〔神経鞘腫〕は、末梢神経の髄鞘を形成するシュワン細胞に由来することから〔シュワン腫〕とも呼ばれます。
〔神経鞘腫〕の組織学的な病理所見としては、紡錘形細胞と線維が豊富で核が一列に並ぶ柵状配列が明確である「Antoni A型」と呼ばれるものと、そうではなく細胞および線維に乏しい疎な部分が主体の「Antoni B型」と呼ばれるものがあります。
この腫瘍の症状としては、腫瘍が発生した近傍の神経性疼痛から始まり、次第に脊髄圧迫症状が現われてきます。
特に聴神経鞘腫では、前庭神経の圧迫により耳鳴りや難聴、めまい、眼振などの症状が出てきます。
〔神経鞘腫〕は、20~70代まであらゆる年齢層に幅広く発生しますが、発症の平均年齢は40代後半となっています。
腫瘍は被膜に覆われた神経幹内にできるため、通常は手術により完全に摘出できます。
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