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健康用語

〔ゆさぶられっこ症候群〕

 
 ゆさぶられっこ症候群は「揺さぶられっこ症候群」「幼児揺さぶり症候群」とも呼ばれる疾患です。

 おおむね生後半年以内くらいの新生児や乳児の身体を過度に揺さぶることや、それに付随する外傷などによって発生する脳内出血などの諸症状をいいます。

 新生児や乳児の身体を過度に揺さぶると、脳組織には加速度損傷や打撃損傷が加わることになり、頭蓋内での出血を引き起こします。

 新生児や乳児をあやしたり、可愛がるあまり過度に揺さぶり、脳内に重篤な問題を招くことになれば、児童虐待とみなされます。


 ゆさぶられっこ症候群の典型的な症状は「網膜出血」「硬膜下血腫またはくも膜下出血」および「体表の外傷が軽微またはない」の三つです。

 ゆさぶられっこ症候群は、1972年に米国で「SBS(Shaken Baby Syndrome)」として報告され、1980年代には児童虐待のひとつの指標とみなされるようになりました。2002年以降、日本でも母子健康手帳に掲載され注意が喚起されるようになりました。


どんな病気ですか? ◆〔ゆさぶられっこ症候群〕とは、一体どんな病気なのかご説明します。
どんな病気ですか?  ゆさぶられっこ症候群は、SBS(シェイクン・ベイビー・シンドローム)という言葉どおり、新生児や乳児を激しく揺さぶる(シェイク)することで発症するいろいろな症状群を意味します。

 その目的がいかなるものであろうと、まだ首がすわっていない新生児や乳児の身体を過度に揺さぶる行為は、結果的に脳内での出血を招くなどの重大な事態を引き起こします。よくある原因としては、乳児などを躾のつもりで激しく揺すったり、あるいはあやし喜ばせるつもりで豪快に振り回したりすることで起こりうる障害です。

 フリー百科事典・ウイキペディアの情報によれば、こどもをあやそうとして、腕で首を支えた状態で抱きかかえ優しく揺らしたり、揺り篭で静かに揺すったり、適度な休憩をはさみつつベビーシートで寝かせながらの自動車での移動程度であれば、特に問題はないとのことである。


どんな症状ですか? ◆〔ゆさぶられっこ症候群〕の症状をご説明します。
ゆさぶられっこ症候群の症状  過度な揺さぶられ方で、脳内出血などの障害が発生した場合には、出血などの発生部位によっては、運動障害や言語障害、あるいは知能障害などを招いてしまうことがあります。また、激しい障害が発生すれば生命の危険に晒されることもあります。

 視神経や眼球などの損傷、耳の神経の損傷など、視聴覚器の損傷が発生した場合には、視力の低下や難聴など聴力の問題などを招くおそれがあります。

 ゆさぶられっこ症候群が起こると、乳幼児は嘔吐したり哺乳量が低下したり、痙攣発作を起こすようになります。このような症状は風邪などの病気でも起こりますが、もしも過度にあやしたり、車などで揺さぶられたりした後にこのような症状がでたのであれば、ゆさぶられっこ症候群が発症した疑いがあります。

 このような症状がでた場合には、小児科医を受診し、必要があればCTスキャンなどによる脳内画像検査が必要かも知れません。


原因は何ですか? ◆〔ゆさぶられっこ症候群〕の原因や発症の仕組みをご説明します。
ゆさぶられっこ症候群の原因  ゆさぶられっこ症候群は、基本的にはまだ首の据わっていない乳幼児の身体を過度に揺することで脳内出血などを起こす問題です。静かにあやす程度の揺さぶりなら大丈夫ですが、あやすことが目的でも強く揺さぶるのは危険なのです。

 この障害が発生する乳幼児の年齢の目安は、誕生直後~1年半くらいとされますが、それ以降でももちろん油断はできません。乳幼児では、頭蓋骨がまだしっかり固まっていないことと、脳と頭蓋骨との間の隙間が大きく、強く揺さぶられるとその間を結んでいる血管が切れてしまい、硬膜下血腫を起こすことあるのです。運動障害や知能障害を来たしたり、生命に危険が及ぶこともあります。

