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〔白血球性疾患〕 |
造血器の項で示したように、血液の成分は赤血球、白血球、血小板から成っています。この内、白血球は骨の中の骨髄内で造血幹細胞が分化・増殖して造られます。 |
白血球は、主に外部から侵入する細菌やウイルスなどの外敵を撃退する機能をもっていますが、これらの機能が自分自身の身体を攻撃してしまうアレルギー反応を引き起こすこともあります。 白血球の寿命は、種類により大きく異なり、顆粒球では2週間程度、Tリンパ球では4~6か月、Bリンパ球は2~3日(または、5~7週間)となっています。 白血球系の病気は、白血球の産生過程に問題があったり、白血球の量が不足したり、過剰になったりして起こります。 |
白血球数が減少する原因には、特別な異常がないのに白血球数のみが減少する場合と、何らかの他の疾患が原因で白血球数が減少する場合とがあります。 |
血液細胞は骨髄で産生され白血球、赤血球、血小板という三要素から成ります。そして白血球には、顆粒球、リンパ球、単球という種類があります。 これらすべての血液細胞は骨髄中の造血幹細胞から枝分かれしながら成長・成熟して産生されますが、骨髄系の造血細胞が腫瘍化し、分化・成熟能を失ってしまうのが、急性骨髄性白血病です。 急性骨髄性白血病では、白血球だけが増加し赤血球が減少してしまうので、身体に十分な酸素を運搬することが出来なくなります。 この結果、全身の倦怠感や息切れ、ふらつきなどの貧血症状が現れ、更に大量出血や感染症に罹り易くなります。 |
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骨髄で産生される白血球、赤血球、血小板の内、白血球には顆粒球、リンパ球、単球という種類があります。 本来、骨髄ではやがて成熟した血液細胞となるべき未成熟な造血幹細胞が造られ、骨髄中で成熟して赤血球や白血球、血小板などになります。 ところが、何らかの原因で骨髄や体内を流れる血液中に異常に多くの白血球が増殖する場合があり、これが慢性骨髄性白血病です。 慢性骨髄性白血病では、白血球(顆粒球)と血小板が異常に増殖しますが、病気の進行は非常に緩慢で自覚症状のない慢性期が続きます。 その後、移行期を経て、一気に悪化する急性転化期へと進行し、貧血、体重減少、発熱などの症状が現れます。 |
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急性リンパ性白血病は白血病の一種で、「ALL(Acute Lymphoid Leukemia)」とも呼ばれる病気です。ALLは、リンパ球の造血細胞が腫瘍化し、分化・成熟能を失ってしまう疾患です。 小児の急性白血病の多くは、急性リンパ性白血病です。欧米では白血病の中で急性リンパ性白血病が大部分を占めますが、日本では急性骨髄性白血病の方が多く発症します。 急性リンパ急性白血病では、リンパ球系が増加するため、顆粒球系、赤血球系、血小板系は減少します。 T細胞型の急性リンパ急性白血病では、末梢血における白血球が著明に増加する特徴があります。 急性リンパ性白血病では、脾腫をふれることがありますが、巨脾になることはありません。 初診時の年齢が1歳以下、または10歳以上の乳幼児・学童では、初診時2~6歳の幼児に比べて予後は明らかに不良となります。 白血病細胞がT細胞型であったり、初診時の末梢白血球数が5万以上ならば予後不良を示唆します。 また、男女差では男児の方が予後不良ですし、中枢神経系浸潤がある場合にも予後不良となります。 |
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慢性リンパ性白血病は、骨髄中で白血球の一種であるリンパ球が異常に多く作られる血液のがんでCLLとも呼ばれる病気です。 発症は緩やかで進行しないと特別な症状はなく、しばしば定期健康診断や他の病気の検査時に白血球増加が見つかり偶然的に発見されます。 慢性リンパ性白血病では、白血球数は5万~20万/mm3と著しく増加し、症状が進行すると、疲労感や全身のリンパ節の肥大、扁桃肥大、肝・脾腫がみられ、貧血や血小板減少もみられます。 慢性リンパ性白血病は、中年以降、60歳以上の高齢者に多く発症し、小児に生じることは稀です。 この病気になると、感染症で死亡する人が多く、半数は4~6年で感染症を合併して死亡します。 |