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〔男性特有のがん〕 |
男性の生殖器には、精子を産生するためのさまざまな器官が備わっています。 ・精巣上体(副睾丸) ・精管 ・精嚢(せいのう) ・前立腺 ・尿道球腺 ・陰茎(いんけい) ・陰嚢(いんのう) (図は「gooヘルスケア」より引用し文字部は一部改変) |
精巣は睾丸とも呼ばれ、精子を作りだすところで左右一対があり、男性ホルモンも分泌します。俗称では〔金玉〕〔玉〕などとも呼ばれます。
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〔前立腺がん〕は、男性の膀胱と尿道のつなぎ目にある前立腺にできる悪性腫瘍です。 前立腺がんには多くの種類がありますが、大部分は〔前立腺腺癌〕と呼ばれるもので、通常は前立腺がんといえば、この〔前立腺腺癌〕を指しています。 前立腺がんは、初期にはほとんど自覚症状はなく、血液検査での「PSA(前立腺特異抗原)」の高値により検知されることが多いです。 進行すると頻尿、残尿感、排尿困難、圧迫感などの症状が現れ、やがてリンパ節や骨、実質臓器に転移してしまいます。 前立腺がんは、50歳代以降に発症することが多くなりますが、日本における前立腺がんの死亡者数は、がんによる全死亡者の3.5%を占めていて、年々増加傾向にあります。 |
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精巣は、男性ホルモンの分泌と精子の産生をする男性特有の臓器で、「ライデイヒ細胞」と「精母細胞」という二種類の細胞があります。 ライデイヒ細胞は、男性ホルモンを分泌し、精母細胞は生殖のための精子を産生しています。 ライデイヒ細胞からも精母細胞からも腫瘍は発生し、精巣腫瘍、あるいは睾丸腫瘍と呼ばれます。 大部分の腫瘍は、精母細胞から発生するため胚細胞腫瘍とも呼ばれます。 病理組織型による胚細胞腫瘍の種類には、精上皮腫や胎児性がん、卵黄嚢腫、絨毛がん、奇形腫があり、それぞれの治療方針を決定する上で重要な分類として、「セミノーマ」と「非セミノーマ」という二つのグループに分類されています。 |
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陰茎がんは、陰茎の亀頭や包皮の皮膚や組織内に発症する極めてまれな悪性腫瘍で、病理組織学的な種類は「扁平上皮がん」です。 陰茎がんは、特別な痛みを伴うこともなく発生し、進行すると、海綿体や尿道にも浸潤して潰瘍を形成したり、出血することもあります。 鼠径部のリンパ節に転移しやすく、その部位のリンパ節が硬く触れるようになったり、リンパ液の流れを阻害するために足の浮腫みが現われることもあります。 このがんの発生原因には、不衛生な環境下での生殖器やヒトパピローマウイルスなどがあるとされています。 陰茎がんの10万人あたりの発生率は、国や地域により異なりますが、アメリカでは1人、デンマークでは0.8人、オーストラリアでは0.4人、日本では0.1人ほどとなっています。 このがんの発症年代は、60~80歳が多いですが、中でも65~70歳に発症のピークがあります |