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〔パーキンソン病〕

 手足が震え、筋肉がこわばり、動作の開始が困難になり、バランスを崩すと姿勢を元の状態に戻せなくなるという4つの症状を持つ脳の病気がパーキンソン病です。

 初期の段階では、手足の震えやこわばりが片側ではじまり、進行してくると歩き始めようとしても最初の一歩が踏み出せず、歩きだすと止まれなくなるなどの症状を呈します。

 この病気に伝染性はなく、遺伝性の病気でもありません。


 日本では、厚生労働省の特定疾患(難病)に指定されている病気で、男女差はなく、人口10万人当たり約100人の患者がいます。患者数は50代から徐々に増加し、70代では人口10万人当たり約400人にもなります。また、10代、20代で発病する若年性タイプもあります。



どんな病気ですか? ◆〔パーキンソン病〕とは、一体どんな病気なのかご説明します。
どんな病気ですか?

 パーキンソン病は脳の病気であり典型的な症状として、手足のふるえ、筋肉のこわばり、動作が緩慢になり、一定以上傾くと元に戻れなくなる姿勢保持障害という4つが現れます。この他の症状として、排尿障害、便秘、気分の落ち込み、うつ症状などが現れることもあります。


どんな症状ですか? ◆〔パーキンソン病〕の症状をご説明します。
パーキンソン病の症状

 手足のふるえや筋肉のこわばりは最初は片側からはじまり、進行してくると両側に現れます。ふるえは、大体一秒間に4~6回くらいのゆっくりしたものです。パーキンソン病のふるえは特有なもので、安静にしているときにはふるえが強くなるが、何かしようとすると止まる性質があります。

 パーキンソン病患者が立ち上がった姿は、ひじと膝がやや曲がった形の特徴的な姿となります。病状が進行すると、歩き始めようとしても中々最初の一歩が踏み出せないすくみ足(寡動症)となり、歩幅も小刻みとなります。歩き出すと前のめりとなりトットットという感じで転倒するまで止まれないような突進状態となります。これらの段階を過ぎて病状が進行すると寝たきり状態になってしまいます。

 パーキンソン病の進行は緩やかで、その進行度によって5段階に分類されています。

パーキンソン病の進行度と症状
I ごく軽い症状で体の片側のみに現れている。
II 症状が体の両側に及んでいるが、特別な歩行障害はない。
III 歩行時の方向転換が不安定となり、突進現象歩行障害が現れている。
IV 介助なしでも歩行は可能だが、日常動作では何らかの介助を必要とする状態。
V 日常動作に全面的な介助が必要となり、移動には車椅子が必要で、家庭では寝たきり状態のなっている。


原因は何ですか? ◆〔パーキンソン病〕の原因や発症の仕組みをご説明します。
パーキンソン病の原因

 パーキンソン病の原因は分かっていませんが、パーキンソン病が発生する仕組みについては解明されています。

 大脳の下に位置し脊髄へと繋がる脳幹部の最上位に中脳と呼ばれる部分があります。この中脳の黒質線条体の神経細胞が変性して、神経伝達物質の一つであるドーパミンの生成量が減少してしまい、神経伝達物質が不足するために起こるのがパーキンソン病です。

 パーキンソン病の発症原因となっている部位から、本来発生してはいけない電気パルスが発生してしまい、これにより手足など身体のいろいろな部位に振戦が現れると考えられています。


診断はどうなりますか? ◆〔パーキンソン病〕の検査方法や診断方法をご説明します。
パーキンソン病の診断

 パーキンソン病は専門医により診断されますが、パーキンソン症状のうちの二つ以上があり、症状が片側からはじまっていること、および症状が進行していることから診断されます。

 パーキンソン症状を呈する原因には、パーキンソン病ではないいくつかの病気があるので、これらの病気と区別するために、いろいろな検査も行われます。パーキンソン症状を示す病気のうち、80%はパーキンソン病ですが、残り20%は症状は似ているが全く別の病気が原因であるためです。

