花粉症の原因物質はスギ花粉が大部分であるため、通常、花粉症といえば、スギ花粉症を意味しています。
「くしゃみ」「鼻みず」「鼻づまり」の3大主症状を特徴とする病気を総称して「鼻過敏症」と呼びます。基本的に鼻過敏症はアレルギー性の病気であり、この内でアレルギー反応を引き起こすアレルゲン(抗原:原因物質)がはっきりしているものは「アレルギー性鼻炎」と呼ばれています。また、抗原がはっきりしないものは、「血管(神経)性鼻炎」と呼ばれています。
アレルギー性鼻炎には、季節にかかわりなく発症する「通年性アレルギー性鼻炎」と、特定の季節に集中的に発症する「季節性アレルギー性鼻炎」とがあります。年間を通して発症する「通年性アレルギー性鼻炎」の主な抗原(原因物質)は、家庭内のチリやホコリ、ダニなどのハウスダストなどです。
これに対して、はっきりとした季節性をもって発症する「季節性アレルギー性鼻炎」の主な抗原は、樹木や草花、雑草などの植物の花粉です。日本列島は南北に長いために花粉症の原因となる植物も多種多様であり、80種類ほどが知られています。このように花粉類が原因抗原となって起こる、季節性アレルギー性鼻炎を主体とした症状が「花粉症」です。この病気は「枯草病」と呼ばれることもあります。
花粉症の原因となる花粉の中で、最も深刻な影響を及ぼすのは「スギ花粉」です。戦後、スギの木の植林が盛んに行われ、全国いたるところに大量のスギの木やスギ林が存在することが原因となっています。
花粉症では、発作性のくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目の痒み、涙目などの一連の症状が発症しますが、抗原物質が植物の花粉であり、花粉の飛散時期に集中して発症するのが特徴です。花粉症特有な症状である「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」および「目のかゆみ」を花粉症の4大症状と呼ぶことがあります。
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