外鼻孔(鼻の穴)から鼻の内部に入ると、「鼻腔」と呼ばれる大きな空洞があります。 鼻腔は、鼻中隔と呼ぶ仕切りによって左右に分割されていて、内面は粘膜に覆われています。 鼻腔の後端は、後鼻孔によって咽頭へと繋がり、肺への空気の流れ道となっています。
鼻腔粘膜は、肺に送られる空気に湿り気を与えると同時に空気を暖める働きをしています。 繊細な肺胞壁を傷めないようになっていることから、鼻腔粘膜は「呼吸上皮」と呼ばれることがあります。 また、鼻は臭いを感じるための重要な器官ですが、鼻腔最上部の粘膜には、臭いを感知する細胞があります。 この細胞粘膜は「嗅上皮」と呼ばれ、他の部位の粘膜とは性質が異なります。 粘膜に覆われている鼻腔にも悪性腫瘍が発生することがあり、それが〔鼻腔がん〕です。