限を使用することになります。
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