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〔免疫療法〕 |
〔膠原病〕やその他の〔自己免疫疾患〕は、免疫異常によって発症することが分かっています。 |
この療法の基本的考え方は、患者自身がもっている免疫細胞を活性化し増殖させることでがん細胞を攻撃しようとするものです。 |
本来、人間の生体には、体外からの異物(抗原)の侵入に対して、これを攻撃し、撃退しようとする機能が備わっていて、免疫作用と呼ばれています。 免疫作用には、がんに対しても、その増殖を抑制したり死滅させたりする作用があります。 免疫療法は、何らかの方法でこの免疫力を強化してがんを攻撃し、抑制したり死滅させようとする療法です。 がん患者の免疫力を強化するための実現方法として、「免疫物質の調達方法による分類法」と「治療方法による分類法」など免疫療法の分類は複雑多岐にわたっています。 免疫物質の調達方法による分類法では、免疫物質を患者自身の免疫システムの活性化で実現する方法と、体外から免疫物質を注入する方法とがあります。
また、別の分類方法として、特定のがんではなく、がん全般に効果を発揮する「非特異的免疫療法」と特定のがんを専門的に攻撃する特異抗原を見つけて治療する「特異的免疫療法」という分類もあります。
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上記のような分類法とはまた別の分類として、「がんの治療方法による分類法」があり、とても多くの治療法があります。 免疫療法の種類とは、簡単に言えば、免疫物質の調達方法による分類や非特異的か特異的かによる免疫療法の分類に登場する、全ての免疫療法を指しています。 治療方法による分類としては、次のような療法があります。
・免疫賦活剤療法
その他にも「自律神経免疫療法」や「健康食品療法」「心理療法」などというものを含めることもあります。
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従来から用いられてきた免疫療法は「免疫賦活薬療法」と呼ばれるもので、「免疫賦活薬」を用いて免疫機能全般を強化する療法です。 これは「免疫増強療法」とも呼ばれています。 免疫賦活剤は、細菌類やキノコ類、植物から抽出される成分、BCGその他の菌体成分、あるいは他人のリンパ球成分などから抽出されることが多いです。 一般に、免疫賦活剤療法では特定のがんにしか適用することができません。 次の表に主な免疫賦活剤を示します。
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細胞が産生する生理活性物質は、サイトカインと呼ばれていて、既に数百種類が発見、確認されています。 一般にサイトカインは、細胞の増殖や分化、機能亢進、免疫作用などに極めて重要な役割を担っています。 サイトカインの中で、直接的にがん細胞を攻撃したり、他の免疫担当細胞を活性化することで、がんの増殖を抑制する作用を持ったものに、次のものなどがあります。
・インターフェロン(IFN)
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免疫細胞療法とは、患者の免疫細胞を一旦体外に取り出し培養して数を増やしたり、働きを強化するなどして活性化した後に、再び体内に戻してがん細胞の増殖を抑制する療法です。 一般にがん患者の免疫細胞は、健康なときに比べて低下していますが、患者自身の免疫細胞を体外で増やし活性化してから体内に戻すので、副作用が少ない特徴があります。 がんの外科手術後に、化学療法や放射線療法と併用することで、相乗効果や副作用の軽減も期待されます。 また、転移や再発予防にも効果が期待されます。 免疫細胞療法は、先進医療の一環として一部の大学病院などで、研究が急速に進化しつつあるものの、現時点ではまだ十分な治療効果が実証される段階には至っていません。 この療法にも多くの手法があり、それらをここで概説しておきます。
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がん細胞に適合した抗体が発見されれば、その抗体を用いてがんを攻撃することができます。 現在、このような抗体として5種類ほどのモノクローラル抗体が知られています。 特定のがんに特化したモノクローラル抗体と抗がん剤を併用することで、効果がより大きくなると期待されますが、この療法は現在ではまだ研究途上にあります。 乳がんの抗体による免疫療法薬として、「ハーセプチン」が知られていて使用されています。 将来的には、大腸がんや白血病、悪性リンパ腫などのがんに特効的に効く抗体が発見されることが望まれます。 |
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ペプチドワクチン免疫療法は、がん細胞に特異的な抗原などの特徴(目印)を発見し、リンパ球などにそのがん細胞だけを攻撃させる治療法です。 この療法は、現段階では実用段階には至っていませんが、大阪大学で研究されている「WT-1ワクチン療法」は、かなり有望と考えられています。 WT-1ペプチドという人工抗原を注射し、体内で樹状細胞の働きを活性化します。 WT-1は多くのがんの種類に存在する抗原であるため、免疫力を高める方法として期待されています。 |
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自律神経免疫療法は、「刺絡療法」とも呼ばれる療法で、爪の生え際などの身体末端部に注射針やレーザー針、電子針を用いて出血させ、自律神経に刺激を与え、免疫機能を引き出して治療する方法です。 |
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がんに効果のある健康食品が頻繁に宣伝されています。 いわゆる健康食品の中で、がんに効くというものにキノコ類や蜂蜜、初乳類、酢、ハーブ類などがあります。 特に、アガリスクやプロポリス、ロイヤルゼリー、黒酢など、がんに効くというものが多々あります。 しかし、ほとんどの場合に、これらの物質については、医学的な検証は全くといっていいほど、なされていませんので、信頼性は非常に低いと考えるべきです。 |
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人は趣味などで生きがいを見出したり、よく笑うなどの心理的状態をつくると免疫系を活性化させることができるとされています。 この種の療法には、イメージ療法、サイモントン療法、笑いヨガ療法などがあります。 |