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〔原発性肺がん〕 |
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〔肺がん〕は、肺の気管、気管支、肺胞細胞が正常な機能を失い無秩序に増殖する悪性腫瘍の総称です。 |
この場合の「原発性」という言葉は、呼吸器系自身から発生したことを意味しています。 |
肺は呼吸器系の中心的存在で重要な臓器で、心臓や気管、食堂などからなる縦隔を挟んで胸部に左右二つあります。 それぞれは左肺、右肺と呼ばれます。 肺は体内に酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出する大切な役目をもっています。 左肺は、上葉と下葉の二つの部分に分かれ、右肺は、上葉、中葉、下葉の三つの部分に分かれています。 肺のどの部分にも悪性腫瘍は発生し、これが〔肺がん〕で、上図にがんの発症部位などの例を示しています。(上図は「エルねっと」WEBサイトより転載しています。) |
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呼吸器のがんは、それを顕微鏡で観察したときのがん細胞の形態によって分類して四つのがんに分けられます。
・小細胞がん
通常、〔小細胞がん〕は進行が極めて速いがんですが、化学療法や放射線療法が効きやすい悪性腫瘍です。
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肺がんの発生部位が、口に近い側にできたか、口から遠い側にできたかにより分類します。 口に近い側でのがんは〔肺門型肺がん〕と呼び、口から離れている側でのがんは〔肺野型肺がん〕と呼ばれます。
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「がん細胞形態での分類」の項で既に述べているように、肺がんを治療方法・治療戦略によって分類すると、二種類に分けられます。 一つ目は、進行は速いが化学療法や放射線療法が効きやすい〔小細胞がん〕です。 二つ目は、逆に進行は緩やかながら化学療法や放射線療法が効きにくい〔非小細胞がん〕です。
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原発性肺がんの症状は、肺がんの原発巣が肺のどの部位から生じたかにより異なります。 一般的な症状としては、なかなか完治しない咳をはじめ、次のような多くの症状が現れます。
・長引く咳
以下に典型的な症状を示しますが、ある段階になると、これらの症状に加えて疲労感や食欲不振、体重減少などの現象も起こります。
肺がんは身体の他の部位に容易に転移します。
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原発性肺がんに限りませんが、どのような悪性腫瘍でも基本的な発生原因は細胞遺伝子の変異です。 何らかの原因で遺伝子が変異し、自己増殖にブレーキがかからなくなる状態が起こったとき、それはがんと呼ばれます。 喫煙が肺がんの最大の原因であることは誰でも知っていますが、肺がんの四大原因は次の四つとされています。 東京電力福島第一発電所の原発事故以降、放射線の影響も無視できない重大な原因になってしまいました。
・タバコに含まれる発癌性物質
特に喫煙による影響は極めて大きく、どれくらい喫煙したら危険なのか判断する方法に「喫煙指数」という指標が提案されています。 〔喫煙指数〕=〔喫煙本数〕X〔喫煙期間〕
たとえば、1日20本タバコを吸う人が、喫煙を30年間続けると、喫煙指数は600となります。
特に喫煙指数が1200以上となると、肺がんに加え〔喉頭がん〕になるリスクが極めて大となります。 非喫煙者に比べて女性では約6倍、男性では約8倍です。 男女差での喫煙の影響度では、喫煙指数が同程度の場合、女性の方が男性より重症化する傾向があります。 あなたの場合、もう手遅れかも知れませんが、今からでも禁煙すればそれなりの効果はあります。 余命がほんの少しだけ伸びる可能性は残っています。 |
肺がんでは、余命3ヶ月という末期段階になっても一見元気そうにしている人もいます。しかし、この凝りになるとちょっとした風邪でも命取りとなります。 こうならないためには、早期発見、早期治療が不可欠ですが、検査の基本は「喀痰検査」と「胸部X線検査」です。診断が難しい場合には、「X線CT」や「ヘリカルCT」「MRI」などの画像解析検査が有用です。 更に、これらの検査を行った上で、肺がんのがん細胞を確認する確定診断のための検査も行われます。
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肺がんと確定するためには、実際にがん細胞を採取し確認する生検が必要となります。このために、次のような方法で現実の病変部からがん細胞を採取したり、あるいは直接観察したりします。
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肺がんの進行度を調べる方法は、がん細胞の検査結果や胸部X線検査による方法だけでなく、転移などしている場合には、必要に応じてさまざまな臓器のX線CT検査やMRI、超音波検査、アイソトープ検査などを行います。 肺がんの臨床病期は、次の表で示すように〔非小細胞がん〕の場合と〔小細胞がん〕の場合とで少々異なります。 〔非小細胞肺がん〕の病期は「潜伏がん」「0期」の段階から「I期」~「Ⅳ期」に分けられますが、I期~Ⅲ期はさらにAとBに分けられます。 〔小細胞肺がん〕ではこの分類に加えて「限局型」と「進展型」に分類することがあります。
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肺がんの基本的治療法は、「外科療法」「化学療法」および「放射線療法」の三つで、最も効果があるのは外科療法(手術)です。 早期肺がんでリンパ節への転移がない段階であれば70%以上が治癒可能です。 しかし、一般的に肺がんの発見はかなり進行してからの場合が多く、外科手術を受けられるのは患者の僅か30%ほどしかありません。 結局、治療法の選択は、がんの種類や発生部位、進行度、患者さんの体力などの状態によって行われます。 小細胞がんで手術可能なのはごく初期の段階だけで、中心的療法は化学療法です。 放射線療法が併用されることもあります。 非小細胞がんでは、Ⅲ-A期までなら、手術が主体になりますが、それ以上に進行している場合には、抗がん剤治療を中心とした集学的治療となります。 |
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基本的な肺がん治療法は、外科療法、化学療法、放射線療法の三つですが、その他にもレーザー療法や遺伝子療法などがあります。 これらがどのように選択され、どのような効果が期待できるかなどの特徴を示します。
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肺がんの予後は、がんの種類が「非小細胞がん」だったか、「小細胞がん」だったかによって大きく異なります。 また、当然のことながら、がんの進行度(病期)によっても異なります。 そして、患者自身の一般的健康状態などにも深く関連しますが、目安としての一例を示せば次のようになります。 肺がんは本質的に予後不良のがんであり、完全に治癒するためには、早期発見、早期治療以外に方法はありません。
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肺がん治療に用いられる抗がん剤療法は、非小細胞がんの場合と小細胞がんの場合で異なります。 |
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非小細胞がんは肺がんの約8割を占め、進行は遅いものの抗がん剤が効きにくい特徴があります。 最近の標準的治療法は、プラチナ製剤に別の抗がん剤を加えた二剤併用療法となっています。 それぞれの抗がん剤には特有な副作用もあるので、適用に当たってはさまざまな工夫も必要となります。
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小細胞がんは進行が速く多くの場合に転移がみられます。 がんが特定の範囲にとどまっている限局型と拡がっている進展型とがあります。 抗がん剤はよく効き、限局型では治癒が期待できます。 進展型では一時的によくなったように見えても予後は決してよくありません。
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