 パーキンソン症状を起こす中の一つは、別の病気のために服用している治療薬の副作用によるもので、この場合には、その薬の服用を止めれば症状も軽快します。

 二つ目は、脳梗塞や脳内出血に起因するものです。頭部MRI検査で判別、確認することができます。パーキンソン病と他の病気との違いは、パーキンソン病であれば薬が効くことです。

 三つ目は、とても稀なケースですが、神経変性疾患と呼ばれる一群の病気によるものです。パーキンソン病もそんな病気の一つですが、脳の障害のある場所が異なり、症状にも多少の違いがあります。これに該当する病名には進行性核上性麻痺や皮質基底核変性症、レヴィー小体病、多系統萎縮症などがあります。


治療はどうやりますか? ◆〔パーキンソン病〕の治療方法をご説明します。
治療方針

 パーキンソン病は「パーキンソン病治療薬」という医薬による治療が中心となっていますが、薬物療法では十分な効果が発揮されなかったり、深刻な副作用が出るなどの理由で医薬の投与を続けられないとき、「高周波温熱度凝固術」とよばれる外科手術が必要となることがあります。

 また、最近では外科的手術が更に進歩し、脳深部に細い電極を埋め込んで外部から電気的刺激を与えることで、症状を完全に抑えることもできるようになりました。このような治療を施すと、奇跡的ともいえるほどの治療効果が認められます。

薬物療法

 パーキンソン病に対する薬物療法には、変性が起きている黒質線状体の部分に作用する仕組みの違いで次に示すように様々なものがあり、それぞれに顕著な効果を発揮しますが、これらの治療薬は年齢や症状、病気の進行度に応じて使い分けられます。

 また、これらの薬は、症状を改善したり軽減したりできるが、パーキンソン病を完治させるものではなく、ずっと飲み続ける必要があります。

 ・ドーパミンを補う薬
 ・ドーパミン受容体を直接刺激する薬
 ・ドーパミンを分解する酵素を阻害する薬
 ・ドーパミンの作用低下で相対的に機能が強まるコリン作動ニューロンの働きを抑制する抗コリン薬
 ・ドーパミン放出を促進する薬

高周波温熱度凝固術

 薬物療法では十分な効果がなかったり、副作用で薬を続けられないとき、外科手術が必要となることがあります。

 外科手術の目的は、運動症状を改善することで、高周波温熱度凝固術破壊はその一つの方法です。脳手術は、脳深部にある淡蒼球や視床、視床下核のどれかの部位を、温熱凝固破棄します。この手術では確実な効果があると確認されています。

脳深部刺激療法

 薬物療法では十分な効果がなかったり、副作用で薬を続けられないときの外科手術の方法に「高周波温熱度凝固術」より更に進化した画期的な外科療法が開発され、世界中で非常に多くの人たちがこの技術の恩恵に浴しています。

 この技術が「脳深部刺激療法」と呼ばれる外科的治療法です。外科的な脳手術により、脳深部にある淡蒼球や視床、視床下核のどれかの部位に細い電極を挿入し、外部より電気刺激を与える治療法でDSBと呼ばれています。

 この手術は、頭蓋骨に小さな孔を開けて、そこから電極を挿入するのですが、手術は部分麻酔の状態で患者自身と会話しながら行います。患者は脳の手術にも拘わらず痛みも感じませんし、会話することができます。これにより、パーキンソン病とは関係ない脳内の他の重要な部分への損傷を防ぐことができるのです。

 電極の挿入が完了すると、電極を通して数ボルトの電圧パルスを加え、電気刺激を与えることでパーキンソン病の症状が抑制されます。電圧パルスを作り出す刺激装置(パルスジェネレーター)は、脳内に埋め込む場合と、脳の外に置く場合とがあります。刺激装置を脳内に埋め込む場合には3~5年ごとに電池交換が必要となります。

 この技術は脳自体の手術を必要としますが、パーキンソン病の症状を抑制する顕著な効果があります。手術の安全性では、DBSの方が高周波温熱度凝固術よりも高いとされています。