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〔水虫〕 |
水虫は皮膚糸状菌という真菌(白癬菌)の感染によってできる病気です。 |
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真菌によって生ずる水虫や陰金田虫、しらくもなどの病気は、通常は皮膚の表面に感染して広がります。足の皮膚にできた水虫を長期間にわたって放置していると、真菌が爪組織の内部にまで侵入してしまい、根治困難な「爪水虫」を引き起こす可能性が大となります。 |
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〔水虫〕 |
水虫は皮膚糸状菌という真菌(白癬菌)の感染によってできる病気です。 |
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真菌によって生ずる水虫や陰金田虫、しらくもなどの病気は、通常は皮膚の表面に感染して広がります。足の皮膚にできた水虫を長期間にわたって放置していると、真菌が爪組織の内部にまで侵入してしまい、根治困難な「爪水虫」を引き起こす可能性が大となります。 |
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◆〔水虫〕とは、一体どんな病気なのかご説明します。 |
どんな病気ですか? |
真菌が原因で発症する病気は、総称して「白癬」と呼ばれ、皮膚糸状菌によって生じる皮膚感染症のひとつです。その発症部位や症状により「水虫」「陰金田虫」「爪水虫」「しらくも(頭部白癬)」および「ケルズス禿瘡(とくそう)」などがあります。 これらの病気の原因は、皮膚糸状菌(多くは白癬菌)という真菌によって起こる病気です。真菌は、簡単にいえば、カビの一種と考えられる細菌です。 |
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◆〔水虫〕の症状をご説明します。 |
水虫の症状・感染拡大 |
水虫は、主に足の底に小さな水疱をつくるものや、足の指と指の間に小さな水疱ができ破れて白くふやけてびらん状になるもの、足の裏の角質層が厚くなり硬化してしまうものなどがあります。 また、手の指にできることもあります。これらの水虫は、角質層にできるもの以外では、多くの場合、痛みや痒みをともないます。 足の水虫を放置すると、足の爪に感染してしまい爪水虫に進行してしまいます。爪水虫は、真菌がつめ内部まで侵入して、爪の角質がぼろぼろになり、白く濁ります。ひどくなると、爪が分厚く膨らんだり、爪の形が歪み変形し、反り返ったりします。見た目は最悪で恥ずかしくて人前で足を出すことができなくなります。 水虫は多少の痛みや激しい痒みを感じますが、爪水虫には自覚症状はそれほどありません。しかし、ひどくなると靴を履いたり指で押して圧力を加えると痛みを感じることもあります。 身体を不潔にしていると、足の水虫が陰部に感染し、陰金田虫(いんきんたむし)と呼ばれる症状を呈するようになります。陰金田虫は、足の付け根部分(鼠径部)にできる慢性湿疹のような赤いぶつぶつです。感染初期に小さな斑点状のブツブツができ、黄濁色の粘液を含む膿庖ができます。膿庖は次第に盛り上がって膨らみ中心部がやや暗色を帯びてきます。強い痒みを伴いながら周囲に広がってゆきます。痒みは体が温まると特に強く感じます。 同様に不潔な状態を放置すると、水虫が今度は頭部に感染し、頭部白癬と呼ばれるしらくもとなります。頭部にふけ(鱗屑)が付着した境界のはっきりしたゼニ型の脱毛局面が現れます。しらくもは幼児や子供に発症することが多い病気です。猫などのペットにも感染するので注意が必要です。猫から移ることもあるからです。 ケルズス禿瘡は、人畜共通の病気で、頭部に生じる白癬菌感染症の一つですが、細菌が皮膚の下部まで侵入してしまい、毛嚢を破壊し、頭部脱毛を生じます。紅斑ができ、丘疹、膿疱が頭部に出現し、圧痛を伴うこともあり、髪の毛は容易に抜けて瘢痕性脱毛を残すことがあります。ケルズス禿瘡はとても難治性の病気で、猫や犬をペットとして飼っている人などに多く発症します。乳幼児に多く発症します。 このように水虫は、単に足の皮膚の病気ではなく、全身にも感染しやすい病気なのです。 |
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◆〔水虫〕の原因や発症の仕組みをご説明します。 |
水虫の原因 |
水虫・陰金田虫・白癬などの病気は、いずれも白癬菌(真菌)による感染症の病気です。白癬菌は高温多湿の環境下で繁殖しやすいので、汗ばんだり濡れたりした皮膚をそのままにしておくと感染し易くなります。湿った靴下を長時間履いていると足の水虫に非常に罹り易くなります。 おしゃれでブーツなどのような密閉度の高い靴を長時間履いている女性は水虫に感染することが多くなります。 白癬菌の感染は、多くの場合に、人から移りますが、公衆浴場の椅子や洋式トイレなども感染源になります。身体に貼付する湿布薬類も長時間貼ったままにしていると体部白癬になることがあります。 しらくもは犬や猫などのペットから感染することがあるので注意が必要です。 また、糖尿病患者やステロイド薬(副腎皮質ホルモン薬)を内服したり外用している場合には、免疫力の低下を招き、白癬菌に感染しやすくなります。ステロイド薬はアレルギーなどの免疫疾患治療薬として身体の免疫作用を抑制する薬だからです。 |
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◆〔水虫〕の検査方法や診断方法をご説明します。 |
水虫の診断 |
水虫や爪水虫などの白癬菌による病気の診断は、症状の出ている皮膚を採取して顕微鏡で見る検査で行われます。この顕微鏡検査で白癬菌が見つかるかどうかが、診断の決め手となります。 最も一般的な水虫の検査は、「カセイカリ検査法」です。この方法では、感染している部位から少量の皮膚を採取し、少量のカセイカリ液を加え、60~70度Cで2~3分加熱した後に顕微鏡で観察します。 白癬菌は、糸状の菌糸が繋がって伸びていて、ところどころに竹の節状の隔壁があります。これが数珠のように連続していて、これらがひとつずつ離れると周囲に飛散してゆき感染を広げるのです。 |
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◆〔水虫〕の治療方法をご説明します。 |
治療方針・予防 |
通常の足にできる水虫の治療は、先ずは抗真菌薬の外用薬を用いて治療します。主に使用される薬には次のようなものがあります。
しかし、既に水虫が相当進行して、一旦、爪水虫に罹ってしまうと、白癬菌は爪の内部深くにまで侵入してしまい、外用薬だけでは治療不可能となります。この場合には、外用薬と同時に内服薬も併用して、爪水虫を内と外から挟み撃ちにしなくては治療できません。内服薬での治療には早くても半年くらいかかり、長いときは2年くらいの治療期間が必要となり、とても根気の要る治療となってしまいます。 爪水虫の内服薬での治療を始めると、爪の付け根の方から菌が死滅し爪が正常になってゆきます。親指の場合だと、爪の伸びる速度が速いので爪はじきに正常に完治します。しかし、人差し指や中指の場合には、爪の根元から治り始めても、爪の伸び方が遅いために、細菌による逆方向へ向かう感染の広がりで、なかなか完治しません。完治には非常に長期間がかかることになるのです。 また、内服薬を長期間使用することで肝臓障害などの副作用を伴うことがあるので、定期的な肝機能検査なども必要です。 尚、一旦爪水虫に罹ると、そこが真菌(白癬菌)の隠れ家となってしまい、菌を供給し続けるために、足などの水虫が一向に完治しません。爪水虫を根治しない限り、水虫から逃れる手段はないと覚悟しなくていけません。
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