 偶然のできごとであるか、故意であるかは別な問題として、次のようなことがこの症候群の発症原因例となります。

ゆさぶられっこ症候群の発症原因例
あやし動作 ・頭を2秒間に5~6回揺する。
・身体を10秒間激しく揺する。
・身体を20分間左右に揺すり続ける。
・「高い高い」で空中に投げ上げる動作を繰り返す。
・両手で急速に持ち上げ、ゆっくり下ろす動作を繰り返す。
・揺り篭を早く何度も揺する。
偶然の出来事 ・赤ちゃんが寝返りの拍子にソファーから転げ落ちる。
・お座りできるようになったばかりで、ごろりと転ぶ。
・伝い歩きに失敗して転んで床に頭を打つ。
注意不足あるいは故意 ・車での長時間ドライブで揺すられる。
・泣き止まないからといって激しく揺する。
・躾のつもりで頭を揺する。


診断はどうなりますか? ◆〔ゆさぶられっこ症候群〕の検査方法や診断方法をご説明します。
ゆさぶられっこ症候群の診断  原因の項で述べたようなことがあり、その後に乳幼児がぐったりしたり、顔色が悪くなったり、痙攣や呼吸以上などの直接的な症状がある場合には、ゆさぶられっこ症候群が発症していると考えられます。

 早急に病院で受診し、適切な処置を受けることで、症状を軽度にとどめたり、後遺症が残らなくできる場合もあります。


治療はどうやりますか? ◆〔ゆさぶられっこ症候群〕の治療方法をご説明します。
治療方針・予防  ゆさぶられっこ症候群を起こしてしまってから治療するというのは、極めて難しい問題です。やはり、この症候群をよく理解しておき、予防に努めるのが最善の方法だと考えられます。

 具体的な予防法として、以下のようなことに十分気をつけましょう。

ゆさぶられっこ症候群の予防法
あやし動作  赤ちゃんが可愛いからといってあやし過ぎてはいけません。特に、力の強い父親が激しく揺するようなことが危険なのです。原因のところで述べたように、次のような動作は気をつけましょう。

 ・赤ちゃんを大人2人でキャッチボールする遊び。
 ・天井に向って高く投げ、受け取るなどの遊び。
 ・普通の「高い高い」もあまり繰り返さない。
 ・両手で急速に持ち上げたり下ろしたりする動作を繰り返さない。
 ・揺り篭を早く何度も揺さぶらない。

偶然の出来事  赤ちゃんや小さい幼児が伝い歩きするときなど、偶然に転倒するなどが危険です。次のようなことに気をつけましょう。

 ・赤ちゃんが寝返りしてもソファーから転げ落ちないようにする。
 ・お座り時にごろんと転んで床面などに頭を打たないようにする。
 ・伝い歩きに失敗して転んで床に頭を打たないようにする。
 ・赤ちゃんにゲップさせる時は、首を固定し背中を強く叩き過ぎない。

注意不足あるいや故意  赤ちゃんが揺さぶられっこ症候群になる最大の事例は「泣き止まないからといって、繰り返し前後に揺さぶる」というものです。たとえ、悪意はないにしても十分に気をつけなくてはいけません。

 ・泣き止まないといって激しく揺すらない。(特に父親)
 ・車で移動するときは、月齢に合ったチャイルドシートを使う。特に、水平型のチャイルドシートを使うようにする。
 ・長時間のドライブでは1時間ごとくらいで休憩する。
 ・車での休憩時には、チャイルドシートから下ろして、静かに寝かせて新鮮な空気を吸わせる。
 ・少し上の兄弟が赤ちゃんをあやすとき、身体を激しく揺すったり、揺り篭を何度も激しく動かしたりしないように注意する。