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〔TOF:ファロー四徴症〕 |
ファロー四徴症は、先天性心奇形の一種で、略称「TOF」とも呼ばれる疾患です。 この疾患では、次のような四つの奇形が合併しているのが特徴です。 ・「右心室肥大」 ・「心室中隔欠損」 ・「大動脈騎乗」 ・「肺動脈狭窄(漏斗部狭窄)」 これらの奇形により静脈血が心室中隔欠損口を通って大動脈に流れ込み、全身に送られる動脈血にうっ血が起こり、皮膚の色が青紫色になるチアノーゼが現れます。 |
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TOFは、2歳以上のチアノーゼ性心疾患の90%以上を占めています。また、この疾患では、運動制限、無酸素発作などが起こります。動脈血に血中二酸化炭素濃度の高い静脈血が増加してしまうためです。 TOFは先天性奇形なので、出生直後の新生児にチアノーゼが認められます。この疾患を持ったまま成人すると、呼吸困難によるしゃがみこみや、赤血球増加症、および太鼓バチ状指と呼ばれる手指の変形などの症状が現れます。 ファロー四徴症は、先天性であるが故に放置すると生命の危険が極めて大きく、40歳まで生存できるのは3%程度とされています。医薬で治癒することも自然治癒することもなく、根治するためには心臓外科手術が必要です。 |