〔TOF:ファロー四徴症〕 |
ファロー四徴症は、先天性心奇形の一種で、略称「TOF」とも呼ばれる疾患です。 |
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TOFは、2歳以上のチアノーゼ性心疾患の90%以上を占めています。また、この疾患では、運動制限、無酸素発作などが起こります。動脈血に血中二酸化炭素濃度の高い静脈血が増加してしまうためです。 |
〔TOF:ファロー四徴症〕 |
ファロー四徴症は、先天性心奇形の一種で、略称「TOF」とも呼ばれる疾患です。 |
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TOFは、2歳以上のチアノーゼ性心疾患の90%以上を占めています。また、この疾患では、運動制限、無酸素発作などが起こります。動脈血に血中二酸化炭素濃度の高い静脈血が増加してしまうためです。 |
◆〔TOF:ファロー四徴症〕とは、一体どんな病気なのかご説明します。 |
どんな病気ですか? |
TOF:ファロー四徴症は、心臓に4つの奇形を合併する先天性心疾患で、報告者のフランス人医師ファローの名前を付けた病名です。
健常者の心臓であれば、血液は右心室から肺動脈を通り、肺に入って酸素を受け取るのですが、この疾患の場合には、先天性の心室中隔欠損と肺動脈狭窄があるために、血液が肺動脈へ流れなく大動脈へと流れ出てしまいます。 それにより、血中二酸化炭素濃度の高い静脈血が全身を回ることになり、低酸素状態に陥ります。典型的な症状としてチアノーゼがでてきます。 症状が進行すると、肺動脈狭窄によりますます右心室が肥大し、左右の心室間を通る短絡血液量の増加を招き、症状が悪化します。 この疾患を持つ患者が、適切な治療をすることなく、40歳まで生存できる確率は3%程度とされます。心臓外科手術で根治できます。 |
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◆〔TOF:ファロー四徴症〕の症状をご説明します。 |
TOF:ファロー四徴症の症状 |
TOFは、先天性疾患なので、出産直後より症状が現れることがあります。最も典型的な症状として、左右心室間で動脈血と静脈血が混合してしまい低酸素状態となるために、チアノーゼが現れます。
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◆〔TOF:ファロー四徴症〕の原因や発症の仕組みをご説明します。 |
TOF:ファロー四徴症の原因 |
健常者では、体内に酸素を供給し使用された血液は、右心室から肺動脈を通り、肺に入って再び酸素を受け取るのですが、TOF患者では心室中隔欠損と肺動脈狭窄があるために、使用済みの血液の一部が肺動脈へ流れないで大動脈へと流れ出してしまいます。 |
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◆〔TOF:ファロー四徴症〕の検査方法や診断方法をご説明します。 |
TOF:ファロー四徴症 診断方針 |
TOFの診断方法は「聴診」「心臓超音波検査(心エコー検査)」「心電図検査」「X線検査」「心臓カテーテル検査」および「血液検査」などで行います。 |
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聴診 |
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心臓超音波検査 (心エコー検査) |
TOFによる肺動脈狭窄の一部、右心室肥大、心室中隔欠損などが確認されます。また、大動脈の付け根が心室中隔に騎乗して起始しているように見えます。 |
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心電図検査 |
右室肥大、洞調律、右軸偏位が確認できる場合もあります。 |
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X線検査 |
稀に心臓が木靴型(ブーツ型)の形状を映します。他、右第1弓の突出、細い肺野血管影などがみられます。 |
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心臓カテーテル検査 |
心室造影で、心室中隔欠損、大動脈が心室中隔に騎乗して起始、右室漏斗部の低形成。大動脈造影・選択的造影で、動脈管・中心肺動脈・肺動脈が造影されます。 |
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血液検査 |
赤血球の増加(多血症)がみられます。 |
◆〔TOF:ファロー四徴症〕の治療方法をご説明します。 |
TOF:ファロー四徴症の治療 |
TOF:ファロー四徴症は、先天的疾患であるため、自然治療法はなく、根治療法としては必ず手術しなければ治療できません。はっきり言えることは、根治のためには、全ての症例において手術が不可欠だということです。。 |
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◆〔TOF:ファロー四徴症〕の予後はどうなりますか? |
TOF:ファロー四徴症の予後 |
ファロー四徴症の根治手術の成功率は高く、予後は比較的良いのですが、一般の人に比べると寿命は短いとされ、25年生存率は96~98%ほどです。 |
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