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〔血液・造血器の病気〕



〔血液・造血器の病気〕

血液の構成
造血器

赤血球系疾患〔詳細展開〕
白血球性疾患〔詳細展開〕
骨髄増殖性疾患〔詳細展開〕
リンパ増殖性疾患〔詳細展開〕
血漿蛋白異常〔詳細展開〕
出血性疾患〔詳細展開〕

 血液はくまなく巡回しながら、身体の隅々まで酸素を運ぶとともに酸素が消費されて出来た二酸化炭素を集めてくる役目をしています。

 また、血液中のリンパ液などは、外部から侵入してくる細菌やウイルス、あるいは他の異物を撃退する役目を果たしています。

 造血器は、この大切な血液を産生する器官で、骨の内部の骨髄の中にあります。また、胎児期には肝臓や脾臓にもその機能があります。



 骨髄は骨の内部にある多孔質組織で、血液を作り出す骨髄液で満たされ、骨の外側を流れる血流とは毛細血管で繋がっています。

 骨髄液に含まれる造血幹細胞が分裂増殖して赤血球や白血球、血小板にまで成長すると、この毛細血管を通じて全身に流れ出てゆくのです。

 血液や造血器の病気を大きく分類すると、〔赤血球系疾患〕〔白血球系疾患〕〔骨髄増殖性疾患〕〔リンパ増殖性疾患〕〔血漿蛋白異常〕および〔出血性疾患〕」などとなります。


 それぞれの系統の疾患は、更に多くの疾患や病気に分類されるので、血液・造血器の病気は全体では非常に多岐にわたります。

 血液・造血器の主な疾患群には、〔赤血球系疾患〕や〔白血球系疾患〕〔骨髄増殖性疾患〕〔リンパ増殖性疾患〕〔血漿蛋白異常〕〔出血性疾患〕があり、それぞれに多くの疾患が含まれています。


こんな種類の疾患があります

血液・造血器疾患の種類

赤血球系疾患 鉄欠乏性貧血・巨赤芽球性貧血・溶血性貧血・再生不良性貧血・続発性貧血・出血性貧血・サラセミア
白血球系疾患 急性骨髄性白血病・慢性骨髄性白血病・急性リンパ性白血病・慢性リンパ性白血病
靴隋増殖性疾患 骨髄線維症・真性赤血球増加症
リンパ増殖性疾患 リンパ浮腫・リンパ節炎・菌状息肉症・悪性リンパ腫
血漿蛋白異常 多発性骨髄腫・続発性免疫不全症・マクログロブリン血症・重鎖病
出血性疾患 血小板減少性紫斑病・単純性紫斑病・血管性紫斑病・血小板無力症・壊血病

こんな病気です
〔赤血球系疾患〕

 赤血球系疾患は、赤血球が造られない、赤血球数の異常、赤血球の異常などにより出現する疾患です。

赤血球系疾患の種類

鉄欠乏性貧血

 体内の鉄分不足により十分な赤血球が産生できないことによる貧血

巨赤芽球性貧血

 骨髄中の赤芽球が異常に肥大し赤血球になる前に破壊されて起こる貧血

溶血性貧血

 細菌感染や毒素などで赤血球が破壊されて起こる貧血

再生不良性貧血

 骨髄中の造血能力低下で末梢血中の全ての血球が不足して起こる貧血

続発性貧血

 悪性腫瘍や腎臓病、肝臓病などが原因で起こる出血などによる貧血

出血性貧血

 外傷や吐血、下血などの急性出血やや胃潰瘍などの慢性出血で怒る貧血

サラセミア

 ヘモグロビン遺伝子異常で正常な赤血球が産生されないために起こる貧血



〔白血球系疾患〕

 白血球系疾患とは、白血球が造られない、白血球数の異常、白血球の異常などにより出現する疾患です。

白血球系疾患の種類

急性骨髄性白血病

 骨髄系の造血細胞が腫瘍化し、分化・成熟能を失う疾患

慢性骨髄性白血病

 骨髄内で造血幹細胞の無秩序な分裂が起こり白血球数が増加する病気

急性リンパ性白血病

 骨髄や末梢血中でがん細胞が異常に増加する白血病のひとつ

慢性リンパ性白血病

 骨髄のB・T前駆細胞が、リンパ節、胸腺で機能分化しがん化した病気



〔骨髄増殖性疾患〕

 骨髄増殖性疾患とは、骨髄内の造血幹細胞、前駆細胞、および成熟細胞が異常増殖する骨髄性腫瘍疾患です。

骨髄増殖性疾患の種類

骨髄線維症

 造血幹細胞の異常で骨髄に線維化が起こり、肝臓や脾臓で髄外造血に至る

真性赤血球増加症

 真性多血症は、造血幹細胞が腫瘍化して発生する血液腫瘍疾患



〔リンパ増殖性疾患〕

 リンパ増殖性疾患とは、リンパ球自体が異常に増殖するリンパ増殖性疾患です。

リンパ増殖性疾患の種類

リンパ浮腫

 リンパ球の体液回収機能の異常で体内に血漿蛋白や水分が停滞してしま状態

リンパ節炎

 1か所またはそれ以上のリンパ節で腫れと圧痛を伴うの炎症

菌状息肉症

 Tリンパ球細胞が悪性化し、皮膚を侵す皮膚悪性リンパ腫

悪性リンパ腫

 リンパ系組織から発生する悪性腫瘍で全身発生の可能性が大



〔血漿蛋白異常〕

 血漿蛋白異常とは、血漿中のたんぱく質の異常増減により発症する疾患です。

血漿蛋白異常の種類

多発性骨髄腫

 骨髄で腫瘍性形質細胞が異常増殖する血液のがんで予後は悪い

続発性免疫不全症

 薬物や悪性腫瘍、感染に引き続いて二次的に起こる免疫不全症

マクログロブリン血症

 マクログロブリンと呼ばれる異常細胞グロブリンが増殖・浸潤する疾患

重鎖病

 免疫グロブリンのH鎖のFcフラグメント相当部が血清、尿中に出る疾患



〔出血性疾患〕

 出血性疾患とは、鼻血・血尿・月経過多などの出血傾向と止血困難を特徴とする一連の病気です。

出血性疾患の種類

血小板減少性紫斑病

 血液中の血小板数が異常に減少し出血し紫斑ができやすくなる病気で、続発性血小板減少性紫斑病と血栓性血小板減少性紫斑病がある。

単純性紫斑病

 四肢の皮膚表面にできるしこりのない点状の出血斑を呈する疾患

血管性紫斑病

 アレルギーにより四肢の血管が障害を受け紫斑症状を呈する疾患

血小板無力症

 血小板無力症は、血小板凝集因子が先天的に欠損した病気

壊血病

 出血性の障害が体内の各器官で生じる病気

血友病

血液中の血液凝固因子の一部に欠損あるいは欠落があり、血液の凝固に異常が起こる病気



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