涙腺腫瘍の検査では、先ず、眼の視診や触診、眼球運動の状態などが調べられます。腫瘤がないか、あるならどのような形状か、大きさや硬さはどうか、圧痛があるか、眼球の突出などの異常がないかなどが調べられます。更に、もし腫瘍が悪性腫瘍でがんである場合には、リンパ節への転移が想定されるので、周辺のリンパ節に腫瘍がないかを調べます。
まぶたの発赤や圧通がある場合は、涙腺腫瘍ではなく「急性涙腺炎」と呼ばれる細菌やウイルスの感染症である可能性があります。急性涙腺炎と腫瘍を鑑別するために、血液検査が必要です。
腫瘍があるとした場合、CTスキャンやMRIなどにの画像診断技術により、腫瘍の拡がり程度、周囲への影響度合い(周囲の骨の破壊など)、学級突出程度などが詳細に解析されます。
骨の破壊がみられる場合の腫瘍は、悪性腫瘍である可能性が非常に大きくなります。悪性腫瘍の疑いがあるときは、放射性物質を体内に収入することで、骨以外の臓器の炎症やがんの部位を調べるガリウムシンチグラムという核医学検査を行います。この検査で、胚や肝臓など、全身への転移の有無が分かります。
最も確実な検査は、腫瘍の一部を採取して顕微鏡による病理組織診断を行うことなのですが、腫瘍の一部を採取する方法は、細胞を傷つけることで、もしも腫瘍が良性腫瘍だった場合に、それを悪性腫瘍に発展させてしまう危険度が高くなることがあります。生検を行うときは、腫瘍を全摘出して顕微鏡で調べることが安全です。
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