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〔硬直性脊椎炎〕 |
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〔強直性脊椎炎(AS)〕は、〔マリーストリュンペル病〕とも呼ばれる病気で、腰部や臀部、股関節、脊椎などに炎症を起こし、こわばり感と疼痛が徐々に強くなる病気です。 |
症状の多くは、背部痛ですが、痛みの程度は人により異なります。 疼痛は朝晩に悪化することがあります。 この病気は20~40歳代で多く発病し、女性に比べて男性が3倍ほど多くみられます。 |
親族に〔強直性脊椎炎〕のある人は、そうでない人の10~20倍多く発症するとされます。 |
硬直性脊椎炎(AS:Ankylosing Spondylitis)は、脊椎が硬直して固まってしまう全身性リウマチ性の病気で、マリーストリュンペル病とも呼ばれます。 この病気には、全身症状と脊椎症状、関節症状とが現われます。 |
全身症状は、体重減少や倦怠感、発熱、貧血などの初期症状ではじまり、活動期には、血液検査で赤沈の亢進やCRP値の上昇、炎症反応がみられます。 脊椎症状は、腰部や臀部に放散する痛みではじまり、坐骨神経痛様の症状が現れます。 症状が進行すると、脊椎全体の運動が制限され、前かがみなどが困難となります。 関節症状は、股、膝、肩の関節など身体の躯体に近い部位の関節が侵され、疼痛や運動が困難になる症状が現れてきます。 最終的に関節は硬直するようになります。 |
この病気の真の原因は不明です。しかし、特定の遺伝子を有する人に発症するなどから、遺伝的要素が関係している可能性が指摘されています。 また、何らかの細菌感染も原因になっている可能性があります。 |
活動期の硬直性脊椎炎患者は、血液検査で赤沈の亢進や九世紀の反応物であるCRP(C反応性たんぱく)の増加、血清Ig値がやや上昇します。 IgMリウマトイド因子と抗核抗体は陰性を示します。確定診断は、エックス線撮影で行われます。 |
硬直性脊椎炎は、発症原因が不明なため、現時点では根治療法がありません。 従って、治療の目標は「発症の予防」「症状進行の遅延」「変形の矯正」および「リハビリテーション(運動療法)」などとなります。 |
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予防や遅延においては、消炎鎮痛剤や抗リウマチ薬を使用します。 麻薬や強力な鎮痛薬、筋弛緩薬は、抗炎症性に重大な問題があるので、背部痛や痙攣がひどい場合などに限定して、ごく短期間使用します。 |
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関節の硬直や脊椎後弯や脊椎前傾などの変形を人工関節への置換術や、矯正固定術で治療することがあります。 |
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適切な姿勢を保ち、関節の機能を維持するためには、適切なリハビリテーション(運動療法・姿勢訓練)を継続することが重要です。